今シーズンの開幕戦。
天候にも恵まれ、完全なる野球日和。
朝8時集合も、みんな清々しい顔をして集合。
この日を待ちわびていたような感じでした。
相手は「侍」という未知なる若いチーム。
我がホープスは、初回からいきなりの得点でイケイケムード。
僕はこの日、6番ショートでのスタメン。
いきなり初回から打席が回ってきました、しかも満塁。
相手投手は乱調で、四球四球の連発。
僕も心の中で「歩かされるだろうなぁ、立ってよ」という気持ちでした。
ところが外角の完全なボール球を2度もストライクコールされ、「???そりゃねーだろー」と。
簡単に追い込まれた上に外角のボール球にも手を出していかなくてはならない状態に。
で、4球目。
やっぱり外角のボール球にバットを合わせ、ライトの前にフラフラと落ちるポテンヒット!
「よしよし、開幕戦の初打席でいきなりのタイムリーで幸先いいぞ!」と思い、ヒットを打ったら
やると決めていた“ハンサムポーズ”を♪
この知る人ぞ知る“ハンサムポーズ”は、K-DOJOのハンサムJOEというレスラーがやる
ポーズで、うちのチームでは一緒にプロレス観戦に行くS君しか知りません。
そのS君に向かってやったら笑ってました。
で、ナント!このポーズをベンチで撮影担当の監督がしっかりと撮ってまして(笑)
いやいや笑ってしまいましたが、ナイスショットです♪
で、初回一気に6点取りまして、その後も加点して計8点の楽勝ムードだったんですよ。
ところがところが、気が緩んで油断したのかは分かりませんが、途中4点を献上。
まぁ、それでもまだ4点あるわけですよ。
そのまま最終回。
簡単にアウト1つ取りまして、もう勝ったなっていうところから、またまたエラー絡みで・・・。
僕もこの回、傷口を大きく広げるタイムリーエラー(トンネル)を犯してしまって、何とか凌ぎたい
という思いでした。
「ツーアウトまできた、何とかしよう!何とかしてくれ!」
が、その思いも空しく、またエラーが絡んで同点に追いつかれちゃったんです。
盛り上がるのは相手ベンチ。
蒼白なのは我がチーム。
何とか同点止まりで抑えて我がチームの最終回。
1死1,3塁サヨナラのチャンスを作るも後続が続かず、結局延長戦へ。
この延長戦のルールというのが“サドンデス”と言いまして、お互い1死満塁から始めるんです。
これが実にシビレるんですよー!
1点の重みがね。
で、いきなりレフト前にタイムリーを打たれ2点献上。
チーム全体に暗雲が漂いますが、何とか後続を凌いで2点止まりに。
「2点なら、うちは4番からだから何とかなる」と思っていました。
で、2点ビハインドの最終回。
その4番・・・。
セカンド後方のフライ。
コレ、上がった時点でインフィールドフライと言って打者アウトなのですが、審判気付かず、
おまけに相手もエラーをして転がり込んできた1点。
しかもまだ満塁、押せ押せムードです。
5番のY君は、この日3四球。
「いい球しか振らないから」と僕に言い残し打席へ。
僕は「Yでまずは同点だな、よっしゃ!よっしゃ!」と思っていました。
ところがところが、簡単に打ち上げてファーストフライに・・・。
「おいおい・・・」
ベンチ、チーム全体が沈みましたよ。
絶好のチャンスが一転、崖っぷちに立たされたわけですから。
この崖っぷちで僕の打席です。
打席に向かう時に心の中でつぶやいたのが、
「ヒーローになりたい、ヒーローになりたい、ヒーローになりたい」でした。
このセリフ。
実は新庄が日本に帰って来た1年目で言ったんですよ。
プロ野球初のストライキ明けの試合で、あれは9回同点の場面でした。
1死満塁で代打オバンドーが簡単に三振して新庄に打席が回ってきたんです。
その時の心境がこのセリフで。
結果、サヨナラ満塁ホームラン!
と思いきや、1,2塁間で田中幸雄を追い越してホームランは取り消しというオマケ付きの
あの試合を僕は思い出したんです。
まぁ、思い出しただけで心の底からそんなことを思ってはいませんでしたよ(苦笑)
本当の僕の心境は、「打てば勝ち、打てなきゃ負け。トンネルした分を取り返す。」
この気持ちだけでした。
別にヒーロー云々は関係なかったです。
で、その初球!
僕の中にもまだ甘い考えがあって「乱れてるからフォアボールもあるな、見ていこう」と
見逃したんです。
そしたら、真ん中やや外よりの絶好球がきましてねー、内心「アチャー、今のいけたなー」
って思いました。
ただ逆にこれで冷静になれたんですよね。
球の速さはちょうどいい打ちごろ。
この球ならバットの芯に乗せればOK。
何故か内野のポジションをじっくり見回す余裕もあって、この時に「ピッチャー返しでいい」
と思い、「真っ直ぐ一本、打てるな」と妙に落ち着いて気合いが入ってました。
続く2球目。
サインの交換がちょっと長く、ピッチャーは首を振って真っ直ぐを。
これがかなり高めに浮いてボール。
球の速さ、軌道が初球とまったく一緒。
「いける!」
そして運命の3球目!
ど真ん中をフルスイング!
打った瞬間手応えあり!
打球はどこ行ったか見ませんでした(左中間抜けたと思ってたらレフトの上だったそうです)
で、サヨナラのランナーが帰るのを見て、ガッツポーズ!!!
チームメイトから祝福のハイタッチ!
ヤッタぜー!!!
いやね、これ打ててホッとしましたよ。
やっぱり最終回にトンネルやってるんでね、あの時内心「トンネルやるかも」って思ってホントに
やっちゃった自分も馬鹿なんですけど、それまで自分としては開幕戦ということで身体も
動いてたし、割といいプレーもしてたんで、あのトンネルは引きずりましたよね、正直。
やっぱり勝ち試合を落とすわけにはいかなかったんで、ホントに打てて良かったです。
ホッとしました。
普通ああいう流れだと負けてもおかしくないんですけど、うちのチームは1イニング限定の
集中力みたいなのがあって、それで今まで数々の劇的な試合を演出してきました。
まぁ、自業自得なんですがね(苦笑)
そんなわけで別に自分がヒーローってわけじゃなく、まぁ、エラーとサヨナラ打で“行って来い”
ってトコでしょう。
いや待てよ。
おいしい場面持ってったから、やっぱヒーローってことにしとくかな(笑)