ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

『GODZILLA2』、公開日決定!!

2014-08-15 16:09:53 | 映画
現在、大ヒット中の『GODZILLA ゴジラ』。

全米公開時の大ヒットにより、早々にレジェンダリー&ワーナー側は続編の製作を決定。
前日のコミコンにおいて、ギャレス・エドワーズ監督の続投決定。
更に世界的な大ヒットに気を良くした東宝側から、モスラ・ラドン・キングギドラの登場も決定したと発表。
世界中の怪獣ファンは狂喜しました。



世界中で5億ドルを越える大ヒット。
レジェンダリー&ワーナーだけでなく、東宝側も権利料が莫大だという人気怪獣たちの登場にもOKを出すのも当然。
ただ気になるのは、この公開日でした。
続投が決まったギャレスは、かの『スター・ウォーズ』のスピン・オフ作品を撮る事が決定。
その作品の公開は、一説では2016年だと言います。
多忙を極めるギャレス監督、そして『ゴジラ』という作品に関して製作側も入念な準備と調整が必要なのは間違いないと予想していました。



そして本日、正式に『GODZILLA2』の公開日がアナウンスされました。

2018年6月8日!!

あと4年も先とは…(苦笑)。
しかし、冷静に考えればコレだけの時間が必要なのは当然かと思いました。
ギャレス監督のスケジュールもありますが、脚本やVFXの技術面等において時間は必要です。
ゴジラだけでなく、モスラ・ラドン・キングギドラまで登場させようと言うのだから。
本作以上に、続編の製作は何かとクリアーすべき技術的問題も多いかと思います。
ファンとしては4年は厳しいながら、より良い作品の為には仕方ないかと思っています。



個人的に続編に関して思う事は…。
一説では今回の『ゴジラ』シリーズは3部作になると言われています。
ただ、今回のレジェンダリー版「ゴジラ」の世界観。
そこに既存のモスラ・ラドン・キングギドラと言う怪獣の存在は、正直似合わないと思う気もしています。
それに次の『2』に、一気にモスラ・ラドン・キングギドラが登場するとも思い難い。
そこはギャレス監督を含め、この「ゴジラ」シリーズにおいて重要な役割を担っている製作者トーマス・タルの事です。
きっと観る側の我々の思惑とは異なる、更なる策略を練って来ると思われます(笑)。
あと“正式”にモスラ・ラドン・キングギドラの登場がアナウンスされた訳ではありません(苦笑)。
現時点では思わせぶりに「らしい」と言う事(東宝側がOKを出した事実)と、「Let Them Fight」と言う決め台詞だけです。
「2」でモスラとラドン、「3」の最終決戦でキングギドラの登場を願います。
贅沢を言えば3大怪獣の同時に、ムートーの様にハリウッド解釈の新たなオリジナル怪獣を登場させて欲しいのが本音(自嘲)。
このブログでも引き続き、この『GODZILLA2』を追い掛けて行きたいと思います。



4年は長い。
でも、その前の年である2017年には『パシフィック・リム2』が公開されます!
この事実を忘れてはいけません(笑)。
怪獣映画ファンにとって、想像するだけでニヤニヤ出来る日々がまだまだ続きます!!(自嘲)
コチラも、このブログで追って行きたいと思います。


PS:余談ながら…。
  2015年 『ジュラシック・ワールド(ジュラシック・パーク)シリーズ再始動1作目』
          ※噂ではシリーズ最凶と言える新種の人喰い恐竜が登場する、ブルータルな内容と言われています。
  2016年 『スカル・アイランド(事実上「キングコング」のリメイク)』
          ※かの髑髏島を舞台に未知の怪獣達と人類の戦いを描くと言われています。
  2017年 『パシフィック・リム2(デル・トロ監督曰く「凄くクレイジーな作品になる!」と明言)』
  2018年 『ゴジラ2』
 っとなっています。
 コレを見て、ニヤニヤしない怪獣映画ファンはいるんでしょうか?(自嘲)
 2018年まで、何かしら怪獣映画が公開されると言う事実が逆に驚異的です。

GODZILLA

2014-08-03 12:30:03 | 映画
『GODZILLA ゴジラ』を観た。

思えば、このブログにおいて。
ハリウッド版再リメイクの噂が立った時から、ずっと追い掛けていた作品。
それがやっと作品として完成し、観れたと言う事実は感慨深い。
生誕60周年、劇場公開の新作としては10年ぶりとなる本作。
日本の「ゴジラ」シリーズを全て観たファンとして、冷静に色々語るには時間が必要でした(苦笑)。
今、やっと自分なりに本作に対する冷静(?)な評価が出来ると思うのブログに感想を挙げます。



結論を先に言ってしまうと…。
本作を最初に観た直後に言いましたが、個人的には本作が傑作である事は変わりありません。
正直「こんなゴジラが観たかった!」と言う想いは強かったです。
しかし何度か本作を観て、確かに突っ込みたくなる要素もあるのも事実です(苦笑)。
ただ、その突っ込みたくなる要素も猛烈な勢いで木っ端微塵にしてくれるのが、今回のレジェンダリー版『ゴジラ』の大きな魅力です。
昨年の『パシフィック・リム』と同じく。
やっとハリウッドでも、正統派の「怪獣映画」が作られる事実は嬉しくもあり、複雑な気持ちでもあるのも事実です。
ってな訳で本作について語っていきます。




※注意:ネタバレ炸裂!!



公開直後の感想として。
本作に関して「良い意味で裏切られた」と言い、巧みなミス・リードが効いていたとも言いました。
ソレはこれまで公開された予告篇やヴィジュアルにあった、圧倒的な「絶望感」に起因します。
ソレを観たファンならば、その圧倒的な「絶望感」は“破壊神”であるゴジラと人類の攻防によるものと連想します。
しかし、実際に本作を観れば明らかなのが“ゴジラ”という存在の解釈でした。



この“ゴジラ”への解釈が良い意味での「裏切り」であり、「ゴジラ」というシリーズが呪縛から解放されて再生される要因です。
「核の申し子」、「戦争のメタファー」という要素は、最高傑作である『ゴジラ(’54年版)』によるモノです。
良くも悪くも、この要素が「ゴジラ」と言うシリーズにおいて作る側にも観る側にも“呪縛”として存在し続けました。
その“呪縛”は「ゴジラ」と言うキャラクターの可能性を制限し、強迫観念的に「ゴジラとは人類の敵であるべき!」と思わせて来たと思います。
本作において、その“呪縛”を上手く逆手に取って王道通りながら新しい「ゴジラ」として再生させる事に成功させました。



ゴジラという存在は「大自然の象徴」である事。
正にソレは地球にとって、その存在は人智を超越した「荒ぶる神」であるのが本作のゴジラ。
ゴジラにとって、人類の存在は全く眼中にはない。
世界の頂点に君臨する神として、世界の調和を乱そうとする脅威を狩る為にゴジラは登場します。
世界の調和を乱そうとする存在が、本作における敵怪獣ムートー。
ムートーと戦う為にゴジラは登場しますが、決して人類を守る為ではないのがポイント。
ハワイ上陸では大津波が起き、サンフランシスコでの死闘でも人類は巻き込まれる哀れな存在です。
この「地球の守護神」的な要素が、平成ガメラっぽいと言われる要因かもしれません。
個人的には平成VS/ミレニアム・シリーズよりも、昭和シリーズのゴジラの要素が強いかと感じています。



本作は人間側のドラマ・パートが多いと指摘されます。
ただ個人的にはそう思えません。
クライマックスに用意されている、文字通りの人智を遥かに越えた「神々の戦い」による地獄絵図を描く為に必要な要素です。
特に「鍵」となるのが、事件の発端から巻き込まれてしまうブロディ家の悲劇。
父ジョーと母サンドラは日本の原子力発電所の技術者でした。
しかし復活したムートー(幼生)の襲来によって、原発は事故を起こし周辺は汚染地域として隔離されます。
この原発の描写、そしてハワイ上陸で起きる大津波の描写は我々日本人にとって観ていて痛々しいモノがありました。
唯一の被爆国である日本、そして自然災害により甚大な被害に負った今の日本にとって大きな問題提起でもあります。
さすがに僕でも観ていて、胸に複雑な思いが駆け巡りましたが…。



ジョーは妻を失ったショックから立ち直る事が出来ず、事件の真相究明に躍起になります。
それが結果として息子フォードとの関係において、大きな埋め難い溝を作ってしまう。
狂気スレスレのジョー(演:ブライアン・クランストン)の存在が大きい。
事件の真相に気付き、政府がひた隠す事実を暴く事に執念を燃やすジョー。
フォードから過去を乗り越えて、関係を修復して新たな人生を歩もうと提案されるも自身の喪失感から逃れる事が出来なかった。
事件の真相を暴き自身が正しかった事、そして自身も被害者であった事が明らかになるも、それは次の悲劇につながるのは皮肉としか言えない。



そして主人公フォード(演:アーロン・テイラー=ジョンソン)が大きくなる。
彼も本作においては、実に「被虐的」な主人公であります。
肉親をムートーの為に失い、自身の家族を守る為に必死になるも事態は悪化する一途を辿る。
このフォードの存在はある意味「歩く災厄」と化し、行く先々で怪獣と遭遇して家族の元に戻れなくなってしまう。
コレは強烈なブラック・ジョークに思えてしまうし、逆に典型的な「ゴジラ」シリーズに登場する“巻き込まれ型主人公”とも言える。



主人公を科学者やジャーナリストではなく、軍人(爆発物処理班)にした事も大きい。
自身の職権を使って帰国しようとすれど、事態の悪化に伴いフォードは「神々の戦い」の最前線に駆り出される。
フォード自身、自らの復讐心を余り見せずに大切な家族の元に一刻でも早く戻ろうとすればする程、事態は悪化の一途を辿る(苦笑)。
この強烈な「負の悪循環」によって、決してフォードという主人公が典型的なヒロイックな活躍を見せないのも良い。
ここでヒロイックにゴジラやムートーに立ち向かってしまうと、ハリウッドの典型的なアクション・ヒーローとなる。
しかしフォードは望まない作戦に参加し、自身の家族を守ろうとする「1人の普通の男」という描写がドラマでは際立っている。



だからこそクライマックスでの、あるお馴染みとなった決死の「ヘイロー・ジャンプ」作戦。
退路を絶たれてしまった事によって、遂に覚悟して自身で死地に赴き家族を守る為に戦おうとする姿が非常に印象的になる。
その事が逆にムートーと言う自身にとっては憎むべき存在と、人類側との類似点を作ってしまうと言う意外な展開にもつながる。
ギャレス・エドワーズ監督は、アーロンには第1作目の「ゴジラ」を観る様に言ったと聞きます。
ソレは本作が故・本多猪四郎監督と同じく、ドキュメンタリー的視点で本作が展開する為かと思われます。
この要素は、ギャレス監督のデビュー作『モンスターズ/地球外生命体』に通じる要素かと解釈出来ます。



本作には芹沢猪四郎博士(演:渡辺謙)が登場する。
コレは1作目で最も重要なキャラであった芹沢博士、そして本多監督へのオマージュ的なネーミングです。
ただキャラとしては、1作目の山根博士に通じる存在かと思います。
謎の秘密組織「モナーク」に所属、伝説の存在である「ゴジラ」を追い続ける芹沢。
物語の展開において非常に重要な存在ながら、芹沢博士もまた先に登場したフォードと同じ存在でもあります。
本作で起きるような事態を予測はしていたものの、実際に起きてしまうと何も出来ない無力な人類側の視点で観る側を導きます。
芹沢博士はゴジラやムートーに関して、科学者として見解を述べる事によって物語は観る側にとって観易くなります。
一方では物語の展開と共に、自身の無力さを芹沢は痛感します。
ただ彼が他のキャラと違うのは、今起きている事が決して人類だけで収束出来るような事でない事。
ある種の達観した視点は、ゴジラやムートーという脅威を際立てます。



本作のドキュメンタリー的要素は、最前線にいる主要人物の視点で物語が展開するからです。
ここに他の一般市民の生活や政治家や大統領の演説等は入りません。
時折挿入される冷淡なニュース映像や、被害現場の映像によって事態がいかに深刻なものかが判ります。
ただドラマは、あくまでもゴジラとムートーの戦いの最前線に巻き込まれた人々の視点で描かれます。
ゴジラとムートーの登場によって、世界中がいかに混沌としているのか、どれだけ甚大な被害を被ったのか。
決して具体的に描かれず、非常に冷酷な視点で人類側が静かに滅亡の危機に瀕している事を表現します。
このドラマを描く手腕は秀逸であり、残酷ながらも鮮烈なものでありギャレス監督の意図する事が明確になっていきます。



もはや単なる傍観者と化した人類。
挙げ句の果てにゴジラとムートーに対して、軍は核攻撃を決定します。
60年以上前、幾度も核攻撃を生き延びたゴジラ。
おまけに核をエネルギーとして生きるムートー。
この愚かな決定に芹沢は猛烈に反発しますが、「当時の核兵器は今のモノと較べて爆竹程度のもの」として一蹴するアメリカ軍。
それに対して失望し指揮官であるステンツ提督に、自身の父の形見である止まったままの懐中時計を見せる芹沢。
その懐中時計を見て、重々しい口調で「広島…」と答えるステンツ提督。
このシーンこそ、ある意味ドラマ・パートのハイライトと言えるかもしれません。



そして怒濤のクライマックスに物語は突入します。
ここから俄然映えて来るのが、敵怪獣であるムートー。
最初は原子炉で繭のまま放射能を餌として吸収し続け、成体として雄が登場。
このムートーのデザインを見た時、最初は「アレ?」という違和感があったのも事実です(微笑)。
ただ空を飛び、海に潜ってはロシアの原子力潜水艦を襲撃。
派手さこそないものの、武器としてEMP攻撃まで仕掛ける見事な怪獣っぷりに圧倒されました。



更に雌のムートーまで登場。
飛翔型の雄よりも更に巨大、かつ獰猛な怪獣っぷり。
1匹だけでもどうしようもないのに、2匹登場して繁殖しようとしている事も判明。
こんな最悪な巨大生物が繁殖に成功したら?
それは人類の滅亡を意味しています。



このムートーという怪獣に、ギャレス監督の個性が充分に発揮されていました。
かの『モンスターズ/地球外生命体』でも、怪獣の求愛と繁殖が重要なキーワードでした。
この雄と雌の「夫婦」としてのムートーは、皮肉にも主人公フォードとエルに裏返しでもある事は明らかです。
つがいとしてゴジラに襲いかかった時、フォードによってせっかく生んだ大量の卵を爆破され全滅された時。
それまでとは違い、実に悲痛な叫びを上げて巣に戻る雌ムートーの姿は今までの怪獣とは一味違います。
ここに少々フェティッシュなギャレス監督の拘りを感じます。



もうラスト20分のゴジラ対ムートーの戦いは壮絶!
ここで明らかになるのが、このレジェンダリー版ゴジラが実に着ぐるみっぽいアクションをする事。
実はゴジラに関して、かのアンディ・サーキスを招いてモーション・キャプチャーで撮影されたと聞きます。
着ぐるみっぽい質感と、アクションはギャレス監督の拘りだった様です。
時期的(『猿の惑星/新世紀』の撮影と被る)に、サーキスがどれだけゴジラを演じたか不明。
サーキスは、キングコングとゴジラの2大怪獣を演じた快挙を成し遂げた事になります。



アクション的にはヒグマ等を参考にしたと言いますが。
飛び回る雄ムートーを両腕で掴み、雌ムートーにパンチを喰らわせ踏みつぶすアクションは非常に人間っぽいです。
そう言ったアクションの壮絶さも、コレが我々の良く知る「ゴジラ」である証明であり。
あと何と言っても背びれを発光させながら、放射火炎を吐く姿はサイコーに痺れました。
エメリッヒ版ゴジラ(何度も言いますが個人的には嫌いではないです:苦笑)が避けた、この放射火炎のシーンは正に圧巻。



雄ムートーを強烈な尻尾の一撃で叩き潰し。
最後、雌ムートーに残ったエネルギーを全て文字通り放射火炎を吐き出す姿は強烈。
この作品に登場するのが単なる“巨大生物”ではなく、人智を超越した「怪獣」である事を観る側に叩き付けます。
残った雌ムートーの首を放り投げるゴジラの姿に、彼が正に「荒ぶる神」である事が象徴的に描かれていたかと思います。
ゴジラ登場まで焦らしまくる展開ながら、いざ登場すると巨大過ぎてその姿が確認出来ない。
そんな状態で好き放題に暴れ回るムートー達の前に立ち塞がって、戦いを挑むゴジラに本作が「怪獣映画」の王道であり再構築であると思いました。



そして訪れる静かなエンディング。
壮絶を極めた死闘の後の割には、実にあっさりした終わり方だったかと思います(笑)。
ムートーと言う脅威は去った。
ド~ンと派手に人類にとって、ゴジラという存在が「救世主」であるのかが問われないのが実に心地良かった。



確かに今回、ゴジラは人類を結果的に救った事になる。
その一方ではゴジラとムートーという人智を越えた存在の戦いは、莫大な犠牲を生んだのも事実であります。
静かに街を去り、海に帰っていくゴジラ。
その姿を、ただ呆然と畏敬の念で見送るしかない人類…そう言った意味で実に相応しいラストだったかと思います。



一番最初にも言いましたが、個人的には本作が傑作である事に変わりないのは事実です。
ただ、やはり幾つか気になる要素もあったのも事実です。
まず本作の上映時間を2時間弱に押さえた、そのテンポが良い編集は良かったと思います。
でもドラマの展開上、不自然になってしまう部分もあったのは事実。



例えば、TVでゴジラとムートーが戦っているニュース中継。
アレって本当はもっと長かったのでは?と思えてしまう。
ネットでもサイトで、目撃者の映像として先行してゴジラとムートーが戦っている映像は流れていた。
あとゴジラ初登場のシーンの後に、いきなり息子の寝顔に切り替わるのは不味い。
あそこは息子がニュースを見ているか、小説通りのヒロイン・エルが「嘘でしょ?」と恐怖に戦くシーンの方が絶対に良かった。



あと核ミサイルの扱い。
原発や津波のシーンに繊細な配慮があったと思うが、やはり核ミサイルの取り扱い方がソレに較べて緩い。
ラスト、フォードは結局起爆装置を解除する事が出来なかった。
そしてサンフランシスコ沖で、核ミサイルはタイマーが機動して爆発する。
確かに核ミサイルに雌ムートーが卵を産みつけていたので、核ミサイルとしての威力は吸収されて激減していたと言う解釈も出来る。
ただ、やはり爆発させてはアカンやろ…と思ってしまう。
フォードの爆発物処理班と言う設定(わざわざアナログに変更したのもフォード自身)も、それでは台無しになってしまう。
この辺りに新鋭ギャレス監督の、演出の粗さと甘さが出てしまったのでは?っと思えてしまう。
しかし本作が監督作2作目である事を考えると、彼が逸材である事実には変わりないと思いますが。



何はともあれ、本作は世界中で大ヒットを記録した。
ここ日本でも初登場1位となった。
早速、ワーナーとレジェンダリーは『ゴジラ』のシリーズ化を発表した。
そして先日のコミコンでも、ギャレス監督の続投とモスラ・ラドン・キングギドラの登場まで予告された。
3部作になると言われる『ゴジラ』、次回作に一気に3大怪獣が登場するのか…ソレもちょっと無理があるのでは?と思う。
それでは単に『三大怪獣 地球最大の決戦』のリメイクになってしまう。



「2」~「3」と、モスラ・ラドン・ギドラが順番に登場するのでは?と思われる。
実は本作、至る所に「モスラ」オマージュが満載だった事実がある(例:主人公が子どもの頃、飼っていた蝶の名前が“モスラ”!)。
「2」でモスラとラドン(どちらが補食対象の可能性大)、「3」で最大の敵としてキングギドラが登場…って展開なら燃えると個人的には思う。
ギャレス監督は、次回作に「スター・ウォーズ」のスピン・オフ作品(詳細未発表)を撮る事が決定している。
更にレジェンダリーと新たにパートナーとなったユニヴァーサルはキングコングのリメイクとして「Skull Island」の製作も決定した。
って事はキングコングとの再戦も可能となった。
今後も、レジェンダリー版「ゴジラ」の周辺は何かと大変な事になりそうな予感がする。
ファンとして楽しみに待っていたい。
何はともあれ、多く方にこの怪獣王の映画復帰作を劇場で体感して欲しい。
超オススメです!!


「“彼”は世界のバランスを保つ為に、ヤツらを狩りに来た!」

怪獣王、再生の咆哮!!

2014-07-25 23:57:06 | 映画
仕事帰りに『GODZILLA ゴジラ』を観て来ました!

はい、先にハッキリ言ってしまうと文句無しで傑作でした!!

あと最低でも2回(3D吹き替え、2D字幕)は観る予定です。

本作に関する個人的な想いは、また後日改めてコッテリと語りたいと思います(自嘲)。

とりあえず今言えるのは、監督をギャレス・エドワーズを抜擢して大成功だった事。
良い意味でマニアックなヲタク性と、作家性を絶妙なバランス感覚で作品を作る逸材だと再認識しました。



はっきり言ってしまうと、この人の演出方法が好きか嫌いかで本作の評価は変わります。
僕は彼のデビュー作『モンスターズ/地球外生命体』を観た時から、彼の作風が好きでした。
マニアックながらも、実にスマートに演出している様で、実は結構エグい事をやるのがこの人の特徴でもあります。
ソレは本作でも、遺憾なく発揮されています。

先にも言いましたが、作品自体の内容に関して。
また後日、コッテリ語ります。
今、興奮状態のまま少しだけ感想を言うと…。
今までの公開されたヴィジュアルや予告篇は、緻密に計算されていたミス・リードであると判りました。
ホンマに良い意味で「裏切られた」と思ったし、そこがまた実に痛快でもありました。



昭和・平成VSシリーズ・ミレニアムのシリーズとは全く異なります。
とは言え、実は王道をしっかりと押さえながら新しい「ゴジラ」を作品として“再生”する事に成功しています。
コレって凄い事だと思います。
あと重要な要素として「コレはゴジラじゃない!」って、絶対に思わないです(苦笑)。
もう「ゴジラ」以外の何者でもないのもポイント。

素晴しい傑作です。
是非、多くの人に劇場の大きなスクリーンで体感して欲しい作品であります!!



「我々は、この存在を“ゴジラ”と呼んでいる!」

EDGE OF TOMORROW

2014-06-29 00:50:38 | 映画
トム・クルーズ主演の最新作『All You Need Is Kill』を観た。

個人的には、今年期待していた本命の一本であり。
ある意味、この夏以降公開される話題作&注目作の先陣を切ったのが本作だった。



個人的に、原作小説が大好きである事。
更に「パワード・スーツ」が大好きである事。
とどめに『宇宙の戦士』、またはバーホーヴェン師匠の『スターシップ・トゥルーパーズ』が大好きである事。
色んな要素もあって、観る前から本作に関して俄然ハードルが上がってしまうのは仕方ない訳で…。
そんな期待を持って先行上映を観て来た。










(警告:ネタバレ炸裂!!)







結論から先に言ってしまうと。
原作小説『All You Need Is Kill』の完全映画化を期待するファンには、本作は「駄作」と言われても仕方ない。
逆の言い方をすれば、原題通り『Edge Of Tomorrow』という新しいSFアクション超大作と考えた場合。
本作は充分に面白く、個人的には「傑作」と言いたい作品でありました(苦笑)。
実に微妙と言うか、複雑な言い方になってしまうが本作を実際に観て頂ければ良く理解してもらえると思う。



噂通り、原作小説に“映画的”な大胆なアレンジが加わっているのは事実だ。
ソレは、先に挙げた『宇宙の戦士』の映画化である『スターシップ・トゥルーパーズ』と同じ事だと思う。
原作小説のファンは、この良くも悪くも“映画的”な大胆なアレンジの好き嫌いで作品の評価が全く変わると思う。
このブログでも以前取り上げたが、僕は原作小説が大好きだ。




しかし、この映画版『All You Need Is Kill』は滅茶苦茶楽しめたと言うのが本音。
極上のSFアクション超大作に仕上がっている。
典型的なハリウッド・アクションにアレンジされた訳ではなく、本作の持つ硬質でザラついた感覚も健在。
大胆なアレンジが加わっているとは言え、原作の要素もしっかりと押さえているとも思う。
確かに原作のあの悲哀に溢れた切ない結末と、この映画版の結末は異なっている。
一見するとハリウッド的なハッピーエンドに思えるが、実は原作とは違った意味でよりダークで悲しいエンディングだったかと思う。
コレはコレで、充分「アリ」だと思う。



まず何より「機動ジャケット(パワード・スーツ)」が素晴しい!
『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズや、昨年の『エリジウム』と言った作品に“パワード・スーツ”が登場した。
昨年の『エリジウム』における、パワード・スーツの扱いには心底ガッカリした。
その落胆も、本作では全く無いのは大きな評価なポイント。
よりリアルかつミリタリー・チックで、実際にソレを俳優達が装備して異星人と戦う姿には燃える(笑)。



原作の様に装備として死神のような斧や、パイル・バンカーがあれば完璧だったが言い出したらキリがない。
パワード・スーツをまとった兵士達と、異星人(宇宙怪獣)の肉弾戦は圧巻だった。
ただ個人的な趣味では「PG-13」指定で仕方無いとは言え、もう少しバーホーヴェン節の効いた残酷描写があればサイコーだった。
そこは『エリジウム』は巧くやっていたが、本作の監督ダグ・リーマンは少々スマート過ぎた…と言うのは贅沢か?!



そして主人公ケイジを演じたトム・クルーズ。
あくまでも軍の広報であって、実戦経験の全くない単なる臆病者として本作に登場する。
泣きそうになりながら、必死に戦場を逃げ回っているヘタレだ(突然の実戦配備にビビって逃亡して逮捕される:笑)。
そんなヒーローっぽさが全くないケイジは、本当に偶然から人類の命運を握る存在となっていく。



実戦経験が全く無いのに、数万人の兵士を勧誘しながらも機動ジャケットの操作方法を全く知らない。
実は元広告代理店のサラリーマンで、臆病者のヘタレであるケイジ。
そんなヘタレなケイジを、実にトムは嬉々として演じていて良い。
何度を自身の死を繰り返す「無限ループ」にハマった事によって、戦っては死ぬ悪夢を体験する。
ギタイとの終わりの無い戦い、そして「戦場の牝犬」にして本作の重要なヒロインであるリタ・リタ・ヴラタスキからの地獄のような特訓。
そんな中で、その面構えや雰囲気が百戦錬磨の猛者に変わって行くのは実に巧みな演出であり。
ヘラヘラ笑いから、険しい表情のヒーローに変わって行くトムの確かな演技力とその身体能力は素晴しい。



原作との大きな改変ポイントとして挙げられる、最初の要素。
ケイジがループにハマって何回死んだか原作では明確にしていたが、映画版ではそこを曖昧にしている。
ただケイジの言動によって、彼がどれだけ死んで同じ事を体験して学び事態を打開しようとする事で匂わされる。
そう言った意味では、映画版のケイジは原作版よりも死んで死んで死にまくっているのかもしれない(苦笑)。



そして大きな改変ポイントとして、ヒロイン・リタの存在がある。
原作ではケイジよりも先に「無限ループ」にハマり、ただ敵の殲滅だけに地獄を潜り抜けて来た彼女。
この映画版では、実は彼女はとある理由から「無限ループ」から既に抜け出している。
コレが結果的にやや難解だった、敵ギタイ襲来と主人公達の関係をより明確かつシンプルにしている。



しかし彼女の戦場の女神である事は変わりない。
ループにハマったものの、全く使い物にならないケイジを鬼の様に鍛え上げる新たなアレンジが加わっている。
実戦において死んで死にまくるケイジは、映画版ではヒロイン・リタから「リセット」と称して殺されまくる。
ある意味、ブラックな笑いが加わっている事が映画版の大きなポイントだろう。
リタという存在は原作は実戦を離れれば孤独な少女であったが、本作では立派な職業軍人であるのも大きい。
敢えて彼女の背景を多く語らない事によって、ケイジとリタが「ループ」の中で一体何が起きたのか観る側に想像出来る「余白」があるのも良い。
ケイジによって「彼女自身が語った過去」について、リタ自身が否定するやりとりは笑える。
クライマックス、リタから「貴方の事をもっと知りたかった」と言わせたのも凄く印象的。



人類の敵となる「ギタイ」。
原作では「溺死したカエル」、生物学的にはヒトデに近い存在と言われる。
その正体はまた別の異星人達が他の惑星に、惑星改造(テラ・フォーミング)する為に送った生物兵器である。
映画版では、その「ギタイ」に関する設定は詳細を明かさず実にシンプルに変更されている。
本作はループを繰り返す展開故に、観る側がその時間軸に戸惑い混乱する可能性も高い。
ただ主人公達以上に、敵となる「ギタイ」の存在とその存在の持つ謎をシンプルにする事によって映画版の展開は非常に判り易くなっている。
デザイン的にも「溺死したカエル」よりも、この凶々しいデザインの方が怪獣的で個人的には好きだ(笑)。



何よりも大きな原作との改変ポイント。
それはギタイと主人公達の関係と、終盤からの展開が大きいかと思う。
その結果、訪れる結末。
ハリウッドらしいド派手なクライマックスになっているが、結末は先にも言ったが決してハッピーエンドとは言えない。
確かに一見すると、ハッピーエンドと思える。
だが、アレは原作と同様にケイジの背負った十字架はあまりに重くて大きい。
決して楽観的なモノではなく、ケイジをこの先待っている運命は非常に過酷であり悲劇的であるのは事実だ。
だからこそ、ケイジがラストで見せた笑顔は観る側の心を抉るような要素を孕んでいたと思う。



ハリウッドでは、日本原作のモノはまともに映画化されないと憤怒するファンも多いかと思う。
賛否両論は起きて当然だと思う。
ただ僕個人として、本作は「傑作」だと思います。
原作のファンも、原作を知らない方も是非劇場で観て欲しい作品だと言えます。
おススメです!!


「兵士たる者、己の運命は己で支配せよ!」

祝・『パシフィック・リム2』公開決定!!

2014-06-28 10:18:27 | 映画
とにかく驚いた。
そして思わず声に出してしまう程に、猛烈に喜びに震えた。
突然、ネットで『パシフィック・リム2』の製作決定&公開日まで発表された!
この日をどれだけ待ったか?!



少し前から『パシフィック・リム』の続編について、アレコレと噂はありました。
しかし、鍵となるレジェンダリー社の社長であり製作者のトーマス・タル。
ワーナー社と決裂し、所謂「大人の事情」で正式な続編製作発表が出来ない事情があったのは推測出来ます。



レジェンダリーとワーナー社。
レジェンダリーの新たなパートナーとなったユニヴァーサル社を交えた交渉が、水面下で交渉を続けていたのは間違いないでしょう。
その結果、今回レジェンダリー&ユニヴァーサルの新作として『パシフィック・リム2』の製作と公開日決定の発表となったのでしょう。
全米公開は2017年4月7日。
「2」の公開に合せて、何とアニメ・シリーズの放映も決定しました。
猛烈に嬉しい事ばかりです!!



さて気になるのは『2』の内容です。
一時期言われたような前日譚ではなく、あくまでも「続編」である事がデル・トロ監督自身のコメントでも強調されています。
(前日譚に関して、デル・トロ監督はコミック・シリーズとして発表を明言)
主人公のローリー&マコ、ある意味“裏”の主人公であるニュート&ゴッドリーブ両博士の登場。
そして前作でも良い味を出していた、闇商人ハンニバル・チャウの再登場まで匂わされています。
前作公開時、早々にデル・トロ自身が明かした続編のアイディアは…。

・単純にスケール・アップした「怪獣プロレス」的な内容にはしない。

・異次元人(?)達のいる「アンティバース」の謎が重要な要素となる。

・更に強力になったジプシー・デンジャーMK-IIが登場する。

・怪獣とイェガーのハイブリッド・タイプが登場する。

以上の要素を含めて、「2」が作られるのか?
「パート2」の“お約束”として、やっぱり「今度は戦争だ!」って感じのド派手な展開になるのか?!
非常に興味深いです。
個人的な願望として、より強力になったジプシー・デンジャーMKIIには空を飛んで欲しいですね(笑)。

とにかく全米公開は2017年4月7日。
もう何があっても死ねません!
また続報が上がれば、前作同様にガンガン追い掛けて行こうと思います!!




300:RISE OF AN EMPIRE

2014-06-22 14:51:07 | 映画
『300:帝国の進撃』を観た。

本作は、あの傑作『300』の続編。
観る前から期待しつつも、監督が本作ではノーム・ムーロである事
監督がザック・スナイダーでない事実が、前作のファンとして懸念された。
あの異様に拘った、ヴィジュアル・センスと世界観は継承されるのか?!…。



結論から言えば…そんな懸念は杞憂に終わった(笑)。
ザックほどの病的かつ異様さはないが、あのヴィジュアル・センスは充分に維持されている。
しかし『300』という作品の持つ、ヴィジュアルと世界観は維持されている。
ザックよりも、ややダークは色調はムーロ監督独自のモノかと思う。



そして前作で最も印象的だった、スタイリッシュながら強烈な残酷&グロ描写。
本作でも、ソレも充分に健在なのが嬉しい。
筋骨隆々の男達の、首・腕・足・血飛沫が本作でも勢い良く飛び散る。
3D効果も相俟って、ある意味前作以上に悪趣味な感じもする(苦笑)。



本作は正確に言えば、前作の続編と言う訳ではない。
実は前作でレオニダス達が戦っている一方で、実はこの戦いも繰り広げられていたと言う感じ。
前作が陸地での肉弾戦だったが、本作は艦隊による“海戦”である事が大きなポイント。
本作を観る前に、もう一度前作を観ておくと本作のつながりが良く判る。
「真の前作の続き」となるのは、実はクライマックスからの展開という二重構造になっているのもポイント。
本作をしっかり楽しみたい方は、是非前作を観て本作とのリンクを確認(本作を観た後に前作を観るでもOK)しておいた方が良いかも?



本作の主人公は、ギリシャの英雄テミストクレス。
かつてペルシャの進撃を防いだ英雄だが、自身の甘さが本作では仇となってしまう。
テミストクレス、カッコ良いのだが…。
前作のレオニダス王(演:ジェラルド・バトラー)と較べると、些か「濃さ」が足りない。



レオニダスと比較するのは気の毒だが、何か妙にスマート過ぎる気がする。
例えそれが正しいか間違っているか別として、己の信念を貫いたレオニダス。
しかしテミストクレスは、実は現実的であり一方で思想的には理想主義でもある。
自身のその矛盾が、物語の展開を一歩間違えれば本作は平淡な作品になってしまう可能性もあった。



しかし本作を傑作としているのは、最大の敵であるアルテミン(演:エヴァ・グリーン)の存在。
このペルシャの最強かつ最狂の敵にして、本作のヒロインの存在があまりに大きく効いている。
自身の身に起きた悲劇によって、実はギリシャ人ながらもペルシャに忠誠を近い復讐鬼となった彼女。
ハッキリ言えば、事実上の主人公はアルテミンであると言い切って良いかと思います。



このアルテミンの存在が本作を救っている。
妖艶ながらも、極悪非道な彼女の存在が物語を牽引している。
数ではギリシャ軍を圧倒しながらも、戦いでテミストクレスの策略によって辛酸を舐め続ける彼女。
部下の不甲斐なさに失望した彼女は、テミストクレス自身を自らの部下に迎えるべく画策する。
ある意味、本作の「裏ハイライト」にして映画史に残るかもしれないラヴ・シーン。
生々しく暴力的な「正」と「性」のぶつかり合いは、アルテミンというキャラを際立たせている。



アルテミンの存在は、本作で更に衝撃的な事実も明らかになる。
絶大な力を誇り、自ら「神の王」と名乗るクセルク王。
実はあの存在を生み出したのはアルテミンであり、クセルク王自身も彼女の傀儡にしか過ぎなかった事だ。
しかし自身の力を過信したクセルク王は増長し、アルテミンとの確執が生まれて来るのが本作でも重要な鍵となっている。



そして訪れる怒濤のクライマックス。
ここからの展開は、もう圧倒的であり燃え上がるような興奮を感じる。
テミストクレスとアルテミンの、言い換えれば愛憎入り乱れた激しい戦い。
そして訪れる「復讐の風」。
やはり燃えるようなクライマックスがある作品は素晴しい。

作品として、好き嫌いがハッキリ分かれる作品であり。
前作同様に、倫理的に疑問を投げかけてくる要素も多分に含んでいる。
しかし個人的には非常に面白い作品だと思ったし、本作も前作に劣らない秀作だと思う。
是非、劇場で体感して欲しい作品でありました。

「自由の為に戦って死ね!!」

X-MEN/Days Of Future Past

2014-06-08 23:55:17 | 映画
『X-MEN/フューチャー&パスト』を観た。

早いもので、この『X-MEN』シリーズ。
ウルヴァリンのソロ作品を含めて、本作で7作目となる。
一大叙事詩と化したシリーズの、集大成とも言えるのが本作。



個人的には、このシリーズの最高傑作は4作目の『ファースト・ジェネレーション』だと思っている。
あの作品の大ヒットにより、ある意味『X-MEN』シリーズは見事に再生した。
当初、この『フューチャー&パスト』も、『ファースト・ジェネレーション』の続編として企画がスタートした。
ただ良くも悪くも、ここにもマーベル系(正確にはアメコミ)の作品の“呪縛”となっている『アヴェンジャーズ』の影響がある。
言ってみるなら、『X-MEN』版の「アヴェンジャーズ」への路線変更だ。
歴代のシリーズのオール・キャストが揃った、ドリーム・プロジェクトとして軌道修正された。



それが悪いのかって訳ではない。
新旧問わず、歴代のキャラクターが揃うと燃える(自嘲)。
冒頭、破滅しかけた未来の地球。
恐るべき殺戮兵器と化した「センチネル」。
あまりに強力なセンチネルと、僅かに生き残ったX-MEN達との悲壮感漂う死闘。
決して悪くない始まりだと思う。



ただ、この様な絶望的状況を解決する為。
何と「タイム・トラベル」と言う手段が取られる。
もうSF作品では、この類いの「タイム・トラベル」による歴史改ざんモノは過去に幾らでも存在する。
また「過去」に戻ったからと言って、決して「未来」が変わる訳ではない。
「タイム・トラベル」の非常に難解な要素と矛盾点も、かつての作品で指摘を受けている。
その難しい要素も、本作ではサクッと触れられている(微笑)。
過去と未来が入り乱れる本作、まずこの要素を上手く自分で整理出来るか否かで作品の楽しみ方が変わって来る。



X-MEN側から「過去」に飛ばされるのが、やはりウルヴァリン(笑)。
彼がシリーズ最大の人気者って事もあるだろうが、「不死身」という能力が大きく影響してくる。
先の難解なタイム・トラベルも、不死身(ほぼ不老不死)の彼ならば時間の影響を受け難いと言う訳だ。
そんな訳で過去に飛ばされるウルヴァリン。
自身の記憶さえ何度も改ざんされているのに、また過去に飛ばされる…考えてみれば不幸だ(苦笑)。
劇中、若きプロフェッサーXがウルヴァリンの記憶を覗き、「君はあまりに不幸過ぎる」と嘆くのも当然だろう。



その若きプロフェッサーXことチャールズ。
前作のラストで追った傷による足の負傷は、ビーストの開発した治療薬によって回復した。
しかし、その治療薬の「副作用」として自身の能力を失っている。
否、その「副作用」だけでなく、親友マグニートやミスティークとの別離。
更にベトナム戦争によって、自身の理想がことごとく打ち砕かれたショックにより精神的に大きな傷を追っている。
それ故に薬と酒に溺れ、自暴自棄になっている。



もう1人の重要人物マグニートことエリック。
彼はJFK暗殺の首謀者として、政府によって監禁されている。
このJFK暗殺こそ、当初の「ファースト・ジェネレーション」の続編の原案だった。
チャールズと袂をわかったエリック、彼は彼自身で自らの理想を追い掛けていた。
しかし、大きな時代の波は彼だけでなく多くの同胞の命を奪い、彼自身も希望を見失っていた。
ウルヴァリンによって再会した2人が、激しく怒りをぶつけ合うシーンは非常に印象的なシーンになっている。
その後、エリックがチャールズをチェスに誘うシーンも感動的とも言える。
しかし、基本マグニートという男が「独善的」である事実が物語に大きく影響する。



本作で最も重要なキャラクターはミスティークことレイブン。
彼女はチャールズやエリックとも離れ、独自の道を歩んでいる。
彼女は孤独な心を内に秘めたまま、同胞達の為に孤軍奮闘を続けていた。
彼女の存在こそが、未来を左右する「鍵」となる。
その事を知らないままレイブンは、同胞を虐殺した者への復讐に取り憑かれて行く。



未だ捨てきれないチャールズへの想い。
そして愛と憎しみが複雑に入り交じったエリックへの感情。
それ以上に自分達ミュータントを、実験動物として非人道的に扱う政府の陰謀を阻止しようとする彼女。
揺れ動く感情を抱え、その葛藤の中で暴走していく哀しい姿をジェニファー・ローレンスが見事に演じている。
実質、本作の主人公は彼女であると言っても過言ではない。



本作の「悪役」として、ボリヴァー・トラスク博士が登場する。
しかし、彼とて自らによって起きる“未来”の災厄については何も知らない。
言ってみるなら、彼は自身の崇高な理想を持っている。
その崇高な理想は、多くの犠牲によって成立する。
トラスク博士は、自らが描いた未来にはその犠牲は必要だと切り捨てる。
恐ろしい考え方だが、言い換えれば彼自身は「人類にとって、より良い未来」を築こうとしていた。
それを一方的に「悪」だと言い切れない。
そして遂に、運命の「センチネル計画」が始動してしまう…。



ミスティークの暴走を止めようとするチャールズ達。
人類側の暴走を、自身の手によって運命ごと変えてしまおうとするエリック。
そして自身がどれだけ重要な存在であるか知らぬまま、自らの手によって復讐を果たそうとするレイブン。
「センチネル計画」の発動によって、ミュータントこそ人類にとって最大の敵であると公表ししょうとするトラスク博士。
様々な思惑が一気に動き出す、怒濤のクライマックスになる筈だが…。
何故か、観ていてテンションが上がってこない。
そして僕自身、ある事に気付いた。



本作の監督であるブライアン・シンガー。
彼はアクション演出が、ハッキリ言ってヘタクソである事実を…。
映画として予算・スケール的にFOX側が、自慢げに「かの『アバター』に匹敵するスケール」と断言したのは嘘ではない。
このクライマックスのシーンは、事実凄いスケールで展開する。
ただシンガーのアクション演出が平淡なので、全く盛り上がってこないのは痛い。
ハッキリ言うと、コレが本作最大の「致命傷」だと個人的には思っている。
これだけのキャラ、そして情報量を持ったドラマを見事にまとめる手腕は凄いと思うだけに…。
クライマックスのアクション描写は残念としか言えない。



センチネル対ウルヴァリン&ビースト。
かつてないスケールで政府を襲撃するマグニート。
そのマグニート対ウルヴァリン。
混乱に紛れて暗殺を企てるミスティーク。
未来では、残虐な最終形態となったセンチネルの前に次々と惨殺されるX-MEN達。
普通に考えれば、ここは血湧き肉踊る最大のクライマックスになる筈。
しかし、シンガー監督の平淡な演出によって台無しになっている。
コレさえ無ければ、本作は「最高傑作」と言えたのに…。
マシュー・ヴォーンからシンガーへの監督交替は、やはり裏目に出たとしか言えない。



余談になるが…。
ペンダゴンに監禁されたマグニート救出の為に、ウルヴァリンをクイックシルバーを使う事を提案する。
原作ではマグニートと、実は何かと因縁深い存在でもある彼。
本作においては、その辺りの描写は曖昧なのが笑える。
しかし、前半における彼の「アクション」こそが前半のハイライトであり。
ここ見せたようなケレン味たっぷりのアクションを、何故後半に持って来れなかったのかも不思議で仕方無い。
本作に登場する新しいミュータントの中で、彼の存在感が際立っている。
ちなみにクイックシルバーは、皮肉にも現在撮影中の「アヴェンジャーズ」の続編にも登場します。



そして訪れるエンディング。
ミスティークの下した決断によって、運命は大きく変わりました。
その大きな変化に、ただ動揺するウルヴァリン。
ある意味、非常に感動的なシーンでもあるので是非前3作を観てから本作を観て欲しいです。
ただ先にも言いましたが、クライマックスの演出によってはこのエンディングは更に感動的になったと言いたいです。
面白かったです、でも非常に残念な作品であるの事実です。
あとマーベル系作品の「お約束」ですが、エンド・クレジットの後に“ある仕掛け”があります。
コレを観ると、彼らの前にまた新たな「災厄」が訪れるのが判ります。
既にシンガーの監督続投がほぼ決まりみたいですが、個人的にはヴォーン(又は新たな若手)に監督して欲しいと思いました。


「コレが最初からの私の“計画”よ…。」


PS:本作もまたカットしたシーンが多そうですね、ソフト化された時のお楽しみにしておきます(苦笑)。

『GODZILLA』、世界中で大ヒット中!!

2014-05-18 12:40:57 | 映画
このブログで追っているレジェンダリー版『ゴジラ』。

遂に(日本以外で:号泣)世界中で公開されました!
そして喜ばしい事に、どの国でも爆発的大ヒットを記録しています!!



思えば昨年、かの『パシフィック・リム』。
プロモーションの失敗により、北米ではスタートでズッコけました(苦笑)。
北米以外では、大ヒットを記録したと言うのに…。
もう「怪獣映画」はアメリカではウケないのか?と言う懸念もありましたが…。
何と北米でも、記録的な大ヒットになっていると言います。
何でも公開3日間で、早くも1億ドルに達する興収を記録するのでは?と言われています。
ファンとして、まずは一安心です。



興行的な成績だけでなく、作品への評価も高いのがポイントです。
まぁ~比較対象がエメリッヒ版『ゴジラ』ってのも、正直アレな感じもしますが(微笑)。
「この夏一番の超大作」とも言われています。
単なるヲタク層だけでなく、「ゴジラ」を知らない若い観客を獲得出来たのも多いな要因かと思います。
メジャー・デビュー作が本作であった、ギャレス・エドワーズ監督。
非常に高いハードルだった訳ですが、それを飛び越えてみせたエドワーズ監督の才能と手腕は素晴しいかと思います。
ネタバレ満載ですが新しいクリップを紹介します。
早くも「PART-2」の声が高まってます!
とにかく早く観たいです!!


◯ゴジラとMUTO、ハワイの空港で初バトルへ!




◯未公開シーン満載のメイキング・クリップ




「アンタにとって今日は“審判の日”だ。」

2014-05-13 22:14:34 | 映画
忙しいです(苦笑)。

全く新しい環境、慣れない事ばっかり、自分の仕事は増えて行くばかり。

そんな中、やっと少し自分なりに仕事のペースを維持出来るようになった…でしょうか?!(苦笑)

家に帰ってPCを観て、個人的にプッシュしている『Edge of Tomorrow(邦題“All You Need Is Kill”)』。
その新しい予告篇、更に本編に関するクリップが公開されたいたので驚きました。



個人的には、非常に期待している作品である『Edge of Tomorrow(邦題“All You Need Is Kill”)』。
SFアクション超大作ながら、原作を読んだ方なら本作の持つ“もう一つの側面”が気になる筈です。
それは決してあのザラついた硬質な感覚ではなく、何とも言えない切なく悲しい感覚です。
今までの予告篇を観る限り、本作が原作に思いっきりアレンジを加えているのは理解出来ました。
ただアレンジは構いませんが、肝心なのは原作の持つ何とも言えない切なさを表現出来るか?…に尽きます。



しかし…やはりパワード・スーツ(本作では「Exo Suit」と呼称)がガンガン派手にアクションするシーンに胸が高鳴ります(笑)。
映画版でのケイジとリタの関係性も気になりますが、基本は大きく外れないかと推測出来ます。
自身の戦いと死を何度も繰り返し、エイリアンとの肉弾戦においてメキメキと頭角を現すケイジ。
ダグ・リーマン監督が、ジョークめかして「トムは最低でも200回は死ぬ」と言っていました。
生と死を繰り返す本作にあって、その行き着く先に何があるのか期待が高まる一方です!!





◯生死を繰り返す本作について




◯トム・クルーズ演じる主人公ケイジ




◯本作の“要”でもある「パワード・スーツ(Exo Suit)」について




◯エミリー・ブラント演じる本作のヒロイン“Full Metal Bitch”ことリタ




◯ケイジとリタの出逢いは地獄のような「トレーニング」の始まり




◯敵となるミミック(原作ではギタイ)による地球侵略




◯ケイジが配属される運命の“The J Squad”





「軍曹、あれはウチの新入りじゃないですか?!」

破壊神降臨!!

2014-05-11 16:55:21 | 映画
このブログで追っているレジェンダリー版『ゴジラ』。

遂に完成し、先日アメリカにてワールド・プレミアが開催されました!
作品に対して批判的で厳しい意見もありますが、圧倒的に現時点では絶賛の声が多いです!!
日本のファンとして、まずは一安心って感じでしょうか?(微笑)



やはり作品の基準となるのは、かのエメリッヒ版『ゴジラ』(苦笑)。
個人的には嫌いな作品ではないですが、今回のレジェンダリー版『ゴジラ』はオリジナルに忠実な怪獣映画に仕上がっている模様です。
本作がメジャー超大作、初チャレンジであったギャレス・エドワーズ監督。
根っからの「ゴジラ」好きと言うのも、この作品への高い評価につながっているかと思われます。



さて、今回のレジェンダリー版『ゴジラ』。
その姿に注目が集まりました。
そして新たなルックスに関して、一部では批判的な意見もあったのは事実です。
個人的には、今回の「ゴジラ」のルックスはかの「キングコング対ゴジラ」のゴジラを彷彿とさせるルックスでカッコ良いと思います。
ネットのニュース等でも少し論争になりましたが、しっかり「ゴジラ」していると思います。
いつも観ているコチラのサイトにて、レジェンダリー版『ゴジラ』の「没デザイン」が公開されています。
コレを観てしまうと、様々な試行錯誤がデザインの上で行われたのが判ります。
下手すれば、エメリッヒ版「ゴジラ」以上の惨事にもある可能性があった事も判ります(苦笑)。
ザッと紹介します。































まんま日本のゴジラってのもあれば、コレの何処がゴジラなん?てのもあります(笑)
最終的に、あのデザインに落ち着いて一番良かったと思いました。
何と言っても、あの圧倒的な迫力と威厳と恐怖を漂わせた佇まい…というのは非常に難しいと思います。
ちなみに、コレらは以前にも言ったコンセプト・アート集「Art Of Destruction」に掲載されている様です。
未だ日本語翻訳版のリリースがアナウンスされませんが、多分リリースされると思います。
絶対に欲しいです!!
少々お値段が高くなってしまうのは仕方ないですが、「パシフィック・リム」みたいに限定三千部とかい悲劇は止めて欲しいと願っています。



その「Art Of Destruction」。
「ゴジラ」だけでなく、敵となる「MUTO」のデザインも載っている模様です。
本作において、やはりゴジラ単独で人類と戦うという物語ではなく。
やはり敵怪獣として「MUTO」が登場した事が、作品として大きな評価にもつながっている感じです。
根はマニアなエドワーズ監督、その辺りは「怪獣映画のツボ」をしっかり心得ていたのかと思います。
ゴジラも気になりますが、この「MUTO」がどんな大暴れをスクリーンで繰り広げるのかも注目です。



日本公開が2ヶ月も先だなんて…。
今すぐにでも観たいって気持ちは昂る一方であります。
そんな中、また新たなクリップが公開されました。
また、コレが凄いんです。
我々日本のファンは、これからはジッと我慢で公開まで耐えるしかありませんね(号泣)。