【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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『絶望の国の幸福な若者たち』 (1)

2011年11月29日 | カルチュラル・キーワード備忘録
おいおい、26歳でこんなおもろくて痛快な本さされちゃ、あたしゃ立つ瀬がないよ~だ。。。

ということで、備忘録その1。
(*黒字が引用部分)

野口おじいちゃんによれば「若者の混乱や崩れ」の原因の一つは「戦後民主主義」であるという。
そして戦後教育が「戦後民主主義の風潮に惑わされて、自由、平等、個性、ゆとりなどの美辞、甘言の孕む危うさに気づく深い思惑を怠った」ことにため息をついている。「戦後民主主義」を「第一次世界大戦の自由主義」に置き換えれば一九三〇年代でも立派に通用しそうな古典的若者論だ。古典としてぜひ図書館の書庫奥深くに封印してしまいたい。
(「第一章 「若者の誕生と終焉」34ページより)


(注)「快刀乱麻 日本教育技術学会名誉会長・野口芳宏 学校が家庭を弱くした」『産経新聞』2007年2月19日東京朝刊。

明治末期から大正初期、そして昭和の戦争に至るまでの「若者論」を詳しくまとめられている。
著者によれば、1960年代後半から1970年代にかけて「若者」は誕生し、「若者論」の原型はほとんど登場したという。
「年齢以外、その多様性は問題とされない均質な集団」として。

同時代的に実感できますよ。
あたしが子供の頃には、FMで朗読番組がありましてね。
五木寛之の『青年は荒野をめざす』とかいうのをやってました(聴いてませんでしたが・・・)。
「青年」なんですよね。

「未来は青年のためにある 青年は未来のものだ」
と言ったレーニンも、著者のいうように若者を「都合のいい協力者」として利用したわけです。

で、80年代の高度消費社会になると、「青年」から「若者」となった若者は「お客様」(消費社会の主役)と祭り上げられたわけで、これもまた同時代的に実感。

さらに著者は、90年代に切り込みます。

たとえば、戦時中の「若者は希望だ」論は、一九九〇年代の起業家政策とよく似ている。バブル崩壊後、日本は起業家の増加を目指し様々な政策を打ち出してきた。政財界から発信されるメッセージを見てみると、起業家という存在は日本経済の救世主であり、雇用創出も担いながら、「公」や倫理観を大切にしつつ、失敗した場合は自己責任を負う存在として規定されてきた。まさに起業家は「都合のいい協力者」である。
(「第一章 「若者の誕生と終焉」36ページより)


おやすみなさい!

絶望の国の幸福な若者たち
古市 憲寿
講談社


青年は荒野をめざす (文春文庫)
五木 寛之
文藝春秋

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墓地の裏山を登ってから、広大なクラフトパークに行きついた話

2011年11月23日 | 徒然
「寄り道をする」「道に迷ってみる」。
時間などの余裕さえあれば、贅沢な経験です。
(尤も、人生で寄り道しすぎた私は、今の自分とその環境に愕然として、自分のお尻に火をつけてますが・・・)

今回は下山取材(フィールドワーク)の続編です。

「気をつけてね!」
下山小学校の校長先生に見送られ、第一の目的地「本國寺」を後にしました。
第二の目的地は、本國寺のすぐ裏であることは確認済みです。
でも、「こっちにいってみたい・・・」ということを意識するわけでもなく、いや、あまり考えずに漠然と歩いていたら、第二の目的地への道程から外れたようです。
こういうのが、一人旅の醍醐味。
「セレンディピティ」を求める気持ちもあるのかも。
春のGWには、複数のメンバーの旅行をプランニングしましたが(2回)、予め厳密にコース・時間を設定する旅行とは別の楽しみです。
日常生活でも、こういう経験、たまにはいいものです。
仕事とかでも、工程通りの業務を工程通りの時間でこなす、といった連続では素晴らしいアイデアやひらめきなど得られるはずはありません。
自分の経験則でも、いいアイデアは、「寄り道」「迷い道」という一見、無駄な時間を費やす中で生まれるものです。
もちろん、普段から一生懸命考えることは必須ですよ。
そしていつの間にか熟成されたアイデアが浮かぶのはオフのときや休息時。
歩いている最中も多いですね。
デスクにかじりついているときに浮かんだアイデアなんぞ、大したことありません。

能書きはこのへんにしておきます。
このあたりは「下山」という地名ですが、今まで見た中で一番小さな信号を見つけました。
赤と青だけ、というのが潔(いさぎよ)いですね。
ただし、今は使われていないようです。


この信号を見ながら、坂道を登っていくと、すごくいい感じの神社がありました。
どうやらこの日は、数日後のお祭りの準備のようで、近在の方々があわただしく神社のお掃除をされおりました。
で、私も邪魔にならないようお参りさせて頂きました。
いただいたパンフレットによるとこの神社、「一宮賀茂神社」というそうです。
創立は天平勝宝年間(750年代)。
16世紀には武田氏、穴山氏の尊崇極めて篤く、河内領(下山、身延など)十七社の社頭として一之宮と尊称されていたそうです。
「社宝」としては、武田信玄公が寄進された宝物(数珠や陣太鼓、墨絵など)が沢山あるそうです。
やはり、寄り道はしてみるものですね。



境内から見た下山の集落(富士川方面)の眺め、よかったす(↓)。






また、この辺りは山の中腹なので、神社の裏の方から流れてくる水も勢いがあり、音も気持ち良かったことこの上なし。

さて第二の目的地は、南松院(臨済宗)です。
賀茂神社から急な坂を下って、本國寺の脇に戻り、別の坂道を登るとものの5分もしないうちに着きました。





禅庭です(↓)。


本國寺(幼稚園)の方のお話で、ご住職は外出と聞いていたので、だれもいらっしゃらないことはわかっていました。

南松院の裏山に墓地がありました。
墓地の墓石を見るのも大切なフィールドワークです。
それほど広い墓地ではありませんでしたが、裏山で道が途切れつつも登って行くと、舗装道路にでました。
重いバウンダリーパックを背負って歩きまわっていたので、ここで休憩です。
一泊なのに iPad なんか持ってくるんじゃなかったなと。
道端に座って、身延山を眺めながら休憩です(↓)。


南松院は、当初の目的地のラストでした。
舗装道路を小さな子供を連れたご夫婦が登ってきてました。
親子連れが歩いて行った方向に歩いて行きました。

3分程歩いたら、とてつもなく広い芝生の公園に行きつきました。


富士川クラフトパークというそうです。
こんな広い「パーク」、今まで見たことも来たこともありません。









「富士川クラフトパーク」内には、「道の駅」や様々な観光施設・ショップがありました。
ガラス工芸の製作体験ができたり。
一人で周るのはもったいない気がしました。
今度、行くときは誰か連れていきたいですね。
花見の季節とか良さそうです。


「切り絵の森美術館」では、高橋ユタカというアーティストの「切り絵とモビールの世界展」が開催されていました。
もちろん、私も拝見しました。
高橋ユタカという方は存じておりませんでしたが、「ユニクロ」の広告を手掛けられたりと、その業界では著名なアーティストのようです。


切り絵の森美術館を出て間もなく、タクシーを呼んで、下部温泉の宿に入りました。




宿のご主人にもヒアリングをして、とても貴重なお話も聞けました。
ご主人のお話を聞いて、偶然ながら「富士川クラフトパーク」に行って良かったと、つくづく思いました。
布団に入ってから、スポーツジムのウィーキングの負担を増やしたばかりの上、午後中歩き回ったため、太ももの裏がつりました。
生まれて初めての体験です。
昔からよく足がつりましたが、決まってふくらはぎでしたし。
その後、ジムのトレーニング負荷を高めました。

翌日は「金山博物館」(ほんのわずかながら「金」もゲット!)で金山衆の勉強です。
甲斐の国の金山といっても、東京都境の「黒川金山」(大菩薩)には、「花魁淵」という悲しいスポットがありますが、下部の「湯之奥金山」にはそういったお話を聞いたことがないので安心です。
「花魁淵」は、2010年春に甲府から青梅に抜ける柳沢峠越えのとき、入口辺りを通過しました。降りないで良かった・・・、ホッ。)

このフィールドワークから1ヶ月半経ってしまいました。
本当は、こうしてブログなんぞ書いてる場合じゃないんですけどね。

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最近のいいリツイート(烏賀陽弘道さん)

2011年11月22日 | 徒然
twitter、実はあまりログインしておりません (それでも、有益な情報収集ツールだと思ってますが・・・)。
で、昨日、今日と、ちょこちょこログインしたところ烏賀陽弘道さんのツイートが面白かったです。

以下、私がリツイートしたつぶやきを含め、烏賀陽弘道さんのつぶやきを勝手に引用しちゃいます。
自分的には名言だと思ってます。

■「御社は」「オンシャは」と面接ですらすら言う学生はそれだけで学生さらしさがなくて気持ち悪かった。

(注:朝日新聞にお勤めの時、新卒面接をご担当されたときのお話)

■自分を個性的だと思い込んでいる人に限って凡庸だ。つまらない。本当に個性的な人は子どものころから疎外感に苦しんでいる。

■批判も議論も運動もそれ自体が善ではないし知的でもない。

■「いまこそ原発が必要だ」という論者も包容できる脱原発ムラというのが成立したら、ぜひ信用したいと思います。

■他人の仕事を批判的に話すだけでも、万能感に陶酔してしまう人はいるものです。まして他人の前だと、いまわしい有様になります。

■和歌山カレー事件のときのアエラの中吊りコピー 「カレーやないでハヤシやで」

■オウム裁判が集結するそうだ。16年経った。「異論を唱える人がいない集団が暴走すると怖いわねえ」とみんなあのとき言っていた。原子力ムラの人も含めて。そしてきょうもツイッターは「異論」を袋叩きにする連中で一杯だ。

極めつけは以下のつぶやき。
自分的には「金賞」です(私ごときに「金賞」もらっても嬉しくはないでしょうけど・・・)

■JR新宿駅南口の雑踏で、「このたくさんの人間が心で考えていること(どうでもいいようなことが大半)が全部聞こえたら、うるさくて死ぬだろうなあ」と思った。ツイッターってそれに似ている。

次は「銀賞」です。

■「どうすれば面接に合格しますか?」と聞かれたら「どうすればカノジョと両思いになれますか?という質問と答えは同じです」と言います。

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飲食店がなくてお寺の境内でクリームパンとおまんじゅうを食べた話

2011年11月20日 | 徒然
今度は10月初旬の連休のこと。
自分のある趣味のため、取材旅行に出かけました。
どんな「趣味」かは内緒です (心を許した皆様には既にお知らせしておりますが・・・)。
おそらくこの記事をお読みの方にはおられないと思いますが。
どんなコンテキスト(文脈)で取材(フィールドワーク)に出掛けたのか、写真の羅列を見ただけで、わかる人には、検索なんぞせずにわかると思います(そんな人がおられたら嬉しいんですけどね・・・)。

当初、目的地には海側を回って、富士から身延線で向かう予定でしたが、9月の台風によるがけ崩れで身延線の身延・富士間が運休、新宿から特急で向かいました。
新宿発8時ちょうどの「あずさ2号」、今では「スーパーあずさ5号」となってしまいました。


目的地の駅に着きました。


無人駅です。男子便所の便器が外から丸見えです。
使うのに躊躇したものの、見ている人はどこにも見当たりません。


「波高島」の由来を書いた案内板。
要は「富士川の波が高いですね」ということ。
「島」とは、islandの意味ではなく、placeのような意味なんですね。


駅から5分ぐらい歩いたところにある橋。富士川の川上(北)方向。
10月上旬にしては日差しの強い暖かい日で汗をかきました。




第一の目的地。長栄山 本國寺(日蓮宗)。
立派なお寺です。






今回の目的は「巡礼」ではありません。
実はこの本國寺、「下山城址」でもあるのです。
この「下山城」をご存じの方がいたら、かなりの「同好の士」ということになります。
まず、いないでしょうね(ワッハッハッ)。


事前にグーグルで本国寺付近の飲食店をチェックしたつもりでしたが、身延名物のお饅頭屋さんの方に聞いたところ(マップ有難うございました)、何と付近に飲食店はないとのこと!
グーグルもあてにはならんもんですな・・・。無料だから仕方ないけど。
ところが、本国寺の入り口付近にパン屋さんというかお饅頭屋さんというか、とにかくお店がありましたんで、クリームパンとお饅頭を買いました。
この(↓)青いベンチで昼食をとらせていただきました。
非常用(大げさ・・・)の柿ピーと一緒に。
境内に自販機があって水を買いました。


「御葉付公孫樹」という銀杏の木です。
昭和六年、文部大臣より特別天然記念物に指定されたそうです。








そろそろ本國寺を去ろうとしていたら、ご近所にお住まいの方(下山小学校の校長先生)がいらして、お話を伺いました。
また、境内にある下山立正保育園の女性(パンフレット、有難うございます!)と3人でしばし歓談。
残念ながら、ご住職は外出中とのこと。
休日なので法事が多かったのでしょうね。
それにしても、銀杏の木のギンナンを食べに、鹿が山から降りてくると聞き、少し驚き。
校長先生によると、現在の駐車場のあたりが「城跡」とのことでした。
この景色を眺めながら、インスピレーションを働かせるのです。


疲れたんで、今日はここまで。
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