だからちがうんだってば.

ブログ人から引っ越しました

解けないわけだ.

2006-10-30 20:21:14 | 生活
労働所得がもたらす課税の歪みを測ってみましょう,というのをしみじみ続けているわけですが,労働供給が賃金に影響を受ける,というときには,extensive marginとintensive marginというのがあって,それが重要ですよ,というのはなんだかコンセンサスがあるようなのですよ.労働供給ゼロのところで供給関数がジャンプするわけですが,原因としては労働供給に伴う固定費用の存在というのが考えられるところで,では固定費用も明示的に考えて推定しましょう,というのも行われてきたわけです.線形の労働供給関数を設定して,固定費用を入れてやると,場合分けがやたら多くなるのですがそこらへんがまんすればなんとかなるでしょー,と思っていたら,そういうことをやってる論文のなかに「ここの式にはclosed formの解が存在しないので数値計算が必要だ」と書いてあって,「いやまあ計算がめんどうなのはStataくんがやってくれるし.ってか,closed formの解は存在するんじゃ?」とか思っていたところ,ぼくの勘違いでやっぱりclosed formで書けないことがわかりました.うーん.こりゃいかん.どうしよう.やっぱりStataくんだけで実証しようと思ったのが間違いだったのかなあ.

ということで,大幅な路線変更が必要かもー,と悩んでいるところですが,ええっと授業の準備もあるんじゃなかったっけ?

Bourguignon, Francois and Thierry Magnac. 1990. Labor supply and taxation in France. Journal of Human Resources 25, 358-389.
van Soest, Arthur. 1995. Structural models of family labor supply: A discrete choice approach. Journal of Human Resources 30, 63-88.