10月29日(木)、陣痛誘発出産のため隣町の病院へ。
予約時間は朝7時
10月末の午前7時はまだ真っ暗。
夜なのか朝なのか分からない状態で病院到着。
今回利用した病院は去年出来たばっかりの
RiverBend
外見は
お城
のようで、メインロビーは
1流ホテル
のようなこの病院、設計を担当したグループは普段リゾートホテルの設計をしているらしい。
そんな病院の5階に陣痛&出産センターはある。
部屋で病院のガウンに着替える前に。
すいか、いや時期的にパンプキンが入っているようなおなかもこれで終わり
室内のバスルームはジャグジー付き
「ジャグジー!!入りたいっ!!」
と思ったんだけど、誘発出産ですからね、最初から点滴なので無理だった
午前8時に点滴開始。
左腕に針を通すものの、血管が"逃げて"失敗
右腕にやり直しをしている間に、臨床係さんがやってきて左腕から採血。
両腕に同時に針を刺されるなんて…。
臨床係さんは
「ごめんねー、両方同時で。でも私の針は反対側のより細いから痛くはないわよー」
って。
同時に刺されて初めて気づいたよ、確かに点滴の針太い!
っていうか、点滴の針ってあんなに痛かった?!
点滴を開始してから一度子宮口チェック。
もうあまり期待しないことにしたShantiaの予想は2cm。
ジョセフ君の予想は3cm。
そして実際は3~4cm
夫婦揃って思わず
「おぉ!!」
と反応。
いいスタート!!
誘発剤を入れたので、陣痛は2~3分置きに来るんだけど(毎回来すぎだから)、別に痛くないのでちょっとウロウロした後、DVDプレーヤーで映画タイム
午前11時、点滴開始から約3時間。
ちょっと陣痛が強くなり始めた。
まだ顔色を変えるほどはないけど、一応深呼吸した方が楽なくらい。
看護婦さんがバランスボール使ってみる??と聞いてきた。
楽しそうなのはやってみるのがShantia。
バランスボールに座ってボインボインしながら今度はテレビの料理番組を見る。
陣痛が来るとちょっと痛いけどまだ耐えられる。
11時半頃、2回目の子宮口チェック。
毎回、陣痛の割りに子宮口が開かないので今回も期待せず。
結果は5~6cm。
…珍しく開いたねぇ。
点滴を開始したときに、看護婦さんが
「人工破膜するでしょ?先生に来てもらっていい??」
と聞いてきたので、
「いや、子宮口が5cm以上開いてからにしてください」
と頼んだ。
過去の経験から破膜が早すぎても痛いだけ、と学んでいるのでね。
で、この時点で5~6cmになったので、看護婦さんが
「じゃー、先生に連絡して破膜を頼むわね」
と言い、部屋を去っていった。
この時の心境:
「…破水後の痛みに耐えられるだろうか。
もうちょっと待ってもらおうかな…」
まだ覚悟が出来てなかったらしい
12時少し前、陣痛が来ている時にBabyが変に動いた。
母の反応は
「うぎゃっ!!」
Babyの心拍数を測るモニターでもしっかりその動きがとれてジョセフ君も
「聞こえたよ、今の動き」
って。
そして次の陣痛が来たとき…
!!!!!
妻の突然の反応にジョセフ君が
「…何?!」
とかなりの疑問色を顔に浮かべて聞いてきた。
「…破水したかも
」
今までの出産、自分で破水したことは一度もない。
毎回、ドクターが人工破膜。
だから初めて体験した破水。
すっごく驚いた。
ジョセフ君もすっごく驚いた。
私の羊膜、破れるのねー!!
看護婦さんを呼ぶとまず子宮口チェック。
6~7cm。
破水後は進行が早いと伝えていたので、出産に必要な道具が全て揃えられ、私のOBドクターもやってきた。
陣痛はクッションがなくなったので、明らかに強くなった。
最初は何とか呼吸で逃していた痛みがどんどん強くなって、
「これ、いつまで続くんだろう」
と思うように。
痛みに弱いShantiaは足から血の気が引いてかなり冷たくなった足がガタガタ震える始末。
何で痛みが耐えられないレベルに来ると寒気がするんだろう??
看護婦さん&ドクターは
「いきみたくなったら教えてねー」
って。
まぁ、経産婦ですからね、いきみたい感覚は分かってますよ。
妻が陣痛になんとか耐える横でジョセフ君はドクターに勧められて、Babyを取り上げる準備。
どんどん強くなる陣痛。
回を重ねる毎に痛みが増すからBabyが降りてきてるんだろうなぁ、とは分かるがまだいきみたい感ではない。
この辺が一番つらい。
そしていよいよいきみたい感!!!
外でスタンバイしてたドクターも入ってきて、ベッドが分娩台に変えられた
(これ、過去2回は間に合わなかったからね)
準備がササッと完了したところでドクターが
「はい、いつでもいきんでいいわよー」
と指示。
ここまで来れば、終わりが見えるからまた頑張れるのよね
だけど!!
いきんで頭が出たと思われる時点で期待していた楽な感覚がなかった
確か今までは頭が出た瞬間、ふっと楽になったはずなんだけど。
ドクターは
「いきんで!!」
と指示を出してきたのでいきみましたけどね、何が起こってるのかさっぱり。
なぜか看護婦さんの数が増えていてドクターが必死でBabyを出そうとしていることは分かった。
気付くと看護婦さん達が足を思いっきり体側に押してくるし。
出産の痛みだけで痛いのに、非常にきつい姿勢になって余計辛い。
何かよくわからないけど、慌しい光景が繰り広げられた後に無事Baby誕生
間髪置かずに胸の上にポンッと置かれた。
看護婦さん&ドクターはみんな口を揃えて
「大きなBabyねー。
あなたのどこにこの子が入っていられたのかしら~??」
って。
ジョセフ君も横でうなずいてるし。
…そんなにでかいのか、この子は。
破水後、50分でキリ誕生。
つまり陣痛らしい陣痛(英語ではActive Labor)の時間も50分。
病院に着いてから4時間半での出産は最短記録!!
おかげで出産後の私の笑顔にも余裕がある
アレックスの出産後は顔に疲れがはっきりと出てたんだよねぇ。
そして今回は初めて痛み対策の薬ゼロ!!
シャーちゃん&ティアのときは無痛分娩、マイキー&アレックスのときは点滴に痛みを和らげる薬を入れてもらったけど、今回は何もなし!!
日本並!!
これだけだと安産らしいけど、言い切るのは難しいらしい。
なぜなら…
あの慌しい光景、実は
肩甲難産というものだったらしい。
つまり、頭が出た後にBabyの肩が産道にひっかかって出られなくなるというもの。
足を体側に思いっきり押すことで産道が少し広がるらしい。
そして看護婦さんたちがおなかを押し、ドクターが手でBabyの肩を出す、と。
日本のサイトでは4000gを超える巨大児に時々見られる、とあった。
確かにキリは4200gで巨大児ですよ。
でも今回は更にコルトンサイドの広い肩幅も原因らしい。
この肩甲難産になると、その辺にいるスタッフ全員が借り出されるようだ。
そして肩がつっかえた後で無理矢理出されているので、Babyの肩や腕が出産後何度も慎重にチェックされる。
キリはちょっと青あざが出来たくらいで済んだんだけど、ケースによっては骨が折れたり死産になったりすることもあるらしい。
この肩甲難産になる可能性は3%くらいらしいんだが、一度なると次もなる可能性があるとのこと。
相当大変なことらしい。
キリ、無事でよかった。
ドクターが無理矢理腕をつっこんでキリを出したので会陰縫合の必要がありまして。
ドクターは
「ちょっとだけ縫う必要があるわねー」
と言いながら縫っていたけど、ジョセフ君が言うには
「Shantiaちゃん、血まみれもいいところだよ」
って。
どっちを信じようか?
確かに生まれたキリの両耳は血で覆われてたけどね。
最後の最後で難産になったので、取り上げる準備をしていたジョセフ君は事の次第を見守るだけに終わった。
その代わり、キリの余分なへその緒を処置室で切らせてもらえたらしい。
そして看護婦さんが親切に写真を撮ってくれた、と。
こういう大変で難しいことって産んでいる本人が一番最後に知るのよね。
アレックスが首にへその緒を巻いて出てきたってことも最後に知ったし、今回キリが大変な状況になっているってことも全てが無事に終わってから知ったし。
で、ジョセフ君が言うにはキリの頭が出ると同時にドクターはへその緒をグルッと取ったらしい。
つまりキリもへその緒を首に巻いてきた、と。
ジョセフ君が驚いたのは、ドクターがキリの頭が完全に出る前に既にへその緒を取る準備をしていたこと。
「なぜ首に巻きついてるって分かったんだ?!」
と非常に驚いたらしい。
私のOBドクター、実は検診のときは決していい先生には思えない。
30分~1時間待って診察時間は5分ないし、質問を聞く時間もほとんどないから。
ジョセフ君といつも
「次もしユージーンで妊娠することがあったら先生を変えようね」
と言っていた。
でも頻繁に緊急手術に呼ばれていたので、手術は上手なんだろうなぁ、とは思ってた。
どうやら、病院で行われる処置全般上手らしい。
今回の出産で夫婦そろってドクターをかなり見直したね。
なんだかんだ言って、出産時の技術で頼りになる先生が一番安心だよね。
ってことで、今回の出産、初めてのことだらけでした。
自然破水
Active Labor1時間弱の最短記録
痛み止めゼロの自然分娩
肩甲難産
4200gの巨大児!!
キリは独特な個性の持ち主かもねー。