だからちがうんだってば.

ブログ人から引っ越しました

Yellowknife (1)

2008-12-29 22:20:00 | Canada

「オーロラなんて見たがるのは日本人くらいだ.天気がよければエドモントンでも見られるよ」と受け入れ教授から言われてはいるのですが,カナダまで来たんだし日本人なんだし,ということで,日本からつ魔が来た機会を利用して,オーロラ(aurora, northern lights)を見物に出かけました.アルバータ州内でも産油地として有名なフォートマクマレイ(Fort McMurray)もオーロラを見ることのできる土地として知られるようになっているようですが,今回の行き先は本格的に(?),北部準州の1つ,ノースウェスト準州の州都,イエローナイフ(Yellowknife)です.準州(territory)は州(province)とは違うのかとかいう難しい問題はカナダで学位をとられた地方財政の先生に聞いていただくとして,イエローナイフは北緯62度,北極圏の南512kmに位置し,人口は約2万人の小さな都市です.州都でこの人口ですから,ノースウェスト準州の人口密度の低さは驚くばかりで,無人の永久凍土が広がる中にちらほらと先住民が住んでいるという状況のようです.イエローナイフはかつては金鉱の町でした(2004年に最後の金鉱が閉山)が,1991年に町の北300kmの地点でダイヤモンド鉱山が発見されてからは「クリスタルの町」として知られており,近くデビアス社が操業を開始するそうです.オーロラベルトの真下に位置し,晴天率が高いことからオーロラの町としても人気が高い,と「歩き方」に書いてました.ついでにWikipediaを見ていたら,「ラストクリスマス」で日本人への知名度が上がったんですって.ふーん.矢田亜希子ですかー.

さて.エドモントンからイエローナイフにはいくつか直行便も飛んでいるのですが,時間と費用について検討した結果,行きはカルガリー経由で行くことにしました.エドモントン国際空港では,キングストンに行くときにえらい待たされた記憶があるので早めに行ったのですが,こういうときに限ってちゃんと進めてくれました.26日には西部の雪と雨でバンクーバー発着の航空便が乱れに乱れたのですが,その影響も収まっていたようで,カルガリー空港の乗換えでばたばたしたのを除けば順調にイエローナイフに到着しました.

今回お世話になったのは,オーロラビレッジという業者さんで,あとから聞いたところによると社長さんはこちらの先住民の方らしいのですが,僕らが接したのは全員が日本人で,客もほとんどすべて日本人でした.すごい.英語要らないですねこりゃ.さて,イエローナイフ空港には午後2時ごろ着きましたが,すでに日は低く,寒波の影響で気温はマイナス40度になんなんというところでした.だいたい日の出が午後9時半,日の入りが午後3時半なので,ぼーっとしていると日没になっていました.知ってはいたけど,というところですね.空港から宿(B&B)に連れていってもらいました.今回の宿はEmbleton houseで,オーロラビレッジとも仲良しみたいです.オーロラ見物というのは夜のイベントなので,午後8時くらいに出発して午前1時か2時に帰ってくるので,B&Bだとなおさら理解ないとダメよねえ,と思います.このEmbleton houseのオーナー夫妻はえらい親日家でみょうな日本語を口走ったりする(お茶のことを「Kato」と言ったりはしません.)親切な人でした.部屋はbasementというやつで,オーロラ見物のスケジュールを考慮してか,朝ごはんは自由にということでした.晩ごはんは出ないので,とりあえずスーパーに出かけてみましたが,数ブロック歩くだけで寒さに耐えられなくなるところでした.こりゃ防寒着を貸してくれるわけです.

さて,午後8時過ぎにオーロラ見物ツアーのお迎えのバスが来て,市内から30分ほどのところにある,オーロラビレッジが所有する(?)オーロラ鑑賞などの施設に移動します(これです).Google mapで探したんですけどよくわかりませんでした.ま,私有地ですし.移動はオレンジ色のスクールバスなんですけど,着いてみたらこのバスが4台くらいあって,日本人ばかり総勢100人くらいがうろうろしていました.すごいね.着いたあとは最初に施設の案内を受けてからは0時20分の再集合までは自由時間です.オーロラが出れば外で眺めるし,出ていなければティーピー()と呼ばれるテントみたいなもののなかでじっとしているか,食堂に行って夜食をもらうか(この日はバッファローのスープだったかな),どうにも天気が悪ければイベントが企画されるのでそれを見るか(凍ったバナナで釘を打つとか),といったところです.われわれは小さな宿に泊まっていたからかどうか,小さなティーピーに案内されました,数人はいれば満員といったところで,ソファーに毛皮がどーんと敷いてあります.薪ストーブがおいてあるのですが,このティーピー,キャンパス地で周りを囲っただけのシロモノなので,あったかくてほっとするというほどではありません.でもお湯が沸いていてココアやコーヒーが楽しめるのでなかなかよくできてはいます.

行くまでぜんぜん気にしていなかったのですが,オーロラを撮影しようとする人はけっこういるみたいでした.ぼくもデジカメを持っていたのでひょっとして写るんじゃないかと思って夜景モードで撮ろうとしてみましたが無理でした.あと,寒いので電池が切れやすいのと,戸外からティーピー内に持ち込んだときに固まって(結露して?)エラーが出るのには注意が必要でした.もらったパンフレットに「撮影方法」がいろいろ書いてあったのはこのためなのねー.で,この日のオーロラですが,オーロラビレッジの速報によると,オーロラレベルは5段階の3だったそうです.ふーむ.

ということで,オーロラビレッジさんの写真を拝借.

写真だとえらく緑色に見えますが,肉眼だとそんなに緑がかってないです.もっとぼんやりしてますし,下のほうの森とかは真っ暗でほとんどみえないです.ぼやーっとしててきれいというか不思議なものでした.あと,ずーっと出ているというものでもなく,ときどきふらーっと出ては消えたり,うすぼんやりのこったりします.

(おまけ)「お茶のことを「Kato」と言ったり」は,尊敬するヤマグチ先輩にその昔教えてもらったジョークです.英語でお茶の話になるたびに思い出します.