【ML251 (Marketing Lab 251)】文化マーケティング・トレンド分析

トレンド分析ML251の文化マーケティング関連Blogです。ML251の主業務はトレンド分析をコアにしたデスクリサーチ。

ダイソンは徹底したエスノグラフィーを展開するマーケティングエクセレント企業

2015年06月26日 | マーケティング話
ほぼ1週間前、『日経MJ』2015年6月17日の一面です。

マスコミではよく、「ダイソンはマーケティングをしていない」と言われていますが、実は綿密なマーケティングを展開されてるんですね。

「商品開発では市場調査を先行させない。従来家電に使い慣れている消費者はその『問題』に気付きにくいためだ」(ダイソン氏)

ということだけなんですよ。
英国本社の技術者たちが、掃除機を使う40代主婦を2時間ほど見つめていた。
主婦が「狭いリビングではちょっと音が大きすぎる」と愚痴をこぼすと、彼らは熱心にメモをとっていたそうです。
英国本社からは毎週、技術者たちが来日し東京と大阪の一般家庭で掃除機や扇風機など発売前新商品を使ってもらい、観察したそうです。

エスノグラフィーですね。

ただ調査会社のアンケートを使わないだけ。
とても賢明な企業だなと思います。

「事前に消費者の声や要望を聞いても多機能になりすぎるだけ。家電は実際に使われる現場を見て、本質的な機能に絞って極めることが大事」(ダイソン氏)

第二に、売場は緻密にプロデュースしているとのこと。
ブランディングの要ですね。

第三に、こっそり値下げをして新規顧客を獲得しているそうです。
これもユーザーをよく知っているからこそだと私は思います。

だからこそ、広告宣伝費より技術開発に投資、(普通の)安売りはしないということが可能になるわけでしょう。

ダイソンの売上高は2,300億円(2013年)で、大半を掃除機が占め、うち日本は約2割だそうです。

「利益主義に偏ると間違ったマーケティングに陥る。新商品開発を常に出して消費者とつながり続け、感想をフィードバックしてもらうことが我々流のマーケティングだ」(ダイソン氏)

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イードさん、Good Job! 「女性タレントイメージ調査でわかった、男女で異なる“セクシー”の定義」

2015年06月12日 | マーケティング話
株式会社イードさんが実施された「女性タレントイメージ調査」結果。
コレポンを使った解析は、私もよくやってました。

「男性は「癒しを感じる」と「セクシー」を類似したイメージとして捉えているのに対し、女性は「癒しを感じる」と「セクシー」を異なったイメージとして捉えています。この違いが、綾瀬さんに対する評価の違いになっているものと思われます」

このあたり面白いです。
コレポンやってみると、男女の相違点って割とあるんですよね。

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マクドナルドのカサノバ社長兼CEOの「マダムアイタウンミーティング」

2015年01月16日 | マーケティング話
マクドナルドのカサノバ社長兼CEOは、47都道府県で子供を持つ女性と直接対話する「マダムアイタウンミーティング」を始めたているとのことです。
6~9人ほどの母親を店舗などに招き、マクドナルドへ求めているものを聞きだすというもの。
流石だと思います。トップが直接、顧客と対話する。外部の調査会社を使ったグループインタビューにもそれなりの長所はあるものの、やはり、迅速なトップダウン経営のためには、こんな取り組みがいいなぁと。
「もし自分が経営者だったら?」と想定すると、そのほうが自分の「性に合ってる」と思うのです(笑)。
マクドのような超巨大グローバル企業と、今はたった一人の自分を比べることに問題ないですよね(笑)。

(『日経MJ』1月12日 1面より)

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「ギャル文化」衰退とマイルドヤンキー化

2014年11月26日 | マーケティング話
ちょっと前の日経電子版の記事ですが、『egg』『BLENDA』といったギャル系雑誌休刊の話題です。
そして11月19日の日経MJ一面は、ギャルの聖地「SHIBUYA 109」の地盤沈下と地方都市への出店の記事。

両記事で取り上げられた「現象」の根本的要因は共通しています。若年層人口の減少というデモグラ要因、スマホ普及というデバイス環境もあるも、トレンド要因として挙げられるのは「マイルドヤンキー」化です。

地元志向の強い「マイルドヤンキー」が増える中、「SHIBUYA 109」では「渋谷で来店を待っているだけではだめ」と、109の世界観を体感できる中継点の必要性を痛感しているといいます。

・過去の「ギャル文化」衰退の要因(「電通ギャルラボ」狩野珠奈氏)

(1) ファストファッションと張り合おうとした結果、109系の特徴である尖ったデザインが薄まり、どこにでもあるようなファッションになってしまったこと。
(2) SNSの普及で幅広い人と交流するようになり「自分の立ち位置を確認し、皆にわかるファッションを求めるようになった(かつてのギャル文化は「うちら文化」で仲間内でわかればよいという閉鎖的なもの)。
(3) 安室奈美恵のような一人のカリスマを追う時代からAKB48のように様々な個性を認め合う「群れの時代」へと変化した。

(1)と(2)(3)は、表面的には矛盾しているようですが、根本的には矛盾していません。わかりますか?

日経電子版では、ファッション業界のカリスマ、小島健輔氏(コジケン)がファストファッションの影響を語っています。
「ファスト化する風土」(三浦展)が語られて久しい今、「AEON」に代表される郊外型大型ショッピングモールは業態的には成熟期を迎えつつあるものの、まだ生活文化的には隆盛ということでしょう。

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体験消費のアーキタイプ

2014年01月27日 | マーケティング話
昨夜、Facebookで知人がシェアしていたので、備忘録的にご紹介。

こういう時間消費のスタイルって言うのは、
僕がライブハウスに行く回数が減るのと比例して、
Jリーグのファンになったのと同じ構造。

試合とか勝ち負けだけではない。
キックオフの何時間か前に着いたスタジアムで、
昼からビール飲んでエスニックフードを食べる。
芝生で昼寝までしたり(埼スタ2002に通ってた頃だけど・・・)。
つまり、まったりする時間の贅沢さ。
試合が始まる前のほうが楽しかったりするのは、
旅行に行く前の晩のほうが、旅行中よりもワクワクするのと同じ。

いつもではないが、試合後に友達と飲むとか。
アウエイの試合のときは小旅行だったり。

まぁ、ロックフェスも同じようなもんだろうね。

「大谷:お笑いの現場でも面白い現象があって、多くの劇場はお客さんが少なくなってきているのに、歌舞伎座とか明治座にはいつも人がいっぱい入っていて、その多くはおばちゃんなんですね。なぜだろうと思ってよく観察してみたら、歌舞伎座のまわりには喫茶店がすごく多いことに気づいたんです。おばちゃんたちは10時に喫茶店で待ち合わせて、おしゃべりを楽しんで、12時になったら劇場に入って、公演の休憩でちょっと贅沢な1000円のお弁当食べて、見終わったら帰りに銀座で買い物して帰る。つまり、おばちゃんたちはそのエリアでパッケージされた一日を消費しているんです。」

Real Sound
ダイノジ大谷ノブ彦『俺のROCKLIFE』インタビュー(後編)
“体験をパッケージ”する発想をーーダイノジ大谷が提言する、これからの音楽サバイバル術


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『リサーチングマーケター』 スタイリーイノウエさんのブログ

2013年04月06日 | マーケティング話
僕にとって恩人であり、盟友(と勝手に思っている)スタイリーイノウエさんのブログは、超お薦めです。
facebook内の一部では、「井上A」がスタイリーさん、「井上B」が私ということになっていたりします(笑)。

定性調査を中心とした記事が中心ですが、
何よりもイノウエさんのリサーチ、マーケティングに対する基本姿勢は、
忘れてはならないコンセプトであると自分に言い聞かせております。

「不況の原因というのは、経済不安であるとか、消費意欲の低迷であるとか、様々なことが言われますが、人間の欲求というのはそれら全てを超越します。だからこそ、不況の後には好況が来るわけです。そして、その欲求を刺激するのは、新たな商品であり、サービスであるわけです。」
「つまり、不況だからモノが売れないのではなくて、欲しいモノやサービスがあまりないから不況が続くと考えるべきではないかと思うのです。」


『リサーチングマーケター™』が綴る、定性マーケティング徒然草

メーカー、IT企業、マーケティングリサーチ等の業界で、商品・事業企画、マーケティング戦略立案、定性調査・行動観察を行ってきた『リサーチングマーケター™』スタイリー・イノウエがマーケティングとリサーチへの想い、ノウハウを徒然なるままに綴ります。

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【興味深い記事】 クリスタラーの「中心地理論」が予言する秋葉原の儚い未来

2013年03月02日 | マーケティング話
とても興味深い記事だ。

超絶衰退する秋葉原――都市学者・クリスタラーの「中心地理論」が予言する秋葉原の儚い未来

ドイツの都市学者のヴァルター・クリスタラーが作った「中心地理論」、面白い!
「周縁」がいつのまにか「中心」化する。
行政による都市計画ではなく、
自然に業態が集積して発展してきた秋葉原。
これからどうなるのだろうか!?

*タイトル写真は『趣都の誕生』。
 2003年、当時の仕事の必要から読んだ名著。

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どうして「前年比」を超えないといけないんですか? 残響社長河野さん、日経ビジネス記事

2012年12月27日 | マーケティング話
さすが、河野さん。
僕がどうのこうのコメントするより、
日経ビジネスのこの記事、
読んでみてほしい。

<どうして「前年比」を超えないといけないんですか?
残響の売上高は凸凹です。それで何の問題もありません。>


2009年、河野さんの書籍と出会い、
この記事を書いたが、
その頃から全くぶれていない。
いや、益々研ぎ澄まされているようだ。

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「消費者行動研究」第18巻 第一・二号

2012年11月20日 | マーケティング話
今年はとうとう、JACSのカンファレンスに参加できなかった。
春(@関西学院大学)は日本代表のオマーン戦(@さいスタ)。
秋(@早稲田大学)は「ミュージックソムリエ・ベーシック養成講座」(@浜松町)。

ところで、標記の機関誌、面白かった。
東洋大学の久保田道彦先生の2論文。

「ブランド・リレーションシップの形成と持続」
「ブランド・リレーションシップ・マネジメントの戦略的課題」

今年3月5日の「第2回公開セミナー」でのご発表と同じ内容。
先月に読んだわけだが、JACS機関誌を1日で読んでしまったのは初めてのことだった。

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「製品」ではなく「文化」を売るという哲学-「GIANT」(台湾)の経営哲学

2012年08月24日 | マーケティング話
(今日は、先日、Facebookに書いた内容の加筆修正です)

世界最大の自転車メーカーに登りつめた台湾の「GIANT」。
とにかく、この記事を読んでほしい。
日本の誇るべき製造業のソニーやパナソニックの凋落、
ガラパゴス化した理由がよくわかる。
ちなみに私も、ママチャリを使っているが・・・。
(シマノ6段変速ギア付)

(以下引用。「彼」とは「GIANT」のカリスマ経営者、劉金標氏)
10〜20年単位でこだわり続けてマーケットをつかむ彼の執念は素晴らしいと感じました。

また、自転車業界をどうやって引っ張っていくかを常に考えていることから、「自転車界のゴッドファーザー」とも呼ばれています。彼は「自転車という機械ではなく、自転車という文化を売っている」と、ここ10年くらいずっと言い続けています。
(以上、太字部分は引用者)


十数年前、私は某経済研究所で、
日本の「スポーツサイクル市場規模」の数字を作っていた。

カテゴリーは大きく以下の三つ。

(1)マウンテンバイク(MTB)
(2)ロードレーサー
(3)BMX

オフロード用のMTBに街乗り用のタイヤを履かせたのが「クロスバイク」。
マウンテンバイクのカテゴリに入れていたが、
ライト層訴求による市場拡大のキーとなるバイクだ。
90年代、「メッセンジャー」という映画が上映され、
「瞬間風速」でMTBのブームも起きたのも思い出される。

小さな市場の中、
「スポーツサイクル」のカテゴリーに入れてたのは、
ぎりぎり「GIANT」までだった。
それより低価格のものは「ルック車」といって「偽物」。
それ入れちゃうと市場が数倍になってしまう・・・。
「偽物」はただ安いだけではなく危険だ。
例えば、折り畳み自転車(ホールディング・バイク)というのがある。
商店街の福引で当たったような「安物」だと、
走行途中で部品がとれるという事故の危険性もある。
事実、私の友人は安物のホールディング・バイクに乗っていて、
坂道を走行中、部品がとれ大怪我をした。

台湾の「GIANT」がこんな哲学で頑張ってたことは、
この記事を読むまで知らなかった。
数の少ないコア層(スポーツサイクル)と、
パイの大きいママチャリのような大衆車市場の分裂。
こういった「常態」にくさびを打って、
新市場を開拓する。
それは、「文化」を創るということだ。
損得勘定は必要だけど、
それだけじゃできないことだ。

私が関わっていた当時の業界は、
プロ仕様、つまりマニアックな市場に偏重していたように思う。
「世界の常識」は、ツール・ド・フランスで優勝した選手のバイク(ロードレーサーの場合)。
国内メーカーのマーケター達にとって、
「GIANT」も「偽物」の類、と考えている人達もいただろう。
「ユニクロ」を「ファッションではない」と決めたがる、
アパレル業界の一部の方々のように。
マウンテンバイク協会の方にお話を伺っても、
訴求策はアウトドア・イベントぐらい。
それも、お金の「出所」でメーカーさんに苦言を呈していたり。
(担当者の方々は、個人としては「いい人」だったけど・・・)
こういうのって、多くの業界で見られることなんだけどね・・・。

そして、当時、国内のスポーツサイクルメーカー(主に輸入商社)の人達が、
口を揃えて言っていたのはこういうこと。

「日本にはドイツのような自転車専用道路=インフラが整備されていない」
「つまり、自転車の文化がない」

それは事実であるが、、、

「日本にはロックの文化がない」
「欧米のように音楽が生活の中に溶け込んでいない」

という、どこかの業界人と同じだ。
そんな「業界」でもね、
じっくりやりゃ何とかなるって思う今日この頃だ。
もちろん、過去の「常識」なんて捨てての話だ。
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文学や音楽が必要なわけ (内田樹著『期間限定の思想』 より)

2012年08月14日 | マーケティング話
拙著『コンテンツを求める私たちの「欲望」』では、なぜ、腹の足しにもならん文学や音楽をはじめとするカルチャー、物語がわれわれに不可欠なのか?
ということについて、現実の生活におけるコミュニケーション(特に男女)の不可能性について述べた。
「不可能だから無理!」という話ではなく、
不可能じゃないか? と気づきつつも、「あるべき姿」を求めてあがいたりもがいたり悩んだり、それが人間の姿であり、フィクションの需要もあるのだ、と書いた。
漱石の小説の登場人物から、現代の識者の知見を引用させていただきながら。

それに関連する話題だが、内田樹『期間限定の思想』を読んでその核心のひとつ、それも深層的な仮説を見つけた。
われわれが欲する「物語」のうち、最もシェアが高いのは「恋愛」だろう。
「現実」には実現不能なものを、フィクションの世界での「昇華」に求めるわれわれ。
以下、引用させていただく。

(以下引用)
女性に対して限りない愛を注ぎながら、彼女からは十分に愛されていないと思い込んで苦しむ男、彼女を理解しようと全力を尽くしながら、ついにその理解が届かず呆然と立ち尽くす男。間違いなく女はそのような男をもっとも愛している。そのような男の苦しみを見ることから女性は無上の快楽を汲み出している。

「女の欲望」をなぜ男は構造的に見誤るのか。その理由はもうお分かり頂けただろう。
それは「女の欲望を男が構造的に見誤ること」をこそ女が欲望しているからである。だからこそ、女を心から愛する男は、女の望み通りに、もっとも重要な瞬間において、もののみごとに「女の欲望を見誤る」ことになるのである。

逆のケースを考えればすぐに分かる。次々と女を手玉にとって、何人もの女に愛される男というのがいる。なぜ、そんなことが可能なのか。それは彼が女たちを少しも愛していないからだ。愛していないから、彼は「女の欲望を見誤って欲しい」という女たちのもっとも深い欲望には眼も向けない。愛のない眼には曇りがない。だから彼には、女が何を望んでいるかがお見通しなのである。女の欲望を見誤らないのは、女を愛していない男だけなのだ。

(中略)男女の関係において、不幸であることこそが「常態」なのだという真理を受け入れたものだけが、ほんとうの幸福に触れるチャンスがある。

(角川文庫版72~74ページより)


拙著でその知見を大いに援用させて頂いた、黒川伊保子さんと同じこと言ってるね!
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橋本治 金言集 『ナインティーズ』 読書メモ (コメントなし) <第13回>

2012年08月12日 | マーケティング話
<第12回>より続く。

■共和制国家の破綻

まず、国家というのは、所詮“家族”ですね。家長をいただく家族が寄り集まって、国家を作る。集まった家長が代表を選び出すことをすれば、“近代的=民主的”だし、ある人間が家長達を呼び集めてその支配者になっちゃえば、“前近代的=非民主的”だという、そんだけの差ですね。
「国家は家族のアナロジーだ」というところからスタートして、“家族形式”とは縁を切った国家体制を作ろうとするのが共和制で、だいたいこれはうまく行かない。なぜかというと、それはせっかくの“友達同士”が、“家族”という伝統的なスタイルの中に収まってしまって、それに気がつけないでいるから。

家族というものはどこかで“管理”の様式を持たないとうまくいかないものです。でも友達にはそういう様式がない。「別にお前なんかに管理される理由なんかねーよ」と言えてしまうのが友達で、友達には、それを成り立たせる相互の感情(つまり“友情”ですね)だけがあって、それを仕切る“枠”がない。友達同士というのはなんにも生産しないし、ある意味では“公然と役立たずの集団”をやっていられる関係ですからね。

(中略)だから友達というのは、“結婚を前提としない恋人同士”のようなもんです。これは永遠に枠をはめられないし、ここにつまんない枠がはめられたら、友情は死ぬ。共和制国家の破綻は、この集団ルールに関して無知だった友情の破綻とおんなじで、結局のところ、友達夫婦の破綻とおんなじです。

(同書230~232ページより。太字部分は引用者)

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“hanna's Monday Blues” &“ソウルフードとレベルミュージック”(@青山CAY)

2012年08月05日 | マーケティング話
前回の6月19日に引き続き、8月2日(木)、青山CAYにてミュージックソムリエ協会主催のイベント。
今回は“hanna's Monday Blues” &“ソウルフードとレベルミュージック”だ。

ホルモン文化がポップスを育んだ!!アメリカの南部に焦点をおき、食文化と音楽の相関関係を文字通り耳と舌で味わっていただきたいと思います。 前売り予約をされた方には1dish(企画にちなんだ料理)付き。当日ご予約なしでお越しの方には先着順で1dishご提供させていただきます。

当日は二部構成とさせていただき、前半は上原善広氏を迎えてのトークショー、後半は若手ギタリストhannaが独自の解釈による、生きたブルースを発信するライヴイベント”hanna's Monday Blues”。今回は”テキサスブルース”をテーマに、唯一無二のブルースライヴをお届けします。
(ホームページより)

いつものように、ピーター・バラカンさんがホストとしてトークが進められた。
「レベルミュージック」とは、すごく単純化して云うと、
「社会や権力に抵抗する音楽」ということだ。
わかりやすい事例としては、ジャマイカ初のレゲエとか。
レゲエのラスタカラーってのは、
ジャマイカのある中南米じゃなくて、
アフリカということは有名だね。
黒人奴隷、移民・・・。
レゲエに限ることなく、世界中の音楽、いや、文化のルーツを探索するならば、
その多くが「レベル=反抗」とか「逃避」などの歴史に突き当たるのだ。

私の実家の父がたまにこう云う。
「ジャズなんてのは、アメリカの黒人が棒きれとかで金物を叩いて生まれたもんだ」
父の姉、つまり私の伯母にあたる人は、戦後間もない昭和20年代前半に逝去した。
御茶ノ水女子大出の才媛だったそうだ。
当時、米軍基地周辺のミュージシャンのマネジメントとかしていたらしい。
もし、生きてれば「ナベプロ」とか「ホリプロ」よりも早く、
日本にエンタティンメント企業を立ちあげてたかもしれないね(笑)。
そういう環境下だったので、クラシック好きだった父も、それなりにジャズのルーツとかの知識はあるようだ。

話をを戻そう。
この日のゲストは、ジャーナリストの上原善広氏
大阪の被差別のご出身だ。
日本でも世界でも、「文化」の深層を追求するなら、
「タブー」の問題とぶつからざるを得ない。
それを避けていては、わかるものもわからなくなるのだ。

「被差別地域で育った食文化(ソウルフード)と音楽」

この日は、刺激的かつ根源的なお話を聞くことができた。

われわれの生活に身近な「ケンタッキー・フライドチキン」。
これも元を辿れば、米国南部の被差別黒人の編み出した知恵だという。
骨も食べられる。
昔から、ケンタッキーのフライドチキンを食べるたび、
骨が軟らかく、いっそ食べてしまおうか? と思ったことが少なくない。
「な~るほど! 俺の感覚は間違ってなかったわけだ・・・」

ブラジルにも黒人奴隷の歴史があって、
逃亡奴隷たちが住んだ川沿いの湿地帯で作られた料理など興味深い。
それなりに魚介類が多く、栄養は偏っていたものの、筋骨隆々の男性が多いとか。
ちなみに、ブラジルでは今でも階層差別があり、
たとえば、欧州のクラブで数億円を稼ぐサッカー選手でも、
階層から自由になることはない、とのことだ。
サンバのカーニバルが熱狂的に行われるのは、
364日間は仕事で「眼が死んでる」生活を送り続け、
カーニバルの1日だけ「眼が輝く」とのこと。
「お祭り」の歴史ってどこも同じだね。

フセイン政権が崩壊して久しいイラクでは今でも内戦状態が続いている。
昔、「世界の警察」と言われた“強迫神経症”国家の“介入”による泥沼化。
フセインは、ジプシーなど少数民族をとても大切に保護したそうだ。
もちろん、クルド族のように反抗する民族には、毒ガス兵器を駆使してまでも徹底的に弾圧はしたが。
少数民族を定住化させたのは、対イラク戦争での「徴兵」の必要など実利的な理由もあったが、それでも彼らにしてみればフセインへの忠誠心が高まったのは当然だろう。
ジプシーの集落では、現地住民からの投石を防ぐためのフェンスまで設置したという。
そして、フセイン政権崩壊後、ジプシーたちは再び、周辺住民たちからの迫害を受け始めたという。
それで、今でもイラクの現政権に対する報復の連鎖が続いているわけだ。

普段のマスコミではこんな報道はされない。
これも、「差別と被差別」という構造を知らねば、理解できない事実なのだ。

日本でも「差別」の構造は完全には解消されてはいない。
「タブー」も厳然として存在する。
優秀なジャーナリスト、文化人である上原氏も決してテレビ出演の依頼はないそうだ。
スポンサー企業と広告代理店の問題だね。
メディアの規模が大きくなるほど「規制」は強くなる。
色んな人が色んなことを言ってくるから。

あと、上原さんのお話で興味深かったのは、
江戸時代まで「(えた)」と「()」の差別構造があったという話。
「」は現在でいうところの皮革産業に携わってきた人達で世襲。
「」は、心中事件の方われ者など流動的な身分。
江戸時代のある時期まで、「」は「」の上位階層だったという。

それが「」側の反抗(裁判?)があって、「」が勝ったそうだ。
言うまでもなく、「歌舞伎」役者(河原乞食)は江戸時代までは「」だった。

歌舞伎の舞台で今でも、
客が「よっ! ○○屋!」とはやし立てるのは、
役者が「」の階層を脱して「屋号」を持つようになったことを祝うため。
はやし立てる客は、もちろん「サクラ」だ。

また、「」「」の差別構造はチベットにその源流があるという。

今、こうして文章を書いていても、
「」「」と打ち込んでも漢字変換されない(苦笑)。
「差別用語」なので当然といえば当然だろうが、これも「タブー」だ。
しかし、「タブー」から離れてばかりいたら、
今、私が書いているような「文化のルーツ」を語ることは不可能なのだ。

もっと希薄だけどわかりやすい話をすることこうなる。
「タブー」じゃないけど。
日常生活で君達が何気に穿いているいる「ジーンズ」。
(私は約30年、「ブルージーンズ」は穿いていない)
誰でも知ってると思うけど、米国のワークウェアだよね。
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シンポジウムの後は、24歳のブルーズギタリストhanna のライブだ。


演奏の途中から、私は控室で当日の料理を食させていただいた。
これが実にうまい!!!
本来は、そのままでは食べられないような料理を、
現代のわれわれが美味しく食べられるように調理されたからだ。

演奏が進むにつれて、だんだん音が大きくなってるぞ? と。
演奏されているのはゴキゲンなブルーズナンバーのカバーだ。
料理をいただいた後、ステージを観たら、
Female ギタリストなど参加メンバーが増えていたのだった。


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橋本治 金言集 『ナインティーズ』 読書メモ (コメントなし) <第12回>

2012年08月02日 | マーケティング話
<第11回>より続く。

■“日本教”とは

“日本教”という言葉もありますが、日本人は制度というものに一切を委ねて、自分というものの根拠を自分の中に見ることをしなかった。その点で、日本は完全な宗教社会です。ただ、この日本には“神”がいない。江戸時代の“宗教改革”で、日本は完全に“神”という概念を払拭した世俗の社会としての完成を見ちゃったけれども、そこにはまだ、“強い個”というものがいなかった。「明治維新をになったものはなんだ?」という問いもあるかもしれないけど、「あれは単に“強情な青年達”だった」と言った方がいいと思います。

日本人は、徳川幕府による上からの“宗教改革”の結果、多分、神と格闘するだけの力を持てなくなったんです。それでなければ、明治になって国家神道というものが創造された時に、ああも平然と多くの日本人達が巻き込まれて行ったことは理解できない。日本の場合、近世の初頭に宗教改革があって、近代になってから宗教支配という逆行が改めて起るんですから。

神という絶対者を持つ宗教的な支配は、日本の場合「主君を戴く武士の忠義」という世俗のものに解消されて、一般市民=町人には、神との葛藤がなかった。なくて、それが分からなくて、そのまんま国家神道が支配するファシズムの中に巻き込まれて行って、そしてそれが“他人”の手によって解除される。敗戦でやって来たアメリカ軍がファシズム体制を排除しちゃったもんだから、日本人は分からないまんまの“免疫なし”なんですね-きっと。

(同書190~191ページより。太字部分は引用者)

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橋本治 金言集 『ナインティーズ』 読書メモ (コメントなし) <第11回>

2012年08月01日 | マーケティング話
実はまだ終わっていなかった。
結構、「文化」の核心部分に入っていく気配。
<第10回>より続く。

■「大和撫子」って何だ?

マザコンであることが正しい男の性行動として組み立てられた社会で、“母親”というものは、勿論一つの“制度”です。日本の女は正しく“母”となるように位置づけられ、そのあり方を称える言葉として「大和撫子はあったわけです。かつて、「日本の女は世界一」と言われ、その配偶者たる「日本の男」はまったく問題にはされず、かえって「日本の男は世界一魅力がない」なんてことを言われた-これは今でも同じかもしれません。

女が魅力的で男が魅力なしという理由は至って簡単で、それを外から見る人間になにが魅力的に見えるのかということになったら、それは「そういう魅力的なものが存在する制度」です。魅力的なのは、女をそういう制度的な存在にしてしまった“かつての男達が作り上げた制度”で、別に現在の男ではない。かつての日本の魅力は、日本という国の制度の産物で、だからそれは、日本のハイテク技術は世界一であっても、それを生み出す日本の会社男達にはなんの魅力もないというのとおんなじなんです。

「大和撫子」は日本文化が生み出した最高の商品ですが、「そういう自分はどうも人間ではないらしい」ということに気づいた段階で、日本の女達は「大和撫子」をやめてしまった。日本の男社会の混乱はそこから生まれるんですが、「男という制度は女という制度によって支えられる」が日本の両性調和の真実だったんですから、こんなことは当然です。当然ですが、こんなことは誰も指摘しないので誰も知りません。だから若い男の子達は、古くからの日本的伝統にのっとって「女を乗りこなせないと男として失格してしまう」と焦り、女に振り回されることを人生の基本態度として了承してしまったのです。

(同書188~189ページより)

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