ひとえに"カモ"と言っても、実はたくさんの種類があります。
顔が赤茶色で頭頂部が黄色っぽいヒドリガモ、シックなグレーが美しいオカヨシガモ、嘴が太く広いハシビロガモ、目の周りを広く緑色に囲まれた小柄なコガモなど様々。
それだけ多くの種が、同じ水辺で、比較的近い距離で観察できるのですから、カモの仲間は、バードウォッチングを初めて間もない人にもおすすめな観察の対象です。
さて今日は、そんなカモの仲間から、ナポレオンハットとも称される1種をご紹介。
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ヨシガモ Anas falcata です。
一般的なカモの頭の形を思い浮かべてみてください。後ろにもボケボケで写っているような一般的なやつです。
そのようなカモと比べると、ヨシガモって、ちょっと頭が大きく見えませんか?
これ実は、後頭部付近にかけて伸びる羽毛が、後ろに大きく飛び出しているからだと思われます。
そのため…
↑普通の姿勢のときにはこんな感じに。
頭の後方の羽毛がくるっと上方向に少しだけ巻き上がって、頭全体の形がまるでナポレオンの帽子…に見えませんか?
見えますよね。きっと見えます。その辞書に「不可能」という文字はありません。
さ、ヨシガモの頭がナポレオンの帽子、すなわちナポレオンハットに見えたところで、今日はおしまい。
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余談ですが、この記事を書いていてふと思ったことを。思ったままに。(←徒然草か)
「余の辞書に不可能と言う文字はない」という名言。ナポレオンさんは本当にこの通りに喋ったのでしょうか。
答えはおそらく否。ナポレオンさんは、日本語を話せなかったはずですから。
つまりこの名言日本語版は、直訳または意訳、はたまたそれらが混ぜ混ぜされたものだということ。
何が言いたいかと言うと、日本語訳はあくまで訳にすぎないということです。言語が異なる以上、直訳が難しく、意訳する他ない場面は往々にしてありますよね。
「余の辞書に不可能と言う文字はない」
…その辞書は、フランスの辞書?フランスの言語に不可能の直訳にあたる語がなかっただけかも…?ではこの名言は、ナポレオンさんを表すに足るのか?逆に当時のフランスを表すのでは?
ものごとは鵜呑みにせずに、一歩立ち止まって考えてみることも大切です。結論が同じであるにせよ、です。
ただし、客観的な根拠のない「考え」は個人的な妄想にすぎません。つまりこの余談はすべて妄言です。忘れてください。
ということで今日の記事は、物事を鵜呑みにしがちな日常へのアンチテーゼでした。
意訳:さて、次回はカワウにしましょうか。鵜だけに。