スマホや抗癌剤の仕組みは専門家でないと分からないように、憲法の詳細についても、専門家でないと分からないに違いない。
その専門家が、今審議されている安保関連法案について「違憲」だと言っているのだから違憲、なのだろう。
そしてここからが問題。
憲法に反しているのだからダメに決まっている、というのが反対派の意見。それに対し、憲法には反していることは重々承知ながら、これら法律を制定しておかないと、あとあと困ることになるでしょう、というのが賛成派の意見。
「そう思う/思わない」の世界だから、どちらが正解というわけでもない。憲法を〈公理〉とすれば間違っているようだけれど、数学みたいにきっちり証明できるものでもないので、証明できるのは将来いざその時になってみないと、という厄介さはある。
仮に安保関連法案が廃案になって何かあれば、賛成派からは「それ見たことか」となり、仮に安保関連法案が成立して何かあれば、反対派からは「ほれ言わんこっちゃない」となる、はず。それは実際問題、時の運みたいなもの。
いずれにしてもこの論争、今現在だけでなく将来にわたって勝者と敗者とが出てくるわけだが、たとえ敗者になっても、次の言葉は一定の慰めにはなろうかと思う。
「勝者は歴史を作り、敗者は芸術を作る」 味わいのある言葉ではある。
…って、のんきなこと言ってる場合じゃないのかも知れないが。
〔写真は asahi.com より〕