【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

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直木賞 伊東潤、残念!

2013年01月27日 | 徒然
僕がファンを自認してやまない歴史小説家 伊東潤が直木賞を獲れず。

「完成した力量と新しい才能のぶつかり合い」第148回直木賞講評
2013.1.16 23:31


「伊東潤さん、(候補作の)最初の作品が『牢人大将』で最後が『国を蹴った男』、この2つの作品は、主人公が牢人大将だったり、今川氏真だったりするんですよ。ところが真ん中の作品は有名人がバーッと出てくるんだけど、有名人をチラチラと出すとどうしても歴史をつまんだようになる。そういうところが弱いんじゃないか。これは私見ですが、名もなく朽ち果てていくような兵隊たちをきちんと書き上げたら、いい作品が書ける方ではないかと思います。戦闘場面が非常にお好きだと聞きましたけど、戦闘でもこの方は勝つ戦はあまりお上手じゃなくて、負けて退却するときの惨めさみたいなものを書かれると、なかなかいい迫力があるだろう。今度2回目の候補ですから、3回目はみんな期待しているという形で。」

この講評で評されているように、
たしかに負けるときの描写には、
凄まじいリアリティを感じる。

初めて読んだ伊東氏の『武田家滅亡』のラストシーンなど、
感きわまるほど素晴らしい出来だった。
やはり、「負けて退却するときの惨めさ」、
そして、「名もなく朽ち果てていくような兵隊たち」を描いたシーンだ。

伊東潤は世代も僕と一緒だ。
IBMという大企業の勤務歴が長かったのは僕との違うところだが、
コンサルタント会社も経営されていた。

単行本『国を蹴った男』に収録されている『牢人大将』(主人公は那波無理之介)について自ら書かれた解説にも、こういう一節がある。
やはり刺さるな、とつくづく思う。
(尤も、20代、30代の頃はフリーにならんほうがいいとは思うが・・・)

私もフリーランス(Independent Contractor)のコンサルタントをしていた時期があるので、無理之介の気持ちはよく分かります。
最近の風潮として、正社員にこだわる若者が多いのは嘆かわしい限りですが、若いうちから生活の安定ばかりを求めていては、スキルアップなど覚束きません。リスクはあっても、働いた分だけお金が入ってくるフリーランスに身を置いてこそ、スキルもつき、生きがいも見えてくるのです。
会社に忠誠心を持つのが正社員、仕事に忠誠心を持つのがフリーランス。
自分がフリーランスの立場に立つと、それがよく分かります。
「外注さん」であるがゆえに、正社員以上に懸命に働く無理之介の爽やかな生き様に共感いただければ幸いです。


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