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「格差突破力」をつける方法―勉強法から人生戦略まで

2009年12月12日 | 書評
≪お休みしてた間、mixiの「レビュー」にちょこちょこ書いてた雑文を再編集・転載してます。≫

【2008年2月20日】

「格差突破力」をつける方法―勉強法から人生戦略まで

先日、NHK総合の「プロフェッショナル・仕事の流儀」
だったと思うのだが、イチローの特集を観た。
流石! と唸る言葉もあり感銘を受けたつもりだ。

しかし、本書の著者は言う。

超一流のイチローや松井秀喜、
いや全てのプロのスポーツ選手は、
極めて特殊な才能=異能の持ち主だ。

ミュージシャンでも俳優でも同じこと。

私達一般人が生き抜くためには、
そんな特殊な才能の人達の「生き方」なんぞに振り回されることなく、
「普通」の生活を維持する「処方箋」こそ必要であると。

(もちろん、異能のスターに憧れるのはいいことですよ)

憲法第9条論議。

もし日本が戦争に巻き込まれた場合、
自衛隊だけで戦うことはまずあり得ない。

「自分も戦う!」

という人達の発言が目立つ。

しかし、戦争を遂行しうる「軍隊」たるためには、
死者が出るほどの過酷な訓練が不可欠だ。
徴兵制が必要なのは言うまでもない。

古今東西、どの国でも軍隊には、
陰惨な「いじめ」「しごき」がつきもの。
(数年前の明治大学応援団の事件を思い出した)

その覚悟があって、「私は戦う!」
なんてこと言ってるのだろうか?

著者はそういう人達のことを、

「お坊ちゃまの観念論」

とズバっと斬ってしまう。

そう言えば、「愛国者」を自認するある論客も、
昔、「おぼっちゃまくん」とかいう漫画をかいていたような・・・。

マスコミを通じて「国を守ろう!」
なんて煽る人達は、
まず、自衛隊の体験入隊さえしてはいないだろう。

すぐ「いじめ」の対象になりやすい人達ばかりだと思えて仕方がない。
あと、「ネット右翼」とか呼ばれている、2チャンネル系「匿名右翼」の人たちもね。

いまだに「右翼」「左翼」という二分法でしか判断できない、
思考の停止した知的水準の低い人達。
(嗚呼、うんざりだぜ・・・)

天下国家のことも大事だけどね。
煽られて馬鹿をみるのは愚の骨頂。

「攻め込め詐欺」にご用心。

本書のテーマは、

◆市場原理のグローバル化に伴う格差社会化は避けられない

ということを前提に、

◆格差社会のトレンド中で、中流の暮らしをいかに獲得し、
いかに維持するか、いかに幸せで充実した生活を送れるか
(リスクヘッジをするのか)

ということだ。

もう「当たり前」に生きていれば、
「中流」「普通」の生活が送れる、
という世の中ではなくなりつつある。

団塊の世代の著者は、
大学紛争たけなわの頃、
左翼学生に反発する少林寺拳法三段の青年。
ある日、元陸軍中将だった人から
「諸君は左翼と戦え」という露骨な扇動に反発、
逆に目が覚め、右翼をやめたそうだ。

そういう歴史をもつ著者が説く、

「誇りを持って戦争から逃げよう!」

というスタンスは、僕にとってリアリティがある。

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