ちいさなおしゃべり

Shantia家のメインランド生活日記

地震だ!!

2006年10月17日 | Hawaii
日曜の朝、アレックスと寝ているとベッドが揺れていることに気付いた。

...ったく、マイキー、人のベッドでジャンプしないでよねぇ

と思いつつ目を開けたが、マイキーはベッドの上にいなかった。そしてまだベッドは揺れていた。

...もしや、地震?!

とよく状況がつかめないままリビングへ行くと、ジョセフ君がテレビでニュースを探していた。やっぱり地震らしい。
「まだ早いんじゃない?日本だって速報が流れるまで5分くらいかかるよ」
と言っていると、プチッ
停電
午前7時15分、情報源が絶たれてしまった。ジョセフ君と
「地震だとしたらやっぱり震源地はビッグアイランドの方かなぁ」
などと話しながら、"念のため"の避難道具をリビングに待機させることに。なんてったってこのハワイは周りが全て海 ライエなんてその大海『太平洋』から徒歩圏内、津波が来れば被害は大きい。"念のため"はハワイの田舎で生活するにはとっても大事である。すると、外で学校(教会)の管理者が
「津波が来るかは分からないけど、1階の住人は念のため2階に避難する事!!2階の住人を起こして避難させてもらいなさい!!」
という指示を飛ばしていた。
避難命令が出たので、子供達を起こして着替えさせ、2階へ。しかし、どうせ2階に行かなきゃいけないんなら、ということでジョセフ実家へ行く事に。ジョセフ実家は住家が2階で、1階は倉庫である。

実家で
「で、揺れを感じた??」
と聞くと、
「揺れで目が覚めたよ。"ったく、なんでアイザック(義弟)は朝っぱらから洗濯機まわしてるんだ"って思ったよ」
と義父。...私とあんまり変わらない
このライエ、クリスチャンの町なので日曜は住民の80%が教会へ行く。しかし、今回は非常時、なんせ電気がない。教会が全てキャンセルということになった。実家にいる間に、
震源地はハワイ島コナの6マイル北、マグニチュード6.6 津波の心配はなし
という情報をゲット。やっぱりビッグアイランドだったか...。

津波の心配がないので家に戻る事に。隣の住人が車でラジオを聞いていたので更なる情報をゲット。
電気会社が意図的に全ての電気をダウンさせた、と。コナの方は地面がずれたりしたので、"念のため"電気の供給をストップ。
ほう、てことはハワイ全島で電気がないのね。数局あるラジオ局もこの日ばかりは各局からDJが一人ずつ集まって合同放送。速報の間にこのDJ達がまたハワイらしい会話を繰り広げていた。

A:君達はカリフォルニアとかの出身なんだろう?だったら地震も慣れてるんじゃないのか?
B:そんなことはないさ。まさかハワイで地震を体験するとは思ってなかったよ。
A:やっぱり備えは大事だよなぁ
C:ちゃんと避難道具はそろえてるのかい?
A:もちろんだよ!!
B:...何が入ってるんだ、君のバッグには?
A:スパムだろ、しょうゆだろ、箸だろ、それから...僕のスリッパ
C:電池や懐中電灯は?
A:...入ってないなぁ。

という会話がラジオから聞こえてきていた

家でゴロゴロしていると、今度は外からマイクを使ったアナウンスが聞こえてきた。道路に出てみると、日本の選挙カーのような感じでスピーカーを乗せた車がゆっくり走りながら警告。
ライエの住民のみなさん、水は出来るだけ使わないように。停電のため、下水が逆流する恐れがあります。まだシャワーをしていない人、残念!遅すぎです。
路上の住人、お互いを見合わせ思わず噴き出す 

電気がないまま時間だけが過ぎ、さすがに暇になってきた。
外にイスを出して座っていると、向かいに住んでいるフィジー人の子供が何を思ったから外で自転車を洗い出した 主婦が皿洗いを我慢している前で、水をジャージャーと"無駄に"流しながら自転車洗い。

...下水が逆流するからやめろって言われてるのに、なぜそうも無駄に水をジャージャー流すのだ?大体、なぜこんなときに自転車を洗う必要があるのか?!

見てるとイライラしてきたので、ジョセフ君を遣わして水を止めるように指示。
その後、ニュースで
ほとんどの井戸には発電機がついていないので、停電の状態で水を使いすぎるとその井戸は使えなくなります。水の使用は極力避けてください
と言っていた。...おぃ!! 自転車を洗っている少年に言ってくれ

少しずつ暗くなるのに、電気が戻ってくる様子はゼロ。ニュースではパールシティや空港は電気が復活、と言っていたが、このライエはド田舎だからねぇ... 我が家のコンロはガスなのでマッチさえあれば使用可能。なので我が家のディナーはジャーマンポテト。外では集ってBBQをする家庭が多かった。

午後7時、外はもう真っ暗。家の中では懐中電灯&キャンドルが大活躍。子供達、懐中電灯に夢中 マイキーに至っては、キャンドルを見るなり
「ふ~っ!!」
と吹き消してくれた 誕生日ケーキのとは違うのよぉ!! 別におきていてもすることがないのでさっさと子供達を寝せ、夫婦で少し会話。それでもやっぱり暇なので少し外で星を眺めていた。真っ暗なのですんごくきれい プラネタリウムのような空で、初めて天の川を見たShantia。

私達が寝たのは8時半ごろだと思う。夜中、アレックスが起きるたびに懐中電灯をつけてどこにアレックスが寝ているかチェック。そしておむつを替え、おっぱいをあげて再び真っ暗にして寝る、の繰り返し。そして夜中の3時半ごろ、ふと目が覚めたとたんに外の外灯が点いた 同時に
「Unit Ready」
と我が家の電話が言い出した。

やっと戻ってきたのねぇ

と思ったのもつかのま、再び真っ暗に これがもう一度繰り返された後、外の電気は完全復活。しかし家の中の電気はまだ使用不可。3度目の
「Unit Ready」
が聞こえたのが午前5時。ここでやっと家の中の電気も復活。結局22時間の停電だった。

そして月曜日、日曜の午後に州知事が言っていたように学校は普通どおりに行われた。しかもシャーちゃんとティアは"あらかじめ予定されていた"津波避難訓練が朝からあった。...皮肉?!

こんな風に、Shantia家は突然の地震&停電を乗り越えたわけです。