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齋藤大悟 : Daigo Saito

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土門拳の精神とは

2010年03月03日 | 催し物

Photo

Ken Domon Museum of Photography / Nikon COOLPIX P5100

   

地方格差とよく耳にする時代において、こと「写真」という切り口で観察してみると、

鳥海山の裾野に広がるこの地域に、世界に誇る写真美術館があるという事は、

実に素晴らしい事であると強く感じています。

土門拳の精神、その功績はもちろんの事、その大切さを後世に語り継ごうとする

地域の皆様のご尽力や、関係する方々のご協力というものは、

非常に多大なものであると想像します。

夏、この記念館の周りにはたくさんのアジサイが咲き誇り、

訪れる方々の心に季節の彩りを添えてくれます。

土門拳直筆の色紙に「優しさ、逞しさ」とあったように、

展示されている写真の数々からも、そしてアジサイからも、

その言葉が滲み出ているような気がします。

何より、この「地方」そのものの培われてきた精神、風土、人々の営みが、

「優しさ、逞しさ」という言葉に凝縮されているような気がしてなりません。

さらに、「日本人の姿」「日本人の心」を写し切ったとされる

土門拳の「優しさ、逞しさ」という言葉は、

ふと忘れてしまいそうになる、本来の「日本人の心」というものを

象徴しているのかも知れません。

そのDNAが自身の体内や精神にも受け継がれている事を自覚し、

そのDNAが腐ってしまわぬよう、受け継いでいかなければならない責任を自覚し、

甘ったれ小僧である自分自身に「喝!」を入れなければ・・・と、

土門拳記念館を訪れる度に、強く戒められる思いがする今日この頃です。

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