折りしも,10月初旬に中秋の名月を迎えるということで,中国は月餅のシーズンです.泊まっているホテルにも月餅用のワゴンが用意されていて,興味しんしんで近づいてみたら,月餅のチケットとの交換所で,「月餅の予約は終了いたしました」とのことでした.そんなに盛り上がるとは迂闊にも知らなかったのですが,これはひとつ買ってみるべきだろう,と思って午前10時前から淮海中路の西側をうろうろしてみました.なんですが,どの店も開いておらず,買うことができませんでした.むむむ,と思いつつうろうろしていると,軽く雨にも降られてしまい,軽く落ち込みました.がっかりして地下にはいってみたところ,どこかで見たような看板を発見.
日系のコンビニで,ドアがあって囲まれているというよりはコーナーに棚を置いた感じでしたが,見慣れた感じの棚や冷蔵庫が並んでいました.BGMはSMAPの「Dear Woman」でした.ここでも日本語か.遠目には売っているものも似ているようですが,ちゃんと月餅も売ってみました.すばらしい.1個5~8.5元ほどで,上海でも評判の高い杏花楼の月餅の個別パックが手に入りました.
月餅といえば,餡がむぎゅっと詰められていて重いお菓子ですが,いくつか種類があります.興味深いのは,ゆで卵の卵黄みたいなものがそのまんま入っているもの(月の象徴らしいです)や,青海苔などがはいった甘くないものです.どっちにしても重いのですけど.
淮海中路のあたりから上海浦東空港へは公共交通機関を乗り継いでいくことにしました.市内西側の龍陽路から浦東空港まではリニアモーターカーが走っているので,これに乗るために地下鉄を乗り継いでまずは龍陽路駅に向かいます.上海の地下鉄のチケットはICカードを繰り返し利用することになっていて,チケット売り場で路線と駅を選んでお金を投入すると,SUICAくらいの厚みのあるカードがぽろんと出てきます.これを自動改札のセンサにかざすと入場できます.このカードは出場するときに自動改札に投入して回収されます.数年前に来たときはこうだったっけ?と思ったり.地下鉄中心部の駅には,プラットホームと線路の間に透明な壁があって,安全が確保されています(東京メトロ南北線みたい).車両はメトロのものよりも少し狭いかもしれません.乗り換えも簡単でした.
龍陽路駅でマグレブに乗り換えます.このリニアモーターカーは龍陽路駅と浦東空港間の約30kmを8分で結んでおり,途中に駅はありません.昼間は2組(?)が,15分間隔で運行しています.なんてことはなくて,8分走って7分休む,というのを繰り返しているわけです.料金は片道50元(約800円)です.地下鉄が4元だったので,タクシーの3分の1ちょいで,しかも時間が読めるということになります.すばらしい.発車ベルがなるわけでもないので,定刻になるとするすると動きだし,すぐに時速310kmに達し,そのままのスピードを維持します.ほとんど音もせず,風を切る音ばかりがします.興奮して乗り込んだものの,滑るように走っていくので,なんだか拍子抜けしてしまい,おやおやと思っているうちに航空機の姿が遠目に見え,おやおやと思っているうちに浦東空港に到着です.おやおや.
浦東空港はぴかぴかとした空港で,どうということもなくゲートに到着してしまい,ひまだったので免税店をうろうろしました.ここのおねえさんたちも日本語に堪能で,月餅をいろいろ勧めてくれましたが,どうにも小さめで,いまひとつ惹かれませんでした.おやおや.