「あのー、
多分、
あそこじゃないだすかな」
「わしは、
こんなとこで、
ふんどしだけは脱がんぞ」
風呂には堂々と入っていたクセに、
チウメとアユメの視線が気になるのか、
キタジマは大声で言う。
「ち、違うだすよ」
「あおむ、はっきり言えよ!」
「わかっただす。
でも、
違うかもしれんだすよ」
あおむはそう言うと、
キタジマのそばにある剣を見る。
「あー剣か!」
いつきの言葉に、
エイタも自分の剣を見る。
「あったあ!」
最初に見つけたのは、
いつきだった。
「僕のにもあっただすよ!」
「俺のにはないな」
「木太郎のは?」
「ない!」
「おーそうだす。
さっきのミカエルの剣はどうだすか?」
あおむが持ってきて探すがない。
「二つだけか。
誰が持っていたのか。
わからなくなったなあ」
エイタが首を捻る。
「多分、最初の方だすなあ」
「よくも、
わしをひどいめにあわせてくれたのう。
いやもういい」
キタジマは、
それ以上しゃべると、
ヅラがバレるのですぐ黙り込んだ。
「よーし、壊すぞ」
「電池をはずせばいいだろう」
「どっちもやろう」
はずされた盗聴器2個は、
エイタとあおむの手で破壊された。
「さあ、問題はこのあとだ」
まだ、
失神している木太郎を見ながら、
エイタがそう言った。
(続く)