
ロブ・ゾンビ監督の『ハロウィン』を観た。
今更って感じだが、本作は敬愛してやまない御大ジョン・カーペンターによるホラー映画の最高傑作『ハロウィン』のリメイクだ。
個人的には好きな作品(『2』、『4』、『レザラクション』)はあったものの、やはりシリーズを重ねる毎に作品は劣化していき、今や『ハロウィン』という名のブランドも地に墜ちた…という感じだった。
それが昨今の名作のリメイクと言う波に乗り、遂にオリジナルの『ハロウィン』までリメイクされると聞いてハッキリ言うが落胆した。
その落胆が一瞬にして希望に変貌したのは、監督・脚本にあのロブ・ゾンビが起用されると聞いてからだ(笑)。
作品は無事に完成し、北米で1位に輝く大ヒットを記録し、作品自体も批評家・ファンからも「凄い!」と絶賛され、ロブの監督としての地位は更に向上した。

現地での盛り上がりに較べ、ここ日本では公開される気配すら全く無く、気が付くと本国公開から1年という時間が流れてしまった…。
この1年のブランクは痛かったが、無事日本でも劇場公開された事実に喜ぶべきだろうか?!(苦笑)。
さて、そんなロブ・ゾンビによるリメイク版『ハロウィン』(以下:ゾンビ版)だが、確かに“凄い”作品ではあったが、ファンとしては気になる部分もある複雑な作品…と観終わった後に感じてしまった。
オリジナル版とゾンビ版の明確な違いが幾つかある。

まず、ハッキリ違うのはオリジナル版では控え目だった暴力・残酷描写だが、ゾンビ版ではもう強烈な暴力・残酷描写の嵐なのが圧巻である。
オリジナル版では敢えて直接的な暴力・残酷描写を抑える事により、「マイケル・マイヤーズ」と言う超自然的な殺人鬼の存在を際立たせていた。
それに対しゾンビ版は、もう露骨で凄惨な暴力・残酷描写によって「マイケル・マイヤーズ」を無慈悲な不死身の“怪物”と化していた。
そして決定的に異なるのが、その「マイケル・マイヤーズ」というキャラクターの存在である。
オリジナル版では理由なき無差別殺人を繰り返す「マイケル・マイヤーズ」を見せる事により、彼の持つ底知れぬ深い闇と不気味さを醸し出していた。
一方ゾンビ版での「マイケル・マイヤーズ」は、彼の幼少期とその荒んだ家庭環境、動物を虐待する心の歪みや、仮面を被る事によって隠した己の狂気を実に丁寧に描いていく。
母親と妹は愛していても、それ以外は拒絶した屈折した内面を持つマイケルは、ある意味「悲劇的」なキャラクターとして描かれているのもポイントだとも言える。

それによりオリジナル版はあの伝説的なラストにより超自然的ホラーの要素が強いが、ゾンビ版は前半の「マイケル少年」のパートにより、より重く殺伐としたサイコ・スリラー的なヴァイオレンス・ホラーとなっていると言える。
しかし両作に共通するのが、マイケルこそが「純粋悪」であり、正に「悪魔の申し子」であると言う見解。
ゾンビ版の方がマイケルの邪悪さは強烈かも?!

オリジナルとゾンビ版の比較はこれ位で、個人的な本作の感想だが…ぶっちゃけると「あと一歩で傑作!」という残念さが何とも歯痒い。
正直、今回公開されたのが様々な編集が施された「北米劇場公開版」であり、ゾンビ版には「無修正・完全版」が存在している事実が頭の片隅にあったのせいか?!
編集のせいかテンポが悪い。
特に前半のマイケル少年篇と、後半からのヒロイン・ローリー篇では何か非常にバランスの悪さを感じる。

さすがはゾンビ版、エロい要素はオリジナルをはるかに凌駕しているが(笑)、中盤以降の展開が何かブツ切りっぽくて、観ていて気持ちが乗ってこない。
ゾンビ自身、本作の主人公はマイケル自身としたのかもしれないが、中盤からはまんまオリジナルに忠実にリメイクしたって感じの演出には正直「?」でありました。
特にローリーと言うヒロインの影が薄過ぎますわ。
それが最も象徴するのが、ゾンビ版における終盤の展開であります。

一体何がどうなってしまったのか?!
判りにくい…。
是非ともDVD化された時には、劇場公開版に加えて、しっかりと「無修正・完全版」をリリースして欲しいと思います。
多分、その時には作品の評価がコロっと変わるかも?!
「あれはブギーマンなの?」
今更って感じだが、本作は敬愛してやまない御大ジョン・カーペンターによるホラー映画の最高傑作『ハロウィン』のリメイクだ。
個人的には好きな作品(『2』、『4』、『レザラクション』)はあったものの、やはりシリーズを重ねる毎に作品は劣化していき、今や『ハロウィン』という名のブランドも地に墜ちた…という感じだった。
それが昨今の名作のリメイクと言う波に乗り、遂にオリジナルの『ハロウィン』までリメイクされると聞いてハッキリ言うが落胆した。
その落胆が一瞬にして希望に変貌したのは、監督・脚本にあのロブ・ゾンビが起用されると聞いてからだ(笑)。
作品は無事に完成し、北米で1位に輝く大ヒットを記録し、作品自体も批評家・ファンからも「凄い!」と絶賛され、ロブの監督としての地位は更に向上した。

現地での盛り上がりに較べ、ここ日本では公開される気配すら全く無く、気が付くと本国公開から1年という時間が流れてしまった…。
この1年のブランクは痛かったが、無事日本でも劇場公開された事実に喜ぶべきだろうか?!(苦笑)。
さて、そんなロブ・ゾンビによるリメイク版『ハロウィン』(以下:ゾンビ版)だが、確かに“凄い”作品ではあったが、ファンとしては気になる部分もある複雑な作品…と観終わった後に感じてしまった。
オリジナル版とゾンビ版の明確な違いが幾つかある。

まず、ハッキリ違うのはオリジナル版では控え目だった暴力・残酷描写だが、ゾンビ版ではもう強烈な暴力・残酷描写の嵐なのが圧巻である。
オリジナル版では敢えて直接的な暴力・残酷描写を抑える事により、「マイケル・マイヤーズ」と言う超自然的な殺人鬼の存在を際立たせていた。
それに対しゾンビ版は、もう露骨で凄惨な暴力・残酷描写によって「マイケル・マイヤーズ」を無慈悲な不死身の“怪物”と化していた。
そして決定的に異なるのが、その「マイケル・マイヤーズ」というキャラクターの存在である。
オリジナル版では理由なき無差別殺人を繰り返す「マイケル・マイヤーズ」を見せる事により、彼の持つ底知れぬ深い闇と不気味さを醸し出していた。
一方ゾンビ版での「マイケル・マイヤーズ」は、彼の幼少期とその荒んだ家庭環境、動物を虐待する心の歪みや、仮面を被る事によって隠した己の狂気を実に丁寧に描いていく。
母親と妹は愛していても、それ以外は拒絶した屈折した内面を持つマイケルは、ある意味「悲劇的」なキャラクターとして描かれているのもポイントだとも言える。

それによりオリジナル版はあの伝説的なラストにより超自然的ホラーの要素が強いが、ゾンビ版は前半の「マイケル少年」のパートにより、より重く殺伐としたサイコ・スリラー的なヴァイオレンス・ホラーとなっていると言える。
しかし両作に共通するのが、マイケルこそが「純粋悪」であり、正に「悪魔の申し子」であると言う見解。
ゾンビ版の方がマイケルの邪悪さは強烈かも?!

オリジナルとゾンビ版の比較はこれ位で、個人的な本作の感想だが…ぶっちゃけると「あと一歩で傑作!」という残念さが何とも歯痒い。
正直、今回公開されたのが様々な編集が施された「北米劇場公開版」であり、ゾンビ版には「無修正・完全版」が存在している事実が頭の片隅にあったのせいか?!
編集のせいかテンポが悪い。
特に前半のマイケル少年篇と、後半からのヒロイン・ローリー篇では何か非常にバランスの悪さを感じる。

さすがはゾンビ版、エロい要素はオリジナルをはるかに凌駕しているが(笑)、中盤以降の展開が何かブツ切りっぽくて、観ていて気持ちが乗ってこない。
ゾンビ自身、本作の主人公はマイケル自身としたのかもしれないが、中盤からはまんまオリジナルに忠実にリメイクしたって感じの演出には正直「?」でありました。
特にローリーと言うヒロインの影が薄過ぎますわ。
それが最も象徴するのが、ゾンビ版における終盤の展開であります。

一体何がどうなってしまったのか?!
判りにくい…。
是非ともDVD化された時には、劇場公開版に加えて、しっかりと「無修正・完全版」をリリースして欲しいと思います。
多分、その時には作品の評価がコロっと変わるかも?!
「あれはブギーマンなの?」