英語は日本人教師だから教えられる―アルファベットから始める英語教育改革試案洋泉社このアイテムの詳細を見る |
久しぶりにブックオフではなく、書店で定価で買った本です。
買ったのはちょっと前で、本棚に積んであったのですが、週末から読み始めました。
(少なくとも学習初期に於いては)講師はネイティブより日本人が良いというのは、英会話学校以外では常識になっていますが、それは、「日本人がなぜ分からないのか、ネイティブ講師でないとわからない」とか「学習初期の人が講師に質問しようにも、外国語では質問できない」とかいう話の前に、「そもそも義務教育で日本全国でしっかり英語を教えようとするなら、絶対的な人数の関係から日本人教師がしっかり教えられれば良い話だ」ということを教えてくれました。
腰帯には「全国の英語教師が自信を回復する画期的な提案」とあります。
学校英語教育批判で自信を失っている現場の先生方に、新たな教育手法を提案し、自信を取り戻してもらおうとする本です。
「講師はネイティブより日本人が良い」というのは、ひっくり返すと最近流行の日本語教師についても(生徒の話す)外国語に堪能である必要があるということですが、これについてはまた後日。
先日読み終えた、「なんで英語やるの」の影響で、外国語教育における発音の重要性を強く感じている今日この頃ですが、それを具体的に踏み込んで書いている本書は、非常によいタイミングで私の目に留まったと思っています。
筆者は上手な発音ではなく、正しい発音を習得すべきと述べます。文字を知っているかどうかが字の上手下手とは関係ないように、発音の上手下手と発音が出来ているかどうかは別。日本で発音が上手というのは、アメリカ人の発音に近いかどうかというだけのことだと主張します。(43-44ページ)
アルファベットは表音文字であるから、これで発音を学ぶべき。発音記号は必ずしも正確ではない。
綴りと発音が一致しないことがあるが、その場合は聞き取りで音を聞いて書き取った場合に、違う綴りになるのがむしろ正解。そこで英米人は綴りを確認するために辞書を引くのだ。(44-55ページ)
これは、発音記号で英語を学んだ私にはややショックでした。「なんで英語やるの」の中津さんも発音記号を使わずにアルファベットで発音を教えていらっしゃいます。
英語教育改革論議については「改革論議の方向が間違っていたのではないか。何かを壊すのではなく、何を付け加えるべきなのかという議論が真剣に為されるべきだったのではないか。何かを壊すという議論ばかりなされてきたため、壊したのはよいが代替策は場当たりの噴飯物しか出されなかった(14ページ)」と書いています。
受験英語プラスαで英語力が付いたと感じている私は非常に共感が持てます。
この本の後半は発音についての実際のアルファベットの発音の手法が細かく書かれています。
読み物としてはなかなか取りかかれないので、しばらく寝かせておきます。
学校の英語の先生にとってのバイブルになりそうな予感。