
『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』を観た。
前作『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』は従来のウルトラマン映画と異なり、新世紀の“ウルトラマン”を描いた画期的な傑作だった。
『ウルトラ銀河伝説』がもたらした最大の功績こそ、ゼロとベリアルという「善と悪」に新たなウルトラマンが生まれた事だと思う。
そして今回、そのゼロとベリアル様をメインにした『超決戦!ベリアル銀河帝国』という作品が生まれた。

これまで「絶対的正義」であったウルトラマン。
しかし、その存在が邪悪の権化とも言えるベリアル様。
正義でありながらも未熟で、その心にダーク・サイドを持つゼロ。
ウルトラマンのキャラクター縛りを解放した存在がメインとなり、より斬新かつ野心的な作品を作ることが可能となり、観る側として今回もかなり期待を抱いていた訳だが…。
(基本的にネタバレ御免!!)
ハッキリ言うと本作も傑作!
もう滅茶苦茶面白かった!!

今回はウルトラマンというキャラクターや世界観だけでなく、その舞台を“多世界宇宙(マルチバース)”となった事により新たな円谷ヒーロー達を再構築し、SF的にスペース・オペラ要素を更に強める事に成功している。
ハッキリと言ってしまえば本作は「ウルトラマン」という枠を飛び越え、全く新しいヒーロー達の誕生と活躍を描いた作品になっている。
コレが本作最大の醍醐味。
基本的に本作の主人公はウルトラマン・ゼロ。

相変わらず鬼のような強さ(多分ウルトラ戦士最強!)ながらも、相変わらず偉大な父親であるセブンの庇護の下にあるバカ息子(笑)。
そんなゼロが自身で大きな一方を踏み出し、1人の戦士として立派な成長を遂げる物語となっている。

ゼロが別の宇宙に飛び出し、惑星アヌーでのランとナオという兄弟との運命的な出会いがある。
ゼロと一心同体となる、ラン(小柳友)が非常にカッコ良い。

ゼロという無鉄砲で暴れん坊のキャラにピッタリで、そのワイルドで男臭いルックスもあり存在感抜群。
異世界に飛び出した不安を抱えながらも、内面的により一人前の大人として成長するゼロを、ランを演じる小柳くんの初々しくも力強い演技もあり印象的なものになっている。
ランの弟ナオ(濱田龍臣)。

正義を信じる純真で真っ直ぐな心、夢を信じて諦めない事こそが力になる事を体現した存在。
子どもと言う事もあり下手すれば嫌味になる可能性もあるが、クライマックスでジャンボットと共に戦い、明るい天真爛漫さもあり物語の“救い(希望)”として絶妙に効いている。
ゼロと共に、本作で再構築され華々しくデビューを飾った往年の円谷ヒーロー。
まずはオープニングより華麗に登場するミラーマン改め、鏡の勇者ミラーナイト。

その声を演じた緑川光のクールな男前ぶりもあり、光輝くヒーローぶりは良い。
中盤、ベリアル様の邪気に侵されてダーク・サイドに墜ちながら、ゼロの光により浄化されるシーン。
そしてクライマックス。

ランの涙より登場したり、ベリアルにトラップを仕掛けた後の決め台詞もカッコ良い。
僕が観ていた劇場では、ミラーナイトの活躍に子ども達から一番の歓声が上がっていた。
そしてファイヤーマン改め、宇宙海賊の用心棒グレンファイヤー。
ある意味、再構築ヒーロー達の中で最も美味しい見せ場を奪ったのは彼かも?!

“バラージの盾”を巡りゼロ達とのファースト・コンタクト、文字通りに熱血漢であり笑いを誘いながらも戦う姿は秀逸。
前作がカンフー・メインのアクションだったが、グレンはプロレス技を多用するのも良い。

妙に人間臭くて、クライマックスで颯爽とピンチに駆けつけるのも最高。
個人的には声優の関智一さんの「ファイヤ~!」という雄叫び、キャラを更に際立たせていると実感している。
そしてジャンボーグA改め、鋼鉄の武人ジャンボット。

最初はジャンバードという宇宙戦闘機で、エメナラ姫を護る任務のあまり固い存在(神谷浩史の凛とした澱みない声も良い)。
しかし、エメナラ姫の決死の覚悟により、遂に「鋼鉄の武人」として覚醒する。

日本のスーパー・ロボット・アニメを手本にした、見事なスーパー・ロボットぶりは最高にカッコ良い。
コレがスーツってのは芸術的。
覚醒シーンは「ジャンボーグA」と言うよりも、まんま「アイゼンボーグ」であったのはマニアックなツボでした(笑)。
何故、バンダイはジャンボットの超合金を出さない!?
そしてヒーロー達が映えるのは強烈な「敵役」があるから。
ってな訳でウルトラマン・ベリアル改め、カイザー・ベリアル(厳ついマント姿が超COOL!)。

本当に素晴らしい!
目立った出番はクライマックスまで無いが、登場してからの圧倒的なまでの存在感は凄い!!
宮迫博之の大熱演もあるが、ここまで憎らしい絶対的な悪と言うキャラが潔い。
クライマックス、またまた「ウルトラ戦士」としては掟破りの大怪獣へと変貌するベリアル陛下。

アーク・ベリアルに変身しなくても、本作では充分なまでに強い。
でも最後は「お約束」通りに、スペース・ゴジラを彷彿とさせる大怪獣となる。
あまりの大怪獣ぶりにコレが「ウルトラマン」シリーズ であり、怪獣映画であるのを再認識させられます。
本作では一応ゼロに倒された…様に見えますが(苦笑)、別宇宙に逃れて生き延びたベリアル陛下の事、まだまだゼロや他のヒーロー達の前に憎らしく邪悪に立ち塞がって欲しいと思います。
他に特筆すべき点として、本作のヒロイン・エメラナ姫を演じた土屋太鳳嬢の可憐な可愛さ。

本作において人間パートのドラマがネックかと思ったのですが、日本人で宇宙人のお姫様を演じて見事にハマっていた彼女の存在は凄いです。
この類のジャンル系作品において、実はこういった要素での“説得力”と言うのが実は肝心だったりします。
太鳳ちゃんの今後の飛躍を期待します。
あと豪華な声優陣。
ヒーロー達を演じたイケメン声優陣の素晴らしさもありますが、個人的には圧倒的な存在感を発揮していた若本規夫氏の手堅い演技には唸りました。

更に脚本・監督(特技監督)をしたアベ・ユーイチ。
前作のような壮絶なアクションではないものの、アニメ的でスピーディーなアクションと堅実な演出は良かった。
脚本的には多少の荒さはあったものの、それを物語の持つ疾走感でカバーしたのも心地良い。
何かと課題となるVFXでも低予算であるのは判るものの、そこをセンスと豪快さで乗り切った才能は素晴らしい。
SF、ましてやスペース・オペラにおいては「ヴィジュアル」は大きなポイント。
やはりSF映画はお金よりも、そのセンスが重要。
ここまでのヴィジュアルを魅せた技術は、素直に凄いと思える。

何はともあれ、本作は新たなヒーロー達の「始まりの物語」であった。
今後、かつての設定を生かした“銀河連邦”に発展し、更なるヒーローや強敵が登場する可能性を多分に含んでいる。
今は既に来年の公開が決定している、ウルトラマン・シリーズ45周年記念第2弾の作品を心から楽しみにしていたい。
素晴らしい。
コレこそ子どもから大人まで心から楽しめる、良質なアクション・エンターテイメント映画の傑作だと言いたい。
「絶望という恐怖を味わうが良い。」
PS:主題歌も良いです。
前作『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』は従来のウルトラマン映画と異なり、新世紀の“ウルトラマン”を描いた画期的な傑作だった。
『ウルトラ銀河伝説』がもたらした最大の功績こそ、ゼロとベリアルという「善と悪」に新たなウルトラマンが生まれた事だと思う。
そして今回、そのゼロとベリアル様をメインにした『超決戦!ベリアル銀河帝国』という作品が生まれた。

これまで「絶対的正義」であったウルトラマン。
しかし、その存在が邪悪の権化とも言えるベリアル様。
正義でありながらも未熟で、その心にダーク・サイドを持つゼロ。
ウルトラマンのキャラクター縛りを解放した存在がメインとなり、より斬新かつ野心的な作品を作ることが可能となり、観る側として今回もかなり期待を抱いていた訳だが…。
(基本的にネタバレ御免!!)
ハッキリ言うと本作も傑作!
もう滅茶苦茶面白かった!!

今回はウルトラマンというキャラクターや世界観だけでなく、その舞台を“多世界宇宙(マルチバース)”となった事により新たな円谷ヒーロー達を再構築し、SF的にスペース・オペラ要素を更に強める事に成功している。
ハッキリと言ってしまえば本作は「ウルトラマン」という枠を飛び越え、全く新しいヒーロー達の誕生と活躍を描いた作品になっている。
コレが本作最大の醍醐味。
基本的に本作の主人公はウルトラマン・ゼロ。

相変わらず鬼のような強さ(多分ウルトラ戦士最強!)ながらも、相変わらず偉大な父親であるセブンの庇護の下にあるバカ息子(笑)。
そんなゼロが自身で大きな一方を踏み出し、1人の戦士として立派な成長を遂げる物語となっている。

ゼロが別の宇宙に飛び出し、惑星アヌーでのランとナオという兄弟との運命的な出会いがある。
ゼロと一心同体となる、ラン(小柳友)が非常にカッコ良い。

ゼロという無鉄砲で暴れん坊のキャラにピッタリで、そのワイルドで男臭いルックスもあり存在感抜群。
異世界に飛び出した不安を抱えながらも、内面的により一人前の大人として成長するゼロを、ランを演じる小柳くんの初々しくも力強い演技もあり印象的なものになっている。
ランの弟ナオ(濱田龍臣)。

正義を信じる純真で真っ直ぐな心、夢を信じて諦めない事こそが力になる事を体現した存在。
子どもと言う事もあり下手すれば嫌味になる可能性もあるが、クライマックスでジャンボットと共に戦い、明るい天真爛漫さもあり物語の“救い(希望)”として絶妙に効いている。
ゼロと共に、本作で再構築され華々しくデビューを飾った往年の円谷ヒーロー。
まずはオープニングより華麗に登場するミラーマン改め、鏡の勇者ミラーナイト。

その声を演じた緑川光のクールな男前ぶりもあり、光輝くヒーローぶりは良い。
中盤、ベリアル様の邪気に侵されてダーク・サイドに墜ちながら、ゼロの光により浄化されるシーン。
そしてクライマックス。

ランの涙より登場したり、ベリアルにトラップを仕掛けた後の決め台詞もカッコ良い。
僕が観ていた劇場では、ミラーナイトの活躍に子ども達から一番の歓声が上がっていた。
そしてファイヤーマン改め、宇宙海賊の用心棒グレンファイヤー。
ある意味、再構築ヒーロー達の中で最も美味しい見せ場を奪ったのは彼かも?!

“バラージの盾”を巡りゼロ達とのファースト・コンタクト、文字通りに熱血漢であり笑いを誘いながらも戦う姿は秀逸。
前作がカンフー・メインのアクションだったが、グレンはプロレス技を多用するのも良い。

妙に人間臭くて、クライマックスで颯爽とピンチに駆けつけるのも最高。
個人的には声優の関智一さんの「ファイヤ~!」という雄叫び、キャラを更に際立たせていると実感している。
そしてジャンボーグA改め、鋼鉄の武人ジャンボット。

最初はジャンバードという宇宙戦闘機で、エメナラ姫を護る任務のあまり固い存在(神谷浩史の凛とした澱みない声も良い)。
しかし、エメナラ姫の決死の覚悟により、遂に「鋼鉄の武人」として覚醒する。

日本のスーパー・ロボット・アニメを手本にした、見事なスーパー・ロボットぶりは最高にカッコ良い。
コレがスーツってのは芸術的。
覚醒シーンは「ジャンボーグA」と言うよりも、まんま「アイゼンボーグ」であったのはマニアックなツボでした(笑)。
何故、バンダイはジャンボットの超合金を出さない!?
そしてヒーロー達が映えるのは強烈な「敵役」があるから。
ってな訳でウルトラマン・ベリアル改め、カイザー・ベリアル(厳ついマント姿が超COOL!)。

本当に素晴らしい!
目立った出番はクライマックスまで無いが、登場してからの圧倒的なまでの存在感は凄い!!
宮迫博之の大熱演もあるが、ここまで憎らしい絶対的な悪と言うキャラが潔い。
クライマックス、またまた「ウルトラ戦士」としては掟破りの大怪獣へと変貌するベリアル陛下。

アーク・ベリアルに変身しなくても、本作では充分なまでに強い。
でも最後は「お約束」通りに、スペース・ゴジラを彷彿とさせる大怪獣となる。
あまりの大怪獣ぶりにコレが「ウルトラマン」シリーズ であり、怪獣映画であるのを再認識させられます。
本作では一応ゼロに倒された…様に見えますが(苦笑)、別宇宙に逃れて生き延びたベリアル陛下の事、まだまだゼロや他のヒーロー達の前に憎らしく邪悪に立ち塞がって欲しいと思います。
他に特筆すべき点として、本作のヒロイン・エメラナ姫を演じた土屋太鳳嬢の可憐な可愛さ。

本作において人間パートのドラマがネックかと思ったのですが、日本人で宇宙人のお姫様を演じて見事にハマっていた彼女の存在は凄いです。
この類のジャンル系作品において、実はこういった要素での“説得力”と言うのが実は肝心だったりします。
太鳳ちゃんの今後の飛躍を期待します。
あと豪華な声優陣。
ヒーロー達を演じたイケメン声優陣の素晴らしさもありますが、個人的には圧倒的な存在感を発揮していた若本規夫氏の手堅い演技には唸りました。

更に脚本・監督(特技監督)をしたアベ・ユーイチ。
前作のような壮絶なアクションではないものの、アニメ的でスピーディーなアクションと堅実な演出は良かった。
脚本的には多少の荒さはあったものの、それを物語の持つ疾走感でカバーしたのも心地良い。
何かと課題となるVFXでも低予算であるのは判るものの、そこをセンスと豪快さで乗り切った才能は素晴らしい。
SF、ましてやスペース・オペラにおいては「ヴィジュアル」は大きなポイント。
やはりSF映画はお金よりも、そのセンスが重要。
ここまでのヴィジュアルを魅せた技術は、素直に凄いと思える。

何はともあれ、本作は新たなヒーロー達の「始まりの物語」であった。
今後、かつての設定を生かした“銀河連邦”に発展し、更なるヒーローや強敵が登場する可能性を多分に含んでいる。
今は既に来年の公開が決定している、ウルトラマン・シリーズ45周年記念第2弾の作品を心から楽しみにしていたい。
素晴らしい。
コレこそ子どもから大人まで心から楽しめる、良質なアクション・エンターテイメント映画の傑作だと言いたい。
「絶望という恐怖を味わうが良い。」
PS:主題歌も良いです。
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