前にも書いたかも知れませんが、僕は23才の時から約3年間ぐらい小野寺さんの
付き人をしていました。
丸々ずっと付いていたわけではなく、小野寺さんが芝居に出演する時は基本的に
僕でした。
あとは小野寺さんが出ていたドラマに一緒に出させてもらったりした時は楽屋に挨拶
に行ったりでした。
好きで小野寺さんの付き人になったわけではなく、入った事務所に小野寺さんがいた
ということです。縁ですね。
けれどその縁が今でもこうして続いていることは、小野寺さんにとても感謝なのです。
今年もいろいろと多くの芝居仲間からお芝居のDMをもらいます。
けれども全てお断りしていました。
それは自分がいま社長としてのルーキーイヤーであるということが大きいのですが、
芝居を観て“変な気”が起きたら困るというのもあるのです。
“変な気”というのはもちろん「芝居やりたいなぁ~」ということです(苦笑)
今さら役者として売れたいとかそんなことではなく、純粋に演技を楽しむということを
またやりたいと、どこかで思っている自分がいるのです。
けれど今はそれを封印なのです。15年ぐらいは封印するつもりなのです。
で、小野寺さんのお芝居に今回何故行ったのかと言うと、それは付き人時代にお世話
になった義理もありますが、頂いた芝居のDM、手紙の文面がとても良かったのです。
普通、芝居のDMというのは同じ文面のものを何枚もコピーして、下の方のスペースに
一筆書いて送ってきます。僕もそうしてました。
けど最近は一筆さえもなく、メールだけで案内を送ってくる人が多々います。
芝居やるならチラシを作るんだから、ましてや観に来て欲しいのならチラシぐらい送って
来いよ、となります。
最低限、チラシからの情報を得て、行くか行かないかを決めたりするわけですからね。
小野寺さんは違いました。
最初から最後まで僕だけに宛てて書いてくれていました。
「社長業はどうですか?人の上に立つというのは中々大変ですよね?」
こういうふうに書いてくれる人は小野寺さん以外にいません。
封筒の住所もすべて手書きです。
「小野寺さんらしいなぁ~」と思って大切に机の中にしまってあります。
小野寺さんは終演後、大きい劇場だと楽屋で、小さい劇場だと客席でファンサービスを
します。
昔ながらのファンの方たちが来てくれますから、付き人はそのフォローをしなくてはなり
ません。シャッターを押したり、黒マジックを用意したりです。
今回もファンの方たちがいらしてましたから、僕は最後でいいやと思って一番後ろの客席
でその光景を懐かしいなぁ~と思いながら待っていました。
しばらくすると、小野寺さんは今のお付きの人に「内田くんは?」と言って気にかけてくれ
てましてね。作業着のままだったから分からなかったかも知れません。
「雰囲気変わったんじゃないか?」と言われました。
どんなふうに変わったんでしょうかね(笑)
ファンの人たちとまだ写真も撮り終わっていないのに僕のことを気にかけてくれまして。
小野寺さんはいい人だなぁ~って改めて思いました。
少しだけ立ち話をして、今回僕からサインをお願いするというのは初めてだったんですけど、
小野寺さんの付き人時代の気持ちを忘れないようにと思ったのと、小野寺さんに叱咤激励
してもらいたいという気持ちがあって、サインをお願いしました。
会社の事務所の僕の机から見える場所に飾りました。
それと会社のみんなにお土産ということで、ポスターにもサインしてもらいました。
芝居の世界に飛び込んだとき、まさか自分が誰かの付き人をやるなんて考えてもいません
でした。
けれど、付き人を経験して良かったと当時から思っています。
それも小野寺昭の付き人で良かったなぁ~と、常々思ってました。
今回また、小野寺さんのお人柄に触れ、その想いが強くなりました。
小野寺さん手作りのホームページは
こちら。