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リグナムバイタ 木材-1

2010年03月12日 | 木の話
ボートショウの時にステージで来場者向けにクイズを行っていた。
「スクリューの軸受(スタンチューブ)に使われる木材はなんでしょう?」
…とか云うようなクイズだった。
四択ぐらいで、そのなかにリグナムバイタと云う言葉があった。
答えはリグナムバイタだけど、見たことがある人は、それほど多くないと思う。


我が家に在る(笑)。
直径30センチ、長さ3mくらいの丸太で、半世紀以上前、我が家の資材置き場(戸外)
にほったらかしにしてあった。
その丸太に腰掛けた七五三の時の写真があるから(笑)、それ以前から在ったと思う。
長さ3mの丸太、重くてビクともしなかった。



大人になってから、父に問うた。
「この木は邪魔だな。なんとか始末しないと…」
「これは船のスクリューの軸受になる木材で、ものすごく重い。水に沈む木だ」
「ふ~ん」
リグナムバイタ…という木だ
「1年で1ミリくらいしか育たない、太くならない木だ」

…で、その話は、それで終わり(笑)。
ずっと、そのまま元在った場所に鎮座していた。



20年ほど前、やはり邪魔になって片づけることになった。
長い間、雨ざらし陽ざらしになっていて、外皮、白太の部分は腐蝕して、
本来の赤身の部分だけが残った。
どうしたらよいだろう?。
輪切りにして、花瓶を置く花台にしたらどうだろうか?。

製材所へ問い合わせた。
木材の材質を云わなかった。堅い木だとは伝えておいた。
「この木、製材所にあるような木を切る機械では切れない。お断りする」
「…、…」
「丸鋸の大きな歯が火を噴いてみんな壊れてしまった」
「なんとかしてよ!、おねがい」



製材所の知り合いの機械屋さんで輪切りにして貰うことになった。
特殊な大きなダイアモンドソーを何枚か取り替えたと聞いた。
カット代金がやたら高かった記憶がある。迷惑料か(笑)。

丸太を輪切りにして30~40枚の花台を作り、父が知り合いに配った。
数枚は自宅に残っているはずだけど、目の前に見える花台は2枚だ(笑)。
こんな重いモノ、足元へ落とすと絶対に骨折する(泣)。



相場を調べてみた。
@5,000,000/m3~
のようだ。
半径15センチ、厚み6センチ
0.150×0.150×3.14×0.060=0.004239m3
0.004239×5,000,000=21,195円か(笑)。



化粧木

2008年12月26日 | 木の話
会社の近所を通る国道一号線バイパス。
そこの四車線化工事が何年も続いている。
近くの山(賎機山)を貫通する537mのトンネル工事が今年になって始まった。

http://www.shizukoku.go.jp/torikumi/seishin/shoubu/shizuhata-tonnel/images/pdf/shinchoku1001.pdf

早く全線4車線開通して欲しいモノだが、ハーフインターだったインターチェンジが
フルインターになるため、弊社の敷地の30%がかぶってくる。
来年には会社は移転をしなくてはならない。
それはそれで、重要な問題なんだが、別に気になることがあった。



トンネル工事の入口の上に「反ったツノのような木材」が置かれている。
何かしらの御守りだと感じていた。

トンネル工事が始まった時から気になっていたが、ノロノロ走りながら写真を撮ってきた(笑)。

ネットで「トンネル工事 安全祈願」と検索してみると「化粧木(ケショウギ)」と呼ばれている。



          ◆           ◆

反りのある太い松や檜を横にして、角のような感じです。
これは山の女神様を鎮めるために祀られています。
危険を伴うトンネル工事での安全、無事故を祈願するものです。

昔は山の神様は雌犬だといわれており、女性が入ると犬神が嫉妬をして怒り、
口笛を吹くとしっぽを振る?つまり工事にて崩れたり、
危険を招く可能性があるという迷信があったそうです。

現在は工事の見学、開通式、医療行為などで、女性は入坑できます。
でも口笛はふかないほうがいいかもしれませんね。
危険を伴う坑内で懸命に作業している方たちがいますので。

          ◆           ◆




お花見計画 2

2008年03月29日 | 木の話
 木製品が好きだ。

 前のエントリでメンパの事を書いたら、ヨットつながりのマンボさんから「我が家は正統派でお花見には重箱に入れて行きます」とのコメントがあった。
http://white.ap.teacup.com/something/544.html

お花見=重箱…良いですねぇ。いいなぁ。

我が家のメンパ類に混じって、メンパじゃない、曲げワッパでもないモノが混じっている。四角い、長方形の木製弁当箱…とでも言うのかな?。



あちこちへ行った時に購入したモノ、料亭で貰ったモノ、指物職人に作ってもらったモノ、いろいろ在るので判らなくなってしまったが、木製品は良い。使っていると味が出てくる。漆がはげても、塗り直せば再生する。一生モノではなく何世代も伝えて行くことが出来るモノだと思っている。



薄い丸いヤツ、四角な二段弁当箱…これらがお花見にはお似合いなのかな。







世代を超えて

2007年10月03日 | 木の話
以前から塗装がはげ掛かってきた4人用の食卓を替えたいと妻が云っている。
安物なんだが一応、積層材を使った食卓なので一度塗装をはがして
塗り直せばまた使用することが出来る…が、新しいモノを欲しいという。

一ヶ月半ほど前、大型家具店<ニトリ>へ出掛けてみた。

いいなぁ…と思われる食卓は無垢材を使用していて30万円以上する。
同じ無垢材でも何か分からない外国産の無垢材(ゴムの木or欧州松など)は
10万円くらいでもある。

無垢材だから、何の木でも良いわけにはいかない(笑)。
やっぱり日本の広葉樹がよろしい。

「みずめ桜」「タモ」「カエデ」等、それも年輪がつまった板が良い。
それらに似た外国材は一切駄目。

板巾が90センチくらい…皮の周辺のシラタを取った後90センチ…赤身だけで90センチの巾が欲しいというと立木で直径1m50センチ以上(笑)。

立木を切っても10年くらいは自然乾燥させたい。身近にあったら取って置いて下さい。

しかし、そんな予算は初めから無い(笑)。
3万円以下くらいでは…というと天板がデコラ製品。
しかし実用的ではある。

          ◆           ◆

20or30年前に倉庫に仕舞い込んでおいたブナの無垢のテーブルを倉庫内から駐車場へ引っ張り出した。テーブルの上に乗っている荷物を移動させるのもタイヘン。

ホースでザブザブと水をかけながら、洗車ブラシと金タワシを使って丸ごとゴシゴシ洗う。
洗剤を付けてザブザブ洗う。
1800×900のブナ材。

大きさがあるし、重いのでひっくり返して洗うのもタイヘン。
ショートパンツとビーサン(笑)
テーブルに付いたドロドロした汚れが洗い流された。




2or3日間の乾燥後、家具塗装屋さんに電話でたずねた。
天板だけだったらベルトサンダーで一皮削り、再塗装するコトが可能という。
今の無垢材のテーブルは天板と脚とはボルトで接合されている。
そのボルトを外して天板だけ持ってきて欲しい。

しかし、我が家のテーブルは「アリ加工」が施されていて天板と脚を外すことができない。
脚はガッチリとケヤキ材で出来て居る。
家具塗装屋は、脚が付いたままだとベルトサンダーの機械の中を通らないと云う。
取りあえず、見せて下さい…と云うわけで、トラックに乗せ家具塗装屋さんへ。
現物を見て検討後、再塗装可能になった。

話が長くなったが(笑)、そのテーブルが出来上がり、電話があって引取に行ってきた。 
ベルトサンダーで一皮削り、再塗装=3万円と云っていたが、2万円にしてくれた。
ありがとう。
反りも曲がりも無い板なので、ベルトサンダーで削るんだったら、
もう数回はできる厚みがあるという。


昭和の初めに造られ、昭和29年6月に削って再塗装(テーブルの裏側に書いてあった)。
その後40年頃にも削って再塗装。
当時はカンナで削ったんだろうな。

木に詳しい人ならば、1800ミリ*900ミリのブナの一枚板。
それも白太なしの赤味だけの一枚板ということがわかるだろう。
白太を入れれば、巾は確実に1500ミリ以上のブナの木。
直径はそれ以上かも。


大正時代に大工だった明治生まれの祖父(見たことない)が作って約80年。
祖父→父→私→子供と4世代目に引き継いだ。
一生モノ…と云う言葉があるが、それを超えて何世代へと伝えて行くことも
大事なことだと思っている。





所定の位置へテーブルを置いたが大きい。
今までのモノより一回りでかい。でも、妻はオッケイという。
こんなにキレイに修理が出来るとは思っていなかった…と云う。
木は何度でも生き返る。






テーブルの裏側にモノを置く棚があって、少々膝が当たるが、それもオッケイという。
椅子もバラバラで古いモノだけど、修理して使おう…と云うことになった。


「ちぎり」「契」と云う。板の割れを防ぐ役目 




節は最初から切り取って、将棋の駒を模った堅い木で埋木してある。



今晩のメインディッシュは「サバの味噌煮」(笑)。













白檀、その後

2006年11月09日 | 木の話


 3月に「自宅にこんなモノがある」とブログに紹介した。
http://white.ap.teacup.com/something/197.html

 亡くなったオヤジから「戦前からあるモノだ」と聞いている。
 なんとか有効活用できないかと思い、4月に販売目的でウェブサイトを作ってみた。キーワードコンテンツを充実させ検索に掛かりやすくしておいた。

 4月から10人くらいの人からメールが来た。みんな趣味で「仏像彫刻」をしているという方であった。仏像彫刻の最高の樹種は白檀なのかもしれない。しかし、1本では高価すぎるので切って売って欲しいという。残念ながらお断りをしてきた。
そもそもこんな大きな白檀の木が在ること自体が貴重なことだと判ってきた。
 
 先日、1本のメールが入った。雅楽器の琵琶の部品に使いたいと云うのだ。これも切って売って欲しいという。いろいろ考えて切って売ることにした。何度かメールをやりとりして、昨日埼玉県からご夫婦で来社してくれた。白檀を見たいという。若いご夫婦であった。
 
 雅楽、雅楽器の文化がこのままだと無くなってしまう。この数十年間に雅楽器も大衆迎合をして、効率ばかり求めてきた。それはそれで必要であったが、もう一度、原点に戻って法隆寺に残されている琵琶と同等なモノを作りたいという。

 琵琶職人のかたも70歳を越え、この先何台も出来るはずもない。材料にする唐木(からき=黒檀、紫檀など)を捜して日本中を廻っている。板割りにした後、20~30年くらい経て充分乾燥していないと雅楽器には使えない。私が購入した唐木を孫が使う…と云うコトのようだ。バイオリンの名器「ストラデバリウス」などはこの世界のようだ。

 江戸時代の漢文で書かれた琵琶とお琴の設計図も持っていらっしゃった。お琴の両端の蓋にあたる「龍舌」も白檀で作るモノだという。琵琶の弦を固定する根本(右手が当たる場所=掌手)を白檀で作りたいと云う。
 崇高な高尚なお話をたくさん聞くことが出来た。普段の生活では聞くことが出来ないお話をたくさん聞くことが出来た。
 
 長さ1.8mの白檀(細い方)をノコギリを使ってカットした。事務所に白檀の香りが広がる。それなりの対価で購入して戴いた。

 多分、このような人は1000万人の中の一人であるかと思う。でも、その1000万人の中の一人に対して情報を発信できたことが大変嬉しい。もし、インターネットがなかったらこんなコトは出来なかった。



白檀の香り

2006年03月14日 | 木の話


 自宅にこんなモノがある。…と云っても普通の人では判らないのだけど「白檀(びゃくだん)」と云う木だ。黒檀(こくたん)、紫檀(したん)、鉄刀木(たがやさん)、の前に位置する木だ。この木の木屑が100グラム何千円と云われ、着物の匂い袋とかお線香の材料として珍重されている。また仏像などもこの木で彫刻されることも多い。


 何十年もウチに置いてあるが、このまま置いててもゴミになるだけで、この木を購入してくれる処を探そうと思ったが、どうも見つからない。
ヤフオクに出すことも考えたが、そのような業者は見ているはずもなく
どうしようか…と悩んでいる(笑)。

1620×98×60ミリが一本、
1850×110×130が一本だ。



年輪

2005年05月19日 | 木の話


 我が家に古い桧の厚み5センチくらいの木口(こぐち)切りがある。
 最近、巨大樹木がメディアに載ることが多い。世間では木の太さ(根回りなんmとか言う)をもって「凄い、何百年くらいだね」という言葉が聞かれる。大きければ、太ければ良い…と言う訳じゃない。
 この桧、直径はたかが1m強。周長で言うと3.14倍の3m程。しかし、年輪を数えると1200ある。1200年ものだ。時々、1000年を越えた木材を観ることがあるが直径は2mを超している。
 
 何を云いたいかというと、栄養分の豊富な場所に育った木材は年輪がスカスカになる。年輪と年輪の間の夏目が広いのだ。反対に栄養分の無い場所に育った木材は、ほとんど立ち枯れしてしまう。が、中には周囲の木材が枯れてしまっても一本だけ育って行く樹木がある。しかし、栄養が無い、太陽が当たらないので育ちが遅いのだ。その分、年輪と年輪が間が狭くなっている。いわゆる筋肉質の木材だと思う。
 
 この木を加工してテーブルを作ろうと思っている。