チエの目日記

石川県の能登島えの目町からお届けしております。

(続)直島へ 

2006-02-13 11:56:09 | 独り言
前回書いたように、直島で最も興味があったのが、もともとこの島の集落にあった既存の建築物を使って、空間をアートとしている『家プロジェクト』というものであり、さらにそれが一つの集落に4カ所点在していると言う点です。
島の雰囲気や生活感を感じながら、ぶらぶらと歩きながら、『家』を巡るというのはどういうことなのだろうと。

直島へ行って初めて知ったのですが、数年前に『スタンダード展』というのがベネッセの主催で行なわれたそうです。
どういったものかと言うと、
以下文章抜粋です。

ベネッセコーポレーションは、香川県直島で運営する直島コンテンポラリーアートミュージアムの開館10周年記念企画として「THE STANDARD スタンダード」展を開催中です。
本展は美術館の展示スペースを離れ、直島全体を会場としています。人々が何百年も暮らしてきた家屋の一間、空家、路地、床屋や診療所として使われていた建物などが舞台となり、各会場で13名のアーティストが現代の日常をとらえた作品を展示しています。

そのときに「のれんプロジェクト」と言うのも行なわれて、加納容子さんという方が自ら14軒のお宅の協力を得て、そのお宅の印象、そしてお家の方とのお話から書く家の絵柄や色ののれんを作ったそうです。それが、スタンダード展が終わった今も軒先にそののれんをかけてありました。
こういうのって、根付いている!という感じですね。
一件のれんがかかっているところをパシャリ。


のれんと言えば、七尾一本杉の『花嫁のれん展』もすごいです。
これは5月の連休前後に一斉に優美な花嫁のれんが一本杉通りに並びます。
七尾が持つ財産をうまく生かしたイベントだと思っています。

ついでにもう一つ。
この『家プロジェクト』がある本村地区は城下町だったらしく、”屋号”も残っているそうです。
そして”屋号”がこんなにおしゃれに表示してあるなんて...

数件の玄関先にこういったプレートがありました。直島でもらえるマップに”屋号マップ”がありました。
ちょうど私たちが取り組んでいる”能登島在所マップ”にも屋号が登場します。
なのでより親近感でした。

さて、直島へ行くにあたりネットでいろいろ見ていたところ発見したものが。
直島をご存知の方にはおそらく超有名なスポットかと思いますが、『カフェまるや』です。
・島にあるカフェ
・畳のあるカフェ
・クラフトっぽいものが販売されているカフェ
・ギャラリーもやっているカフェ
など、能登カフェとの共通点が多かったため、勝手に盛り上がってしまいました。
一応と思い、能登カフェのパンフレットもごっそりと鞄に入れて直島へ!そしてカフェまるやへ!
フェリーが直島へ到着し、宿に荷物を置いて真っ先にまるやさんへ向かいました。
カフェまるやも『家プロジェクト』がある本村地区にありました。
迷路のような集落の中をとことこ歩き、探します。
かつて車なんて必要なかったのでしょう。車を無視した集落の作りが今もそのままで、道が狭い!
それが逆に歩いて回るのに程よいスケールです。
『家プロジェクト』がここにあるのがわかるような気がします。

歩いていると、布がひらひらしているお家が。

こういう目印いいなぁ、私も布をひらひらさせようかなと、思いました。
あ、でもちゃんと看板もありましたよ。

普通の家がカフェになっていました。
そして門を入って、玄関前を通り過ぎ奥の庭に面した縁側がカフェの入り口。


4時半頃に行ったので貸し切り状態でした。
埼玉県より移り住んでカフェを始めたというオーナーさん。
アートが好きで、直島が好きで、温かいコーヒーでホット一息で切るような空間が欲しかったのがカフェを始めたきっかけ。
移住して始められて、様々な苦労があったことと思いますが、凄い人の輪を感じ、吸引力を感じました。
いろいろとお話もさせていただき、しっかりと鞄にしまってあった能登カフェのパンフレットも渡して、まるやさんにおいてもらいました。こういう縁を大切にしたいですね。
その後、まるやさんからメールをいただいたのですが、数日後に能登の近くに住む人がご来店されたらしく、能登カフェを知っているけどまだ行ったことないよ、と、お話のきっかけにもなったようです。
うれしい限りです。

という訳で、私のブログを読んでくださっている皆様も、直島へ行く際には是非まるやさんへお立ち寄りくださいね。
まるやさんでは、来たお客さんに『世界地図』を渡して自分の来たところの地図上にコメントを書いてもらうようです。
私は能登島のところに書かせてもらいました。
能登からたくさん行って、まるやさんの世界地図の能登周辺が真っ黒になればいいなぁ。。。

しかし、日本地図ではなく、世界地図というのがさすがです!

世界中の人が注目する直島という島。
きっとこれからどんどんいろいろな人が訪れ、交流が生まれ、楽しいことが起きて行くんだろうなと思いました。

一方、ひいき目なしに能登島の持つポテンシャルの高さを改めて感じた旅でもありました。
景色にしろ、島文化にしろ、食にしろ。
直島と同じことは出来ないし、やっても意味はないけれど、刺激を受けて、人を吸引して楽しいことがたくさん生まれるような島になっていくといいなぁと思いました。