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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

汝殺すことなかれ(宇宙と人間)

2013-04-21 09:54:31 | 科学/考察
 ボストンマラソン中に起きた爆破テロ。子供や女性が犠牲になったのが何とも痛ましいし、ベアリング玉や金属片によって大怪我された方々も気の毒。
 会ったことも話したこともないけれど、同じ地上に立って同じ空気を吸っている者同士として、悲しい限りとしか言いようがない。
 容疑者は捕まったが、同じ地球に住む人間の仕業であるのも哀しい。

 ブラックホールにダークエネルギーに時空の最小単位に、この宇宙というのは深い深い謎を秘めている。その謎を解いてもらいたいがため、宇宙は人間という知的生命体を誕生させたのだと言える。
 地球の磁場が太陽風を逸らせているのも、大気の層が紫外線を防いでいるのも、葉緑体が酸素を発生させて生物を陸上に上げたのも、木星や土星や月があちこちから飛んでくる隕石から地球を体張って守っているのも、また6500万年前に大きな隕石を衝突させて恐竜を絶滅させたのも、すべて僕ら人間を誕生させるためだったとも考えられる。
 僕は勝手に〈宇宙意思〉と呼んでいるけれど、それは自分自身/宇宙自身を認識してもらおう、理解してもらおうとしているのに違いない。仮に宇宙を考えない/感じない生物ばかりだとしたら、宇宙はそのきっと寂しいだろうし存在価値もないに等しい。
 認識し理解してくれる知的生命体(人間)が滅んでは、宇宙自身、元も子もないということになる。

 生物にとって、遺伝子が多様なのも生き残るためには必要なこと。寒さに強かったりストレスに強かったり特定の病気に強かったり、人間もいろいろいないといけない。
 だから遺伝子の多様性が少なくなるような(絶滅のリスクが増えるような)方向は避けなければならない。たとえ1人でも、人間が減るってのは宇宙にとって理解してもらえないリスクが増えることになる。

 法律で禁止されているから、皆が悲しむから、という以前の、根本的な理由として、このようなことが言えるのではないかと考えている。要するに、人を殺めることは宇宙が許さないのだ、と。
 人を殺してはいけないし、人は生きなければならない。
 …またリキが入ってしまった。

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