里山人雑記

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ナイトハイク@近所の森

2016年08月04日 11時20分28秒 | Field Note<観察>
クワガタを撮ろう(というか観察しよう!)ということで、いつものメンバーと日没前から近所の森を歩いてきました。
今回は、クモやオオゲジといった嫌われがちな生き物たちも出てきます。
(というか、話題としてはクワガタからメイン奪っちゃった感じです(笑))

さて、夜の森では、普段目につきにくいような生き物も、けっこう表に出てきます。これがおもしろいのなんのって…笑
オオトモエという蛾もその1種です。実はこのガ、アオバズクの食痕(←餌場の下に落ちていた食べ物の残骸などを指す)を調べた時に出会い(←正確には翅の残骸を見つけただけ)、それ以来翅の模様がすごく印象に残っていた種です。
実は今回、そのオオトモエが現れたので、観察していました。すると、飛んでいるうちに少しずつ地面に近づいて行って、地面に落ちていた木の枝にとまりました。そこに、別の方向からピョンピョン跳ねながら近づいてくるものが…イオウイロハシリグモのようでした。その後、すったもんだあって、地面近くを飛んでいたオオトモエにこのクモが飛びかかり、捕獲。

↑その様子が、この写真です。夜のハンター、迫力がすごいですね。
捕らえられたガは、オオトモエ。捕らえたクモは、イオウイロハシリグモ(?)です。
(↑クモはまったくのド素人で種の同定は自信ないです。調べた限りではこの種のようでしたが、クモの仲間って、そりゃもうたくさんいるんですよね…)。

↑お次はオオゲジです。こちらも肉食、夜のハンターです。
ゲジやオオゲジは嫌われがち(?)な生き物ですが、ちょっと我慢して観察してみると、いろいろな発見のある生き物です。
狩りの様子などはほんっとに見ごたえがあります。
以前見た中で最も印象的だったのは、樹液に集まったガの仲間にそっと近づき、ある程度距離を詰めたところで、前足を広げて飛びかかった狩りでした。
今回はその様子を観察できませんでしたが、また見てみたいシーンです(←今度は足の動きがどうなっているのか注目したいです)。

↑夜のハンターは、虫たちだけではありません。この写真は爬虫類、ヤモリです。
人家や街灯周りにもよく見られる生き物ですが、森の中にも当然います。
このときは狩りの様子を観察できませんでしたが、この目といい姿といい、かっこいいですね。

↑ここからが今回のもともとの目的だった生き物です。
まずはノコギリクワガタです。こちらは幼虫の時に十分に成長できなかった個体で、大あご(←ハサミのところ)が小さいですよね。
このような小型個体は小歯型とも呼ばれていますよね。実は大型個体も見つかりました。それが…

↑こちら。同じノコギリクワガタなのに、大あごの形が全然違いますよね。
このように、同じ種でも、幼虫のときにどの程度まで育てたのかで、最終的な形が決まります(成虫(←大人、つまりこの状態)になってからは大きくなりません)
ちなみに、これは表現型の可塑性というもので………ともうめんどくさいので割愛します。今度聞いてください。

↑こっちはコクワガタ
この3個体はすべてコクワガタです。ノコギリクワガタと同様に、大きさや大あごの形が違います。
これも同じ理由からです。一番右の個体は小さすぎてメスのように見えるかもしれませんが、オスです。

↑こちらはヒラタクワガタ。コクワガタとの違いはいくつかありますが、今回は大あごの形に注目してください。
コクワガタは、大あごの真ん中より先の方に大きい突起がありますが、ヒラタクワガタは真ん中より手前に大きな突起がありますよね。
また、ヒラタクワガタの場合は、大きな突起の先に、ぎざぎざが入っているのも特徴です。

↑はい、最後です。アリの群れに埋もれて樹液に夢中になっている虫を見てください。4つの赤い斑点が背中にありますよね。
この虫はヨツボシケシキスイです。実はクワガタのメスと同等かそれ以上にあごが発達しており、ちゃんと見るとけっこうかっこいいです。
そして、写真の上の方、黄色い4つの斑点が背中にある虫がヨツボシオオキスイです。
樹液に集まる生き物は、本当にたくさんいますよね。今回は、クワガタ各種を含めいろいろな生き物が観察でき、2時間未満の観察でしたが楽しかったです。

ちなみに、夜の森は楽しいですが、マムシやイノシシ、野犬にサルなど危険がいっぱいです。
ヒトも安心できません。道もよく見えないため、昼間よりも確実に危険が増します。
大きなリスクを伴うので、よほど慣れた道や場所でない限り、安易に入らないように注意してください。
ちゃんとした装備で最低3人以上で入る、道から外れない、常に足元を照らす、リスクへの対処を事前に準備しておくなど、注意すべきことがたくさんです。くれぐれもご注意ください。
積極的におすすめはできませんが、観察する場合は、リスクを減らすためにも、車を停めれる道路沿いや、街灯の多いところなどがおすすめです(←車への注意も必要ですが)。

ふう…もっとちゃんと書きたいんですけどちゃんと書きだすと更新が億劫になるので、このくらいでご容赦ください(笑)