【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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欲望とは何かシリーズ <その1> SBJ 碩学舎ビジネス 田中洋先生

2012年05月13日 | マーケティング話
SBJ(碩学舎ビジネスジャーナル)Vol5.で、田中洋先生(中央大学大学院 戦略研究科 教授)の語るブランド論よりメモ。

■欲望の整理(基本的なカテゴライズ)

(1) 欠如としての欲望・・・もっとも基本的でわかりやすい
(2) 媒介としての欲望・・・「ジラールの欲望の三角形」とか(拙著 第2章 78ページ参照)
(3) 根源としての欲望・・・ジル・ドゥルーズの「欲望機械」。「何が」→「欲しい」でなく、「欲しい」→「何が」とか

■ポスト・カルテジアン消費

2007年、私が田中先生と初めてお会いした直後の記事参照。
*今回の記事は、このときの復習にもなる。
「身体と精神は別」としたデカルトに対する、メルロ=ポンティの「主客二元論批判」
  ⇒ ギースラー(Marks Giesler:カナダの消費者行動研究家)

■時間的な欲望

「空間的な欲望」に対する概念
 (例) 「お金を稼ぎたい」・・・自分の潜在的な可能性(自分のPowerを残しておく)

【タイプ1】の欲望・・・自分でよくわかっている
【タイプ2】の欲望・・・自分でわかっておらず、気づかせてもらってわかる(発見する)=「コンシューマインサイト」
【タイプ3】の欲望・・・将来的な希望 ⇒ 将来にわたって何かあり得ることのできるイメージがあって、それを実現できるかもしれないと希望する

■シェアリング(ベルグ)

「自己拡張の欲望」は、他人とぶつかる=人から嫌われる ⇒ (だから)隠す
相手のものを無理やり奪うよりは、シェアした方がお互いの得になることもある
 ⇒ 人間の社会発展の過程でビルトインされたものでは?

マーケティングがやってきた、計画的陳腐化でトレンドを作ろうという話とは逆
 ⇒ これも人間の本性の一部ではないか?

■欲望とは?(田中洋)

欲望とは、他者や社会とを共同領域化するための、時間的・空間的ま自己保存と拡張の融合への運動。
つまり欲望は空間的な次元と時間的な次元を持ち、自己保存と自己拡張でもあり、また自己と他者の融合(シェアリング)という両面を持っているのではないか?

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