「いいか、
この盗聴器がまだ仕掛けられていて、
木太郎とあおむが
二人だけになった頃合いを見計らったように、
ミカエルが登場したということは、
ミカエルたちが、
このそば、盗聴器の電波が届く範囲にいた
ということだ。
そして、今もいるということだ」
エイタは断言した。
「そうだすなあ。
でも、何人いるんだすかな?」
あおむは辺りをきょろきょろと見回した。
「あのミカエルは屋敷の方に逃げたから、
とりあえずはこのまま屋敷から、
遠くにゆっくり歩いて行った方がいいんじゃないか?」
「そうだすなあ。
だすが、木太郎さんも運ぶとなると、
3人で4人引くのは結構きついだすよ」
あおむの言葉に、
「起きろ!木太郎」
いつきはそう言いながら、
木太郎の頬を叩いた。
(続く)