サルバトール・だれ?  by 澁澤寅彦

笑いは地球を救う。
妻Rは足下をすくう

1999/11 Part 2

1999-11-30 13:48:21 | Weblog
大阪万国博覧会 EXPO '70
at 1999 11/11 06:58 編集

1970年。8歳の僕は、おばあちゃんと母親に連れられて、大阪万博を見に行った。
アメリカが月の石を展示していたと思う。
他の子供がみんなそうやったように、(大人もやっていたかもしれないが)僕は各パビリオンのスタンプ集めに夢中になっていた。

今出てきたパビリオンのスタンプを押し忘れたことに途中で気がついた僕は、みんなにはそこで待っているようにと言い残して、戻っていった。

ところが、来た道を戻ったつもりだったのに、さっきのパビリオンはどこにもない。悪いことに、みんなと別れた場所に戻る道もわからなくなっていた。

(迷子になった)

しばらくあたりを走り回ったが、人も多くて、ちびの僕にはまわりは良く見えない。あきらめて、案内所に行くことにした。

そうはいっても、当時は自尊心がまだ強かった僕は、自分から「迷子になりました」とは言えない。しばらく、案内所の椅子に腰掛けていた。

やがて、1人の男の人が入ってきた。
「すいません、グループとはぐれたんですけど」

(良し、これで行こう) 僕は自信満々に受付のお姉さんに話しかけた。
「すいません、グループとはぐれたんですけど」
「ああ、迷子ね」

と、言うわけで、僕はあっけなく迷子と認定されてしまった。
そのうち、当時はまだ珍しかったテレビ電話で、別の案内所に行っていた家族と話をし、めでたく再会できたわけだが、涙ぐむおばあちゃんの横で、僕は迷子と認定されたことが不服で、ふくれっ面をしていた。



2000年問題担当者の悲劇  22   用語集その2
at 1999 11/12 07:08 編集

本社の2000年問題窓口で作成されたものを、拝借してきました。

1. 法務リスク
(正) 「当社の商品は、2000年問題には対応済みです」などと言ってしまったばっかりに、その後実際に問題が発生したときに裁判沙汰になるリスク。
ポイントは、自分の商品については、できるだけのらりくらりと明言を避け、取引先については、きちんと稼働保証書を取ること。

(誤) ホームリスク
連日深夜に及ぶ残業・休日出勤。とどめは、年末・年始の会社への泊まり込みで家庭(ホーム)が崩壊するリスク。

2. 与信リスク
(正) 取引先が、2000年問題に対応していなかったために倒産して、貸付債権が焦げ付くリスク。与信先については、2000年対応状況を調べて、遅れているようであれば、早めに回収する等の対応をとる必要あり。

(誤) メキシコ・ギリシャなど、地殻の変動が激しい地域において、2000年に向けて余震が続くリスク。

3. 流動性リスク
(正) 上に述べた与信リスクを気にして、年末近くなってくると、誰もお金を貸しだそうとしなくなることから、借りたくても借りられなくなるリスクがある。

(誤) 社内融資を枠一杯まで借りていて、最近の給与カットで生活資金が枯渇し、首が回らなくなるリスク。40歳を越えてから住宅を購入した人たちに多く見られる。

4. 市場リスク
(正) 市場取引(証券・資金・為替など)において、決済が2000年問題でうまくいかないかもしれないと考えて、年末に向けて、取引を絞る業者が増えてくる。この結果、市場の取引ボリュームが減ることから、値動きが荒くなり、在庫を持っている場合に評価損を抱えることになるリスク。

(誤) 35歳を過ぎると、転職先も少なくなり、自分の市場価値ががくんと落ちること。

5. 評判リスク
(正) 「あの会社は2000年問題で苦しんでいる」という噂が立った瞬間、資金調達が困難になったり、通常の取引もキャンセルされたりして、営業が成り立たなくなることから、世間に正しく状況を開示しないと危険ということ。

(誤) 2000年問題に疲れて、最近突然つまらないだじゃれを電子メールでばらまいたり、ホームページに載せたりし始めて、「おかしくなったんじゃないの...」との風評が立ち、人格まで疑われ始めてしまうリスク。

6. 2004年問題
(正) 2000年のうるう年がすぎても、引き続き要注意日がいくつかある。
2000年10月10日 => 2000年で、初めて月も日も二桁になる日。(全体で8桁。これと同じ理由で、2000年1月10日も初めて7桁になる日として要注意日の一つ)
2000年12月31日、2001年1月1日、2004年2月29日など。

(誤) 2000年になった瞬間、職を失うおそれから、上記要注意日を必要以上に誇張し、仕事の確保に走る人がいっぱいで出て来る問題。



帰ってまいりました
at 1999 11/16 08:00 編集

「お休みします」という、掲示板を読んで妻Rが言う。「これじゃ、この4日間はいませんから、泥棒に入って下さいって言っているようなものね」

確かにそうだ。匿名で、かつ海外からこのページを運営しているから良いようなものの、気をつけないといけない。

イタリアにいた時、留守番電話の件で注意されたことがある。
日本人は、留守番電話の中で、名乗る。「はい、こちらは、XXXXです」と名乗る。これにより、(在宅かどうかを確認しようとしている)泥棒は、ちゃんと狙った家に電話していることを確認できる。
イタリア人は、「こちらは、XXX-XXXXです」と、名前の代わりに電話番号を吹き込んでいる。

ある日本人は、「こちらは、XXXXです。XX日からXX日まで、旅行で留守にしております」と、留守番電話にいれておいて、きれいに泥棒にやられたそうだ。

また、ロンドンであった学生さんは、日本に一時帰国している間に泥棒にあったのだが、空港までのタクシーをアパートに呼んだ際、運転手に「海外旅行か」と聞かれて、「久しぶりに、日本に帰る」と言ったことが、泥棒に入られた、唯一思い当たる原因だと言っていた。

気をつけないと。



ワイヤー・ウーマン、旅先でファイヤー・ウーマンに変身
at 1999 11/17 05:04 編集

遅い夏休みの目的地はブダペスト。すっかり観光シーズンをはずしていて、ホテルも飛行機も安かった。(そのかわり、とても寒く、夜は4時頃から暗くなり、あまり町中を見て歩けなかった)

ブダペストの名物の食べ物はパプリカである。唐辛子の一種だ。
食事に赤い色合いをつける時に振りかけたりするし、ピーマン肉詰めみたいにして食べることもある。

レストランでパプリカが食べたいといったのだが、季節はずれだと言われた。もちろん、粉末を使って、赤味を出したスープなどはあった。

二日目の夜、ホテルの近くのハンガリー料理屋に行った。妻Rは、地元の名物グーラッシュを頼んだ。

グーラッシュの上にのっかっていたピーマンを食べた次の瞬間、妻Rは「辛いー」と叫んだかと思うと、コップの水をゴクゴクと飲み始めた。ピーマンと思ったのは、実は強力唐辛子だったのだ。

夫Tも自分の皿に載ったいた強力唐辛子を3ミリ四方に切って食べてみたが、ものすごく辛い。妻Rはこれを輪切り一つ丸々食べてしまったのだ。

彼女にとって不幸だったのは、
1. 上あごの内側の矯正のワイヤーに唐辛子が引っかかって、飲み込もうと思っても飲み込めなかったこと。
2. 矯正のワイヤーで舌が傷ついていて、辛さに敏感になっていたこと。

である。

夫Tの分の水を飲み干した後も、妻Rはまだ火を噴いていた。



テレビっ子
at 1999 11/18 06:23 編集

私はテレビっ子である。これは、子供の頃に、テレビのチャンネルが3つしか無かったことの反動かもしれない。(現在でも福井では4つしか無い。NHK、NHK教育、福井放送、福井テレビ。妻Rは、福井のテレビコマーシャルは、画像が動かないと言って笑いものにする。今どき、映画館でも、こんな紙芝居方式のコマーシャルは流さない)

現在の家でも、ケーブルテレビでたくさんチャンネルが映るので、次から次へと忙しくチャンネルを変えていく。

旅行に行ったときは、まずホテルの部屋のテレビをチェックする。
ケーブルか、衛星か、エッチテレビは映るか。

それぞれのお国柄が出ていて、テレビはおもしろい。

今回のブダペストでも、ホテルが割と良いホテルだったことから、チャンネルがいっぱいあった。ハンガリーは言うまでもなく、ドイツ(RTL、SAT)、イタリア(RAI Uno、RAI Due)、フランス(TV5)、オーストリア、イギリス(BBC、Sky News)、その他(CNN、MTV)。日本語放送のJSTVもあった。(そして、エッチチャンネルも2局あった)

ここで、異変が起きた。普段テレビにほとんど興味を持たない妻Rが、なんとJSTVのせいで、テレビっ子に変わってしまったのだ。
「ぼんやり聞いていても、内容が頭に入ってくる」そう言って、彼女はテレビのリモコンを手放さない。
NHKの朝の連続テレビ小説「あすか」から、「おかあさんといっしょ」、歌番組、バラエティー番組、ニュース。毎晩、夜中一時の放送終了まで見続けていた。

妻Rがお風呂に入っているのをチャンスにと思っても、彼女はバスルームにあるテレビのスピーカーの音を大きくしたままお風呂を使うので、そこにあえぎ声を流すわけにはいけない。

いつもは、妻Rが寝静まってから、こっそりエッチビデオチャンネルをチェックする夫Tは、今回は先に寝てしまうこととなった。



KDD その1
at 1999 11/19 05:39 編集

学生時代にKDDで2年間国際電話のオペレーターとして働いていた。
通信の秘密を保持するため、バイトではなく、正社員としての採用だった。(源泉徴収票には「勤労学生」と表示される)

欧州・米州は既に直接のダイヤル通話が行き渡っていて、時間が夕方から夜間と言うこともあり、台湾・韓国向けの指名通話・コレクトコールが中心であった。

入社後の研修で、中国語と韓国語の交換用語集の授業が15時間ずつあった。

「我是東京國際電話局」などと、練習していたのだ。

耳のわりと良かった学生Tは、発音が非常にネイティブに近かった。(交換用語しか覚えなかったが、発音はきれいだった。)

その東南アジア系顔つきから、中国語をやっていたときは「本当は中国人じゃないの?」と言われ、韓国語をやっていたときは「本当は韓国人じゃないの?」と言われた。

フランス語で取り次いだときは、「本当はフランス人じゃないの?」とは誰も言ってくれなかった。

(ベトナム系のフランス人も多いと思うが。)



2000年問題担当者の悲劇 23
at 1999 11/20 05:07 編集

当社のメッセンジャーは、最近では2000と書いてあると、郵便物でも、ファックスでも、たとえそれがM副社長宛てになっていようと、Q社長宛てになっていようと、全部僕のところに持ってくる。

「2000年を迎えるこの年末年始は、スイスでスキー」などという、ホリデーのパンフレットまで持ってくる。

行けるわけないじゃないか



妻Rの策略
at 1999 11/20 17:27 編集

妻Rに14年間おもちゃにされていたとわかったのは、今年の夏だった。

最初に出会ってからの14年間に、いろいろなことを決めるのにジャンケンをした。
寒い冬にクリーニング屋に行く人を決める場合とか、消し忘れた電気を消しに行くのは誰かとか、そういうたわいのないことを決めるのに、何度も二人でジャンケンをしたのだが、僕がほとんど負けていた。

夫T「本当に僕はジャンケンが弱い」
妻R「そうね、だから他の人とジャンケンで物事を決めようとしちゃだめよ」

そういうわけで、この14年間、家の外ではジャンケンをしないと言う教えを忠実に守り、その一方で、「今度は勝てるかもしれない」との誘惑に負けては妻Rに挑み、使いっ走りをする羽目になっていた。

今年の夏、妻Rに聞いた。

夫T「どうして僕はジャンケンに勝てないんだろう?」
妻R「だって、あなたは「ジャンケン」と振りかぶったときに、次に出す手の形が決まっていて、それがそのまま出てくるから、私はそれを見て勝てる手を出しているのよ」
夫T「それを知っていたのに教えてくれなかったの?」
妻R「だって、教えてあげたら私が勝てなくなるじゃないの」
夫T「......」



妻Rの策略 その2
at 1999 11/20 23:00 編集

そうは言っても、14年間には、僕が勝ったことも何度かあった。
そんな時、妻Rの反応は、

妻R「3回勝負!」(そして、だいたい僕は負ける)

或いは、

妻R「勝った人がクリーニング屋に行くか、負けた人が行くか、決めてなかった」(そして、仕切直しになって、だいたい僕はクリーニング屋に行くことになる)

種明かしをしてからは、妻Rは、昔ほどジャンケンをしようと言わなくなった。



2000年問題担当者の悲劇 24
at 1999 11/21 06:22 編集

いよいよ2000年が近づいてきた。
これまで、会社の人や、友人に、年末に向けて食料・水の備蓄をするようにと勧めてきた。

気がついたら、ロンドン市内日本人向けのお店から、カセット式ガスコンロが売り切れていた。
(ガスの供給が止まるかもしれないことから、調理用にカセット式ガスコンロを買っておくもの)

うちのアパートは、そもそもキッチンにガスコンロが無い(電気の調理器のみ)ことから、ちょっと焦っているが、ひょっとしたら、単に年末・年始の休みに、家族で鍋を囲もうと考えた人が殺到しただけかもしれない。



KDD その2
at 1999 11/21 23:20 編集

研修では、いろいろなことを教わった。世界地理や、通信技術も教わった。
通信技術の中では、NTTの交換機の種類なども習った。

通信回線には、主に衛星と、海底ケーブルがある。当時(17年前)、KDDの海底ケーブル敷設船はすごいということだった。

韓国向けの通話は、衛星でもケーブルでもなかった。
山口県だったかのアンテナ2台から、韓国向けに電波を送り、それが空中でぶつかって、跳ね返ったものが韓国に届くのだそうだ。
今でもこんなことやっているのだろうか。



KDD その3
at 1999 11/28 04:40 編集

電話交換手だから、当然電話応対の言葉遣いの研修を受けた。県人会の寮で生活していて福井弁漬けになっていて、かつ、学校では目立たない学生だった僕に、標準語を教えてくれたのはKDDだった。(感謝、感謝)
でも、当然言葉は丁寧語で、いわゆる学生言葉は教えてもらえない。いまだに妻Rとの会話は、どことなくよそよそしい標準語で交わされているのは、この為である。

お客様からの無理なお願いを断る際には、「XXXいたしかねます」などと言っていたが、普段の生活では決して使わない言葉だ。
回線が悪くて、お客様の声が聞こえにくい時は「お客様、お声が遠いようですが」
一緒に働いていたS君は「お客様、お耳が遠いようですが」と言ってしまって、「耳が遠いのはお前の方だ」と、怒られていた。(この話を書いても、通信の秘密の漏洩には当たらないだろう)

オペレーターは、つなぎ終わった後しばらくは、きちんと会話が為されているかどうかをモニターしなければならない。回線状況が悪いときなどは、割り込んで、接続し直さないといけないのだ。当然その間は、お客様の会話の内容が聞けてしまうので、それで通信の秘密保持の観点から、学生も正規採用とするのである。


膀胱圧迫的目覚時計

1999-11-28 04:55:15 | Weblog

妻Rは、朝起きない。目覚ましがなっても起きない。消して寝る。そのくせ、「目覚ましが鳴らなかった」と文句を言う。
たまに15回くらいなったところで目を覚ましても、「2回目で起きた」と主張する。

遅刻のできない夫Tは、妻Rに起こしてもらうことは期待できない。(この11年間に3回くらい起こしてもらったことがあったが) だから、目覚ましを3つ並べて寝ている。

(会社まで歩いて10分だから、8時半に起きても、寝癖さえ気にしなければ十分、間に合う)

もう一つのテクニックは、寝る前にトイレに行かないというものだ。こうすると、目が覚めたときにトイレに行きたくてしょうがなくて、ベッドから出るのだ。
うちのアパートは、メゾネット3層構造で、寝室が一番上、トイレが一番下なので、さすがにトイレに行ってまたベッドに戻るのはしんどくて、起きることになる。

難しいのは、寝る前にあまりたまっていると、夜中に途中で起きてトイレに行ってしまい、目標を達成できないことだ。このバランスがなかなか難しい。

妻Rにも、この方法を勧めたのだが、「私はリラックスして寝たいから」と言って、寝る前には必ずトイレに行ってしまう。

僕が膀胱炎になったら、これが原因なので、笑ってやって下さい。

妻R

1999-11-15 21:37:02 | プロファイル
1988年に「私」と職場結婚。
「私」の日記の他の登場人物がみんな仮名となっている中、自分だけ「妻」と特定できるのはおもしろくないと言うことで、妻Rという仮名で登場。
元レースクイーン

注(レースクイーンは、ロンドン時代にレース編み(ボビンレース、タッティングレース)が得意だったという事ですので誤解の無いよう)

1999/11 Part 1

1999-11-10 13:48:05 | Weblog
ワイヤーウーマン
at 1999 11/01 16:43 編集

うちのワイヤーウーマンはレベルアップして登場してきた。
これまでの、単なるワイヤー固定に加えて、内側からバネで上あごを継続的に外に広げる機能が組み込まれている。巨人の星の大リーグボール養成ギブスのようなものだ。

そもそも彼女がこのような処置が必要になったのは、子供の時に八重歯を抜いたことによる。ドラキュラのような八重歯が他の歯からはずれて生えていたので抜いたのだが、この為、その後の永久歯が成長していく中で、上の歯は八重歯の分だけ狭く生えてきた。上顎の方が下顎に比べ、小さくなったということ。通常は上顎の方が大きく、下顎を包むようになっている。

この為、かみ合わせが悪く、顎の関節に負担となり、時々顎が開かなくなる様になってしまったのだ。(TMDと呼ばれるらしい)
子供の頃に、安易に歯を抜くのは考え物だ。

ワイヤーウーマンの口の中はワイヤーだらけで、食べ物は引っかかるは、舌は血だらけになるはで、すっかり食事の量が減ってしまっている。当分スープを中心に流動食の生活か。

(アメリカなどでは、ダイエットするために上顎と下顎をワイヤーで縛って、開かないようにする人もいるらしい。)



ざじずぜぞ だぢづでど
at 1999 11/02 16:35 編集

今回帰国のA君の奥さんは、和歌山県の南の方の出身。そこでは、「ざじずぜぞ」と「だぢづでど」の音の区別がないらしい。
「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の音に区別がないのだから、「ざ」と「だ」、「ぜ」と「で」、「ぞ」と「ど」の音に区別がないのも、おかしいことではないのかもしれない。

具体的には、ざ行の音がだ行の音になり、例えば、「ぞう(象)」は「DOU」になるそうだ。
ぞうさんの歌は「どーさん、どーさん。お鼻が長いのね」と歌うそうだ。しかしながら、書くときにはちゃんと「ぞう」と書くのである。

彼女は「日本人がRとLを同じ発音しているのに、書き分けているのと同じだ」と言っていたが、英語では実際は違う音なので、むしろスペイン語のBとV(どちらもBの音)と言った方がよいかもしれない。

「ゾンビ」は「DONBI」と言うらしいし、「ぞうり」は「DOURI」になる。
じゃあ、「DOURI」と聞いたときに、それが「草履」なのか「道理」なのかどうして分かるかというと、「文脈で判断する」のだそうだ。「無理が通れば草履引っ込む?」

でも、「JIOKAKU」と音で聞いたときに、「痔を掻く」か「字を書く」か、間違えることもあるように、小学生の中には「10円玉は(DOU) でできています」と聞くと、10円玉は象から作られていると思うこともあるだろう。

言葉は楽な方に流れるから、将来的には、このように変わっていくかもしれない。

似たような話で、最近の小学生は、「お」と「を」の発音が違うらしい。
「お」は「お」と発音するのに対し、「を」は「ぅお」と発音するらしい。これは、ローマ字入力で「を」を「WO」と入力しているからではないかとの説明があるが、定かではない。
僕はひらがな入力しているので、あまり意識していなかったが、おもしろいと思った。



水中メガネ
at 1999 11/03 07:52 編集

ジムでいつものトレーニングメニューをこなす。
ふとガラス越しにプールに目をやると、スタイルの良い女性が二人、ジャクージに向かうところだった。
最近おやじ気味の僕は、いつもはいかないプールもやることにした。
期待に胸ふくらませて海パンに着替えプールに向かい、ジャクージにはいると、なんと、メガネをしていないのでお目当ての女性はすっかりぼやけて何も見えない。

チェッ

気を取り直して泳ぐことにした。不思議なことに度の入っていない水中メガネでも、水中では良く見える。平泳ぎの女性のすぐ後をおやじが泳いでいるのが良く目撃されるわけだ。うちの会社のK部長が最近水泳にこっているのも、これが目的かもしれない。

今日は、太ったおばちゃんが僕の前を泳いでいる。近づきすぎないように距離を開けて、クロールで泳ぐ。

もうすぐターンと言うところ。男性が二人、休んでいるのが目にはいる。体力がなくて、片道泳いで休んでいるのだ。ターンの壁を確認しようとしたところ、見るともなしに男性のうちの一人が海パンの中に片手を入れて股間を掻いているのが見えてしまった。

うー、気持ち悪い。息継ぎで首のひねりがおかしくなって、背中のすじを痛めてしまった。



くも膜下
at 1999 11/04 06:29 編集

くも膜下で倒れた母の見舞いに駆けつけた息子。
鼻に酸素吸入の管を入れられている母の顔は鼻の周りが少し黒ずんでいて、鼻もつぶれた感じで見えた。(時代劇に出てきそうな熊五郎のような顔)

心配そうに、隣に立っている妻に話しかける息子
「倒れたときに、顔をぶつけたのかな」
妻は冷静に
「前からこんな顔よ」

半年後に、すっかり元気になった母に会ったとき、妻は相変わらず冷静に
「ほーら、やっぱりこんな顔だったじゃない」



密室でこわいおじさんに囲まれて
at 1999 11/04 16:15 編集

ミラノの滞在型ホテルに9ヶ月住んでいたときのことだ。
ある朝、妻とでかけることとなり、エレベーターに乗った。途中の階で、関西やくざ風のこわい顔のおじさんが二人乗り込んできた。
定員5人の小さいエレベーターで、我々夫婦はすごく緊張した。
(目を合わせちゃいけない)

1階までは、まだ少しある。エレベーターの動きが遅く感じられる。

と、その時、おじさんのうちの1人が話しかけてきた。

こわいおじさん 「あのー」
私 「(まずい! 平静を装って) はい」
こわいおじさん 「えり、立ってまっせ。」
私 「....はい!」

1階について、おじさん達は降りていった。我々は、しばしの間、ロビーで動けなかった。
私の上着の襟が立っていたのを、親切に教えてくれたのだ。
人は見かけで判断してはいけない。



匿名希望
at 1999 11/05 06:42 編集

僕の日記を読んでいて、妻が言う。

妻「ねえ、どうしてM副社長とかK部長とかは匿名なのに、私は「うちの妻」として特定されちゃうの? おかしいんじゃない?」

私「わかったよ、次回からは「うちの妻R」という風に書くよ」


我が家が一夫多妻かどうかは、誰にもわからないのだから、これで匿名性は確保できるはず。



ジェットコースター
at 1999 11/06 16:09 編集

私はジェットコースターが嫌いだ。
曲がる方向が見えている場合はまだ耐えられるが、後ろ向きに走ったり、暗闇を走る場合はもう駄目。豊島園のバイキング(大きなブランコのようなもの)で、後ろに進むのが耐えられず、真っ青になっていたのは、妻Rと、つきあい始めてすぐの頃だった。(妻Rは、バイキングなどちっともこわくないのだが、隣で小さくなっている私が死ぬのではないかとこわかったそうだ)
昔の新幹線の3人席は椅子の向きが変えられず、指定席で取った席が後ろ向きの席で、気持ち悪くなったこともあった。
浅草の花屋敷は、極めてマイルドなジェットコースターで、私も大丈夫だった。ところが、ここでも一度こわいことがあった。
二人が向かい合って座るカプセル型の乗り物だった。
動きのイメージとしては、観覧車が大きな輪を描きながら回る一方で、それぞれのゴンドラが、大きな輪につながっているところを支点に、小さな輪を描いて宙返りしているものだ。(この表現力の無さ)
動き出してしばらくして、でんぐり返しが始まった頃、シートベルトをしていないことに気がついたのだ。
「ひえー」
終わるまでの何分間か、極めて長い時間に思われたのだが、手足を突っ張って身体を支えていた。

小学校の時、NHKで「四つの目」という番組をやっていた。子供向けの科学番組だった。
その中で、「男と女のどちらがジェットコースターを怖がるか」というテーマを扱ったことがあった。
チンパンジーのオスとメスをジェットコースターに乗せて、脈拍・心拍数などを測定し、どちらが怖がるかを見るもの。
結果はオスの方が怖がるというものだったのだが、理由は次のようなものだったと思う。
ジェットコースターを怖がるのは睾丸(下品ですみません。)である。オスの場合はこれが身体の外に出ていることで、恐怖感が強い。メスはこれに当たる器官が体内にあることから、恐怖の度合いが弱い。
実験では、ジェットコースターから降りたオスの睾丸は体内に引っ込んでしまっていて(XX玉が縮み上がった状態)、担当者が手で押して、元の位置に「降ろして」いた。
なかなか子供向け科学番組としてはすごい内容だと思った。



2000年問題担当者の悲劇 21  T-バック下着
at 1999 11/07 05:28 編集

2000年問題で僕を手伝ってくれているT君が、言う。
T「今日の主計のGさん、すごいですよ。きっとT-バックですよ」
私「どうして分かるんだ」
T「だって、下着の線がズボンに出ていないじゃないですか」
私「そうか。でもT-バックというと英語だから、周りのイギリス人にわかっちゃうよ。違う言葉を使った方がいいよ」
T「何にしましょうか」
私「リブトンがいいよ」
T「何ですかそれは」
私「リブトン・ティーバッグ」

T-バック発祥の地と言われるブラジルでは、T-バックは、「歯医者の糸」と呼ばれているらしい。デンタルフロスを使うところを想像すれば納得がいく。


うちの妻Rは、まだY2K(「ワイツーケー」当地で2000年問題を指す略語)という言葉を覚えられない。
どうしてもYK2(ワイケーツー)となってしまう。

「Y-けつ」は、「T-バック」より下品で強烈だ。



岩波古語辞典
at 1999 11/08 04:12 編集

イギリスにも、岩波古語辞典を持ってきている。高校時代に使っていたものだ。
国語辞典と違って、言葉が増えないから、定期的に買い換えなくて良いのは便利だ。(それとも、「鼻血ぶー」とか「ナウイ」とか、死語になった言葉が、国語辞典から古語辞典に移るのだろうか)

古語辞典を持ち歩くのには理由がある。

福井出身の僕は、福井弁にすっかり染まっており、東京育ちの妻Rもおばあちゃんの甲州弁の影響が少しある。
標準語だと思って使った言葉が相手に通じなかったとき、どちらもそれが本当に標準語だと言い切れないのだ。

福井弁の特徴は
イントネーションが激しい。特に語尾。
単語の頭の「そ」が「ほ」に変化することがある。(「それ」=>「ほれ」、「そうだ、そうだ」=>「ほや、ほや」)
古語がまだ残っている。

「ばんげ」という言葉がある。東京出身の友人に、どういう意味だと思うかと聞いてみた。

永谷園の「あさげ、ひるげ、ゆうげ」の連想から、「晩ご飯」の意味ではないかと答えた。

「あさげ(朝餉)、昼餉、夕餉」は、マイクロソフトのMS-IMEの漢字変換でも出てくるが、「ばんげ」は出てこない。
岩波古語辞典を見ると、「ばんげい(晩景)。夕方、晩方」と書いてある。

「はしかい」という単語もまだよく使われている。背中に籾殻が入ったりした時に、いらいらかゆいという意味と、すばしっこいという意味と、両方とも使っている。

今年の初めに帰国したN君の奥さんは、実家が千葉のお百姓さんで、「はしかい」は使うといって、二人で盛り上がった。

引退したら、日本の方言の研究をやってみたいと思っている。



病は気から
at 1999 11/09 16:53 編集

吐き気とめまいで夜中に目が覚めた。
朝になっても、状況は変わっておらず、会社を休んだ。
寝ていれば何とかなるかと思ったが、どうにも耐えられずに午後病院に行く。熱は37.5度。
「何だかわかりませんね」と、お医者さんも首を傾げ、結局点滴を打ってもらって帰ってくる。

「病は気から」というが、「気は病から」という方が当たっているだろう。僕は具合が悪くなると、本当に気が弱くなる。
「ポジティブ・シンキング(Positive Thinking)」というのが何年か前に流行っていた。常に肯定的に、前向きに考えようというものだ。でも、日本人には「th」の音は発音が難しいから、「ポジティブ・シンキング(Positive Sinking)」となって、積極的に沈んでいってしまうのだ。

頭痛がひどく、市販の頭痛薬を飲む。脳腫瘍かもしれない。(常に否定的に、悪い方に考える)



アルファロメオ 164
at 1999 11/10 17:07 編集

マーケティングの授業で聞いた話。

中国にも金持ちが増えてきたので、アルファロメオが中国でも売り出されることになった。
アルファロメオ164。
ところが、164を中国語で読むと、

1 「まっすぐ」
6 「道」
4 「死」

という意味にも取れるので、縁起が悪いことから、最終的には違う名前で売り出したらしい。(168だったかもしれない。8は「八」で末広がりでめでたいから?)


イギリスのバークレーズ・バンクが、香港に支店を出した。
ところが、バークレーズ・バンクというのは、広東語では「百の不幸がやってくる」と言う意味だそうで、ほどなく撤退したそうだ。

海外進出するときには、気をつけないといけない。