「うーん。
だすが、こういうことはないだすかなあ?」
あおむもいつきにそっと耳打ちする。
「なるほど、二つのグループか」
すると、
ようやく目を覚ました
木太郎が、
「何二人で、こそこそやってんだよ」
と、
だるそうに言った。
「おー、気がついただすかあ」
「何か、変な夢を見てなあ」
「そうだすか?」
「オタク、また、ウンコしてないかあ?
何か臭いんだよな」
「気のせいだすよ」
いつきたちは、エイタたちのところへ戻る。
そして、
突然、
「えー、これから屋敷にもどりたい
と思いますが」
「僕も同じ意見だす」
いつきとあおむは、
事情を説明する前に突然そういう話しをした。
「どういうことだよ?」
「いつき、あおむ、何考えてるんだ」
エイタと木太郎が驚いた顔で訊くと、
「ここから先へ向かうのには、
まだ、
まだ時間がかかる。
ここには、
水も食料もない。
一度、屋敷に戻って、調達しよう」
いつきはそう説明したが、
本当の狙いは別のところにあったのだった。
(続く)