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ロクさん

2010年05月06日 | Weblog
“ロクさん”という愛称で親しまれていた六郎さんが亡くなった。

ロクさんはうちの会社の恩人でした。
親父が若い頃に立ち上げた会社を、会計士という立場でずっと支えてくれた人です。
いや、会計士という枠を大きく飛び越えて助けてくれたと思います。

小学生の時から知っていましたが、ロクさんの凄さを感じ始めたのは高校生ぐらいに
なってからだと思います。
それから僕も大きくなって、年を重ねれば重ねるほどロクさんの存在感というものを
大きく感じるようになりました。

当時住んでいた家に、決まって夕方6時頃にビールを持ってやって来ました。
ロクさんはキリンの“ラガービール”しか飲みません。
タバコはハイライト。
ロクさんのラガー好きは有名で、どこのお客さんのところに行っても必ずラガービール
が用意されていたそうです。

ロクさんのご長男が挨拶の中で、
「朝9時にお客さんのところに行くとラガービールが用意されていると聞いて、いったい
 親父はどんな仕事をしているんだろう?と思ったことがありました」と話していました。

うちに夕方にやって来るのは、TVで野球観戦をしながら仕事の話をするためです。
親父も僕も野球好きでケーブルTVでいろんな試合を観れるようにしていたからです。
ロクさんは、松坂がデビューした年は松坂が登板する日は必ず見に来ました。

ロクさんも野球が大好きで、高校野球、大学野球、プロ野球、メジャーリーグと話だすと
尽きないものでした。
どの選手は○○高校出身でどうだったとか、何年の甲子園のあの試合がどうだったとか、
あの時の早慶戦はどうだったとか、その記憶力といったら圧倒されるほどでした。

仕事柄、世の中の動きに敏感で、とても頭の切れる人でした。
大胆で緻密、そして博識、どんな質問をしてもちゃんと納得する答えを出してくれるのが
ロクさんでした。

僕も今までいろんな人と出会ってきましたが、ロクさんほどの人物を超える人はいません。
どこがどう凄いのかを説明するのは難しいのですが、いろんな意味で大きい人でした。

いつもは態度のデカい親父でさえ、ロクさんの前では小さく見えました。
親父にビシッと言えたのはロクさんだけだったかも知れません。

ロクさんは生前「自分の葬式は花いっぱいに囲まれて、ドンチャン騒ぎで盛大にやって、
棺おけからひょっこり顔を出して驚かしてやるんだ」ってよく言ってました。

昨日のお通夜、そして今日の告別式に行きましたが、ロクさんは眠ったままでした。

ロクさんの訃報を聞いた時、お袋と「親父はビックリしてんじゃないかなぁ、いつもの口調
でニヤニヤしながら、どうしたのロクさん?なんて言ってるよ」と話していたのです。

ロクさんはうちの親父がガンで入院している時も、元気じゃない親父に会いたくないとの
ことでお見舞いには来なかったのです。
それは僕も同じで病に伏したロクさんは見たくなかったから会いに行きませんでした。
親父の葬儀の時に会ったのが最後でした。

去年親父が逝って、その1年後にロクさんが亡くなるとは・・・。
僕の中ではまさに“巨星落つ”です。

うちの会社のようにお世話になった社長さんたちはいっぱいいたと思います。
昨日今日の葬儀の人の多さがそれを物語っていました。

ロクさんはうちの親父より1つだけ年上と思っていたら、生まれた年は昭和22年で同じ
ということでした。
ロクさんは早生まれだったから学年が1つ上だったんですね。

ロクさん享年63才。

最後の最後に“63ロクサン”なんて洒落たとこもロクさんぽいなぁって思いました。


あの世から親父と一緒に見守ってて欲しいです。
本当に感謝してもしきれないぐらいの人。


合掌




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