新「ミケーレの蒼き仮面」第二章99
ウトーは国王の妻達たちと子ども達を待つ間、
ペーの口から頭だけでている国王の顔を何度も見上げて、
「どう見ても、ただのおじいさんだよねえ。
それに、何で、この国にいる化け物とかはみんな弱いのかなあ」
「それより、俺たちが強くなり過ぎたのかなあ?」
と言って、
アニーが首を傾げると、
「そうなのかなあ?
でも、何で、
こんなにでかいんだろうねえ」
ウトーはまじまじと国王のでかいツラを見上げながら言う。
「あのー、
そちらさまが小さすぎるということはないですか?」
国王が言うと、
「俺たちが小さいだと!」
アニーが少し怒り気味に言うと、
「いえ、今のは...」
「アニー、国王が人間なら国王がでかいというより、
ここに何か秘密があるんじゃないのかなあ?
ねえ、
国王の妻達たちと子ども達が来るまで、
しばらく、ここで何かを探してみようよ。
国王が人間だとすると、
将来、何故、滅亡するのか、その理由がわかるかもしれないよ」
「そうだな」
ウトーに言われて、
アニーが頷くと、
二人の話を聞いていた、
ねずみ虫と亀男が、
「国王夫人達とその子どもを連れてくるのは
カマキリ鳥だけだと時間がかかりますので、
我々がすっとんで交代してきますよ。 少々お待ちください」
と言ったかと思うと、
亀男はねずみ虫と一緒に地中に潜ってしまったのだった。
そして、
しばらくすると、小判女を貼り付かせているカマキリ鳥が戻ってきて、
「話しはねずみ虫から聞きました。
そういうことでしたら、
国王の城に、
何か記録が残っているかもしれませんので、
私の背中にお乗りください」
と、
カマキリ鳥が言ったので、
アニーとウトーは、
国王を呑み込んだままのペーを置いて、その背中に乗ったのだった。
(続く)