新「ミケーレの蒼き仮面」第五章157
「パティ、さすが、救世主!
それしかねえな!
で、どっちに会いに行く」
サギーは、
褒めてるのか、
からかっているのか、
パティをおだてるように言ってから、
そんな言い方をして、
パティの提案に従う以外に方法がないような言い方をして、
ジン軍に味方をしていたペーか乳女、
どちらに先に行こうか、
誰となく訊くと、
すると、
まず、
肺女ハイジが、
「それゃ、未来を見ている乳女よねえ」
と、
自分の考えしかないような言い方をすると、
ラーメンが、
「逆だろ。
過去を知り尽くしているぺーが先だろ」
と、
真逆のことを言いだした。
すると、
ウトーは肺女と同意見だと言いだし、
アニーはラーメンと同意見だと言って争いになり、
他はただ両方の意見を聞いているだけだった。
こうして、口が一番達者なはずのサギーが両方の意見を聞いて
どちらにするか決めかねてしまったので、
どちらに先に行くかという些細なことで、
肺女、ウトー組とラーメン、アニー組が本気で口論を始めてしまい、
最初にどちらに行こうと言いだしたパティは
本当にどっちでも良かったのか、口論がつまらなかったのか、
その場で居眠りしてしまったので、
無駄に時間を費やすだけだった。
そのとき、
ずっと黙っていた例の記憶をなくした少女が、
おどおどと、
「あのー...」
と小さな声を出して、
口論中で興奮気味のウトーたちに声をかけたのだった。
(続く)