読書の秋。安岡正篤『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』(致知出版社)という少々カタい本を読んでいたら、東洋の人物学として、次のような順番のあることが書いてあった。
第1等:深沈厚重(どこか深みがあって落ち着いており、厚み・深みがある人物)
第2等:磊落豪雄(線が太く、貫禄がある人物)
第3等:聡明才弁(頭がよくて才があり、弁舌の立つ人物)
太っ腹で豪快な人間や、いわゆる勉強のできるタイプは一流ではなく、物静かな学者あるいは武術の名人タイプが一流とのことである。(もちろん第4等以下というのもあるのだろうが)
たとえば3人の登場人物がいる物語としては、最近は見ていないけど『ドラえもん』がある。ドラえもん本人は別として、上の基準で行くと、のび太が最も第1等に近いように思う。続いて、ジャイアン・スネ夫の順か。(あ、出木杉君もいた)
今、子供と一緒になって見ているNHK教育の『新・三銃士』もそうだ。アラミス・アトス・ポルトスの順のようだが、今後ダルタニアンが成長すれば、1位になるのかも。
有名なところでは『三国志』や『西遊記』、古いところでは『ブーフーウー(3匹の子ブタ)』でも、3人(3匹)出てくる。『三国志』だと劉備・関羽・張飛の順のようであるが、やはり諸葛孔明が別格か。
ひょっとしたら、登場人物の設定として、だいたいこの3種類を考えるものなのかもしれない。それと西洋では、上の第3等が真っ先に来るような気もする。
ところで自分はどうかと考えると、豪傑タイプでもないし口達者でもないし厚みもないし…ってとこ。
ともあれ、何か人選をする時のために覚えていて損はない話だし、ドラマなんか見る時にも参考になるかも。