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自分自身の夢と希望を描いた『地下室の帰国』

2022-07-21 10:45:23 | 歴史から学ぶ
トルストイ(1828~1910)、ドストエフスキー1821~1881)と時代が重なり合う同士であったが、若い頃のドストエフスキーは社会主義の運動で逮捕、死刑執行直前で保釈、小説家となりこの「地下室の記録」をあたかも病んだ、意地悪い男として表現、社会に間接的に抵抗していたのである。巨匠二人ともに時代の背景にある合理化一辺倒の社会主義国ロシアで「幸福、希望、夢」を追った作品は現代では理解できない厳しい規制社会だったに違いない
「幸福、希望、夢」を若い頃からの生活、環境をこの小説に託し社会主義を批判したのだろう。
『地下室の記録』ドストエフスキー
「概要」地下室に住む中年男の告白を通じて、人間存在の矛盾と不条理に根ざした生の哲学を描く。「地下室」とは、言い換えるなら、青春時代を生きるだれもが一度はくぐりぬけなくてはならない“戦場”である……ある一つの真実を語りかけようとした。遠い将来、一個の自立した人間として大きな成熟を手にすることはできないということを。この『記録』にこめられているのは、おそらく若いドストエフスキーが身をもって経験した躓きの記憶だが、その痛々しい記憶の彼方に輝いているものこそ、人間の真実、あるいは人間の生命という聖なるオーラなのである。
ドストエフスキー
    「手のつけられないほどの夢想家」
    「キリスト教的社会主義」:(自らが犠牲となり過酷な試練に直面する)
賢い人間の息地無しの生き様-40年間の自己探索・探究。
    「地下室人=一匹の鼠」:病んだ人間・底意地の悪い人間 としての記録小説
    逮捕、4年間の投獄、死刑間近で保釈、小役人:小説家としての革命を「地下室人」表現
    「すべての美しきで崇高なもの」を求めた生き方 (自然の法則)
    意識過剰の、ノーマルかつ基本法則に従った生き方(絶望と希望が相反した状態)
    「退屈凌ぎ」「惰性に押しつぶされた」「不条理な道」「人間の利益」「人間の運命」
    娼婦との出会いで唯一自分から支配できたと実感する
    「キリスト教の必要性」の章は削除され発行
ーチェルヌイシェフスキー
    「すべての行為は利益によって説明される」「犠牲になるものはそもそも存在しない」


自分の理性を知る、幸福への近道『人生論』

2022-07-21 07:45:57 | 人生を「生かす」には
「理性は人を幸福に導く」自分を信じて、理性が意識するがまま生きることによって幸福を得ることができる。過去信仰がその理性を左右したが判断するのはあくまで自分自身であると。現代、「理性」とは道理によって物事を判断する心の働き、とある。人は様々なヒト・コト・モノによって心が動かされるが、より多くのヒト・コト・モノに遭遇できることはトルストイの生きた時代とは違い幸運だと思う。よって判断できる材料をできる限り集め、自分に快適、且つ心地よい道が許され、自信を持って前に進むべきなのだ
『人生論』トルストイ
生命とは何か。幸福とは何か。
いっさいの自己愛を捨て、理性的意識に生きることによってのみ、人間は真の幸福を獲得することができる――。
ー「人はだれしも、自分が快適になれるために、自分の幸福のためにのみ生きている。自分の幸福を望む気持を感じないなら、その人は自分を生きていると感じていない。自分の幸福を望む気持なしに、人は人生を想像できないものだ。一人ひとりの人間にとって、生きるということは、幸福を望み、獲得することと同じだし、幸福を望み獲得することは、生きることと同じである」
「人は永く生きれば生きるほど、快楽がますます少なくなってゆき、倦怠や、飽満や、労苦や、苦悩がますます多くなってゆくことを、一層はっきり知る」
ー「貧乏人が身に着けるすべての知識は、もっぱら自分個人の幸福をさらに増すために必要である。金持ちが身につける科学や芸術の知識は科学や芸術の意義などと言う高尚な言辞にもかかわらず、もっぱら退屈を凌いで楽しく時を過ごすためにも必要なのである。どちらの人間も、永く生きれば生きるほど、ますます強く世間の人たちの支配的な考え方が染み付いてくる。」
ー「人間の生命は幸福への思考であり、その思考するものは人間に与えられているのである」