任せる技術―わかっているようでわかっていないチームリーダーのきほん [単行本(ソフトカバー)]
小倉 広 (著)
場所:江東区図書館
小倉さんの本は2冊目?、テースト合う。
以下、メモ。
●<P.99>阪急東宝グループの創始者である小林一三氏の言葉に次のようなモノがある。
「もしも下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
さすれば、誰も君を下足番にはしておかぬ」
★下足番がばっちりできたからといって必ずしもその上にいけるとは限らないが、少なくとも下足番すらきちんとできないやつにその上のチャンスはない。
●<P.101>「この仕事、頼むよ。時間がないけど明日までに仕上げてくれない?」
上司からこう無理難題を頼まれた時に、部下は上司の依頼の正当性を疑ってしまうのだ。
「いきなり今日頼んで明日の締め切りはひどすぎる。その他にやらなければならない仕事がたくさんあるのに。この上司は私の立場を何も考えていないのではないか?」
そんなふうに感じてしまうかもしれない。しかし、彼はそれを言葉にしない。ただおとなしく「わかりました…」と、黙ってのみ込んでしまうのだ。
しかし、もしも逆に部下とあなたが強い信頼関係で結ばれていたとしたら、同じ言葉をかけられても部下はまったく違う受け取り方をすることだろう。
「あまり時間がないようだな。きっと、やむにやまれぬ事情があるのだろう。厳しいスケジュールだが頑張ってみよう。絶対にムリな仕事を上司が頼んでくるはずがない」
●<P.103>この考え方を逆手に取れば、誰に仕事を任せればうまくいくかがよくわかるはずだ。そう、能力がある部下に任せるのではなく、信頼関係ができている部下に任せる方がうまくいく。そう理解してもらえばいいだろう。
★信頼関係。
上司として部下から信頼される。
部下として上司から信頼される。
こうなればお互いに最強。
こうならなければお互いに不幸。
どちらかがということではない。
互いに互いの信頼を勝ち得るにはどうするか、それが考えられるようなチームを作りたい。
●<P.108>任せる、と言いながら、任せずに手足のように部下を使う。僕と同じ間違いをしている管理職はたくさんいる。しかし、それでは任せたことにならない。つまりは、部下が育つこともない。任せる、と覚悟したならば、本当に任せなくてはならないのだ。そのためには大きな覚悟をしなければならない。
その覚悟とは以下のようなものだ。
任せた以上は、自分と違うやり方を許容しなくてはならない。
「オレだったらこうするのに…」
「そのやり方をすると後で必ず問題が起きるぞ。あー、やっちゃった…」
そう思ったとしても、部下のやり方に異を唱えてはいけないのだ。失敗することも含めて部下に経験させなくてはならない。それが本当の意味での任せる、ということなのだ。
●<P.110>人材育成もそれと同じこと。部下を育てる、という果実を手にするためには欲張らないことだ。手に入れたい結果だけは妥協せずゴールは譲らない。しかし、ゴールに到達するためのプロセス、つまりやり方は部下に任せるのだ。
何かをてにするためには何かを失わなければならない。部下を自分のコピーにしようとしてはならない。部下には部下なりのやり方でゴールを目指させてあげなければならないのだ。
★自戒を込めてメモ。
任せる以上は、介入してはダメ、たとえ失敗しようとも。
とすれば、失敗を許容できるレベルで任せる、ということか。
全部任せるのではなく、その時点であればまだまだ巻き返しができるというところにマイルストンを設定して、ここまでは任せてみる。
なんか、落ちた。
●<P.111>そうは言ってもあなたは部下の上司であることに変わりはない。そしてその業務において豊富な経験とノウハウを持っているのも間違いない。その資産をまったく活かさないのも考え物だ。失敗することが100%確実に見えているのに黙って見過ごすのもおかしなものだ。では、そんな時上司はどうすればいいのだろうか。僕がやっているのは、指示命令でも提案でもない。独り言をつぶやくことだ。
★コーチングでは、「リクエスト」と「提案」という考え方がある。
著者の言う「独り言」は、「提案」の部類に入るかなぁ。
●<P.116>任せた役割がリーダーであれば当然のこと。仮にそうではなく、スペシャリストの役割を与えたとしても、同僚への影響力・リーダーシップを求めることを忘れてはならない。
リーダーシップとは組織を目標達成へ向けて動かす影響力のこと。それはリーダーだけの仕事ではない。チームのメンバー全員が同僚へプラスの影響力を与える必要があるのだ。
★コーチ型リーダを目指している。
そのミッションとして、チームメンバの中にリーダシップを育むというものがある。
課長や主査クラスは少ないとはいえチームを率いているので、メッセージを伝えやすかった。
その下の担当者クラスになると、なかなかリーダシップといっても具体的にどうこうといいにくかった。
ここで言うところの「他のメンバにプラスの影響を与える」は使えるキーワード。
「最近、周りにどんなプラスの影響を与えている?」はいい問いかけ。
●<P.122>僕が考える「部下が自分に矢印を向けるようになる方法」とは以下のようなものだ。
・上司自身が相手に矢印を向けない。他の上司や部下の愚痴や批判をしない。
・トップダウンで強制をしない。意思決定に部下を参加させ自分で決めさせる。
・日頃から上司と部下の信頼関係を築いておく。信頼している人の言うことに対しては矢印を向けないものだ。
・部下に小さな成功体験をたくさん積ませる。自分に自信をつけさせる。相手を攻撃するのは自分を守るため。自分に自信がないから相手に矢印を向けるのだ。
・部下に自分の人生を自分でコントロールできることを教えてあげる。誰かのせいにする、ということは自分ではどうにもできないと白旗を掲げていることになることを教えてあげる。他人のせいにすれば一時的には楽になるが長い目で見ると苦しくなるばかり。あらゆることは自分で解決できる。自分が解決するのだ、という考え方を教えてあげる。
★メモ、特に最後。
他人のせいにして一時的にストレスを発散できるかもしれないけど、だいたいの場合、問題は解決しない。
自分でやらないと物事は変わらない。
●<P.132>「過去と他人を変えることはできない。しかし、未来と自分をかえることはできる」
★だから、箱の中から出る!
●<P.151>トイレに行った部下が会議室に戻ってきた。彼のズボンを見るとなんとチャックが開いたままになっている。さて、あなたはどのように彼にフィードバックするだろうか?
第一段階:事実のフィードバック:「チャックが開いているよ」
第二段階:主観のフィードバック:「チャックが開いているよ。おかしいよ」
第三段階:評価のフィードバック:「チャックが開いているよ。だらしないな」
第四段階:提案のフィードバック:「チャックが開いているよ。気をつけた方が
いいよ」
第五段階:命令のフィードバック:「チャックが開いているよ。早くしめろ!」
●<P.152>先に掲げた5段階。これを同じく先にあげた「部下の仕事の締め切り遅れ」にあてはめると、こんなふうになることだろう。
第一段階:事実のフィードバック:「締め切りを過ぎているけど報告が来てないよ」
第二段階:主観のフィードバック:「締め切り過ぎても報告がない。待ち遠しいなぁ」
第三段階:評価のフィードバック:締め切り過ぎても報告がない。だらしないぞ」
第四段階:提案のフィードバック:「締め切り過ぎても報告がない。期限を守ったらどう?」
第五段階:命令のフィードバック:「締め切り過ぎても報告がない。期限を守れよ!」
★コーチングでも学んだフィードバック。
正直な感想は、フォードバックが効くヤツと効かないヤツがいる。
効くヤツは、事実をフィードバックするだけで、考え出す、アクションを起こす。
効かないヤツは、So what?、それで?、そうですね…。
効かないヤツには、フィードバックする前に、これからするフィードバックを受けて、自ら考えてほしい旨伝えるべきではないかと考えている。
●<P.158>中国に「用人不疑、疑人不用」という言葉がある。直訳すると、「人を登用したならば疑ってはならない。疑わしき人ならば登用してはならない」という意味になる。部下を信じて「おまえに任せた」と言いながらも「部下を信頼せずに疑っている上司」に対して伝えたい言葉だ。
★コーチング研修の中で気づいた「ハードル上げ過ぎ」に通じそうに思う。
そもそも超えられないハードルを設定しておいて、それを超えてこないことに失望する。
任せてはならない範囲や大きさを任せておいて、それが達成されないことに苛立ち介入する。
あぁ、残念な上司…。
任せても良い範囲と大きさを見極めて、それについて任せる。
任せられる範囲と大きさは、それこそ信頼関係。
●<P.178>ある本によると男の脳は「問題を解決したい」脳だという。そして女の脳は「共感したい」脳だというのだ。僕はその本を読んで深くうなずいた。
ところがこの話。男女の違いにかかわらずよくあることだと思うのだ。つまり、こういうことだ。「上司の脳は問題解決をしたがる」「部下の脳は共感を求める」。僕はそう思う。
面談で大事なのは「問題解決」だとは限らない。それと同じかそれ以上に大事なのは「共感」し「わかって」あげることだ。
★これ、おもしろい。
そうかもしれない。
「わかって」くれない上司に本音は言わない。
まずは信頼関係を築くというからには、「わかって」あげるところから始めるべき。
【アクション】
全部任せるのはハードル上げ過ぎと同じ。
任せてよい範囲と大きさを見極めて、任せる。
任せたことが失敗してもそこから巻き返しができる、そのあたりも考慮したうえで。
任せたからには、失敗も許容する。
失敗から何かを学び、成長してくれたら、それでOK!
【著者】
33歳からの仕事のルール (アスカビジネス) [単行本(ソフトカバー)]
小倉 広 (著)
http://blog.goo.ne.jp/shinyability/e/1539feb97bbab4177b8aa49865f8ad30