つらつらちょこちょこと読みつづけていた与謝野晶子版源氏物語を読み終えました.長かった.
光源氏の恋の遍歴物語とか平安貴族の美意識が現れた物語とか言われる長編小説ですが,えーとまあそんなもんなのかしら,という感じです.与謝野晶子も最後に書いてますが,確かに宇治十帖はやや作風が違うかもしれません.それはそれとしても,平成の世に与謝野版を読むのは少しつらいかも.というのも,「艶な」「貴女らしい」といった形容詞がよく出てきますし,「消息」「おもしろい」といった単語は古語の意味でそのまま使われていて,ちょっと考えないとよくわからんところがちょくちょくあります.たしか敬語の種類で主語を暗示している書き方を原文が取っていて,しかも一文がだらだら長かったりするので,読みにくい箇所もあります.そんなもんだと思えばそんなもんですが.
しかしまあ平安貴族というのはよく泣いて袖や枕を濡らしますね.またしょっちゅう夜明けまで起きてるんですが,いつ寝てるんでしょうか.わりと政権中枢部の高官が多いのですけど,政務とか取ってるのでしょうか.恋愛結婚事情社会風俗というのも変われば変わるものですねえ.