@人が犯した事件事故には必ず「痕跡」が残ると言う。シャーロック・ホームズの事件簿は様々で多様な証拠を見つけ出し科学的に解明していた。その背景には、実際の事件からの証拠を著名で専門家たちが学術的、科学的裏付け検証から見出していたと言う事実だった。だからコナン・ドイルのミステリー事件小説には実感が湧き人気となったのだ。
『シャーロックホームズの科学捜査を読む』E・J・ワグナー
「概要」シャーロック・ホームズ物語を縦糸に、19世紀に実際に起きた数多くの事件や実在の人物を取り上げながら、法医学や指紋、血痕、毒物、変装、弾道学などの科学捜査の魅力的な世界へと読者をいざなう! シャーロッキアン必携!
ー「シャーロック・ホームズ」は架空の人物、だが非常に現実的で科学的な思考からさまざまな考え方「答え」を提供している。(コナン・ドイルのミステリー小説の主人公)
ー「死体から読み取る」
環境温度、死亡状況、死者の年齢と健康状態など兆候のある(検死解剖技術)
昔は死体は裸でアルコール漬けにされ麻袋に入れられていた
解剖は顎から恥骨へと切開、悪臭は排泄物や吐潟物による
幼児の死産かどうかは肺を水に入れることで判明した
ー「伝説の動物(黒い犬)」
不可解な事件に物的証拠は最低限必須だが、呪術や幽霊、狼男や吸血鬼的な迷信もある
「バスカヴィル家の犬」のような生霊や霊魂などの迷信も恐れられた
殺人的な狂犬病(犬、猫、ウサギなど)悪魔と魔女的存在(魔女除け)
ー「昆虫と死体」
「まだらの紐」など蛇など珍しい虫や動物が絡む
小バエなど微かに残る血と生体組織に群がる(腐敗した肉に卵を産みつける)
ミツバチや甲虫、蛾、ダニなど昆虫や植物等の習性から感染病への関連
ー「毒物の検証」
有毒物質(ヒ素など)による殺害は魅力的な女性の犯罪者が多かった
「4つのサイン」保険金目当ての殺害に簡単に入手利用可能(水銀)だった
毒を持った動物(蛇など爬虫類、両生類)ヒキガエルの毒が当時人気があった
毒ニンジン、トリカブト、バイケイソウ、アヘンなど(一部治療薬の利用)
肌に塗る、注射するなど、食品に混ぜるなどで殺害
ヒ素検出法が改善されたが、医者が悪事で利用した(薬物中毒)
21世紀までペンキや壁紙などにも利用されたヒ素(防腐剤として)
ー「別人になりきる」
「ボヘミアの醜聞」変装技術で罠を仕掛け、事実関係を引き出す
ー「些細なことほど重要」
「緋色の習作」手がかりとなる証拠を細かい点でも見逃さない
その他検証の為の証拠検証
指紋による検証(米国NYでは1903年から採用)
弾丸検証(弾道学:弾丸の運動・軌跡を検証)
足跡検証
身体の付着物
筆跡鑑定(必ずどこかに癖がある・タイプライターでも検証できた)
血液鑑定(1915年から採用、それまで人間の血液型は2つだった)
迷信との関係・頭蓋骨鑑定(前頭葉が広いのは分析力があると言われた)