里山人雑記

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坪井川遊水地公園バードウォッチング (日本野鳥の会熊本県支部)

2016年03月21日 22時32分03秒 | 観察会報告
以前から宣伝していた『坪井川遊水地公園バードウォッチング』、無事終了しました!
この観察会は、(公財)日本野鳥の会熊本県支部の主催で、当日のメインガイドは私でした。

↑私はいつも通りこんな感じです(笑)
ちなみに写真は"こらどうし"様が撮影してくださいました。紹介はこの記事の最後にあります。ぜひブログをご覧ください。
さて、話を戻します。
今回は、10名ほどのこどもたち、5名以上の高校生と大学生を含む、合計40名ほどの方が参加してくださいました。
観察できた鳥も合計39種と、賑やかな観察会となりました。
参加してくださった皆様、協力して下さった皆様、ありがとうございました。

それでは、ちょっとばっかり報告を…
今回の見たい鳥(観察会ごとに決められています)は、キジでした。
キジは、『桃太郎』にも出てくる有名な鳥で、皆様ご存知ですよね。
国鳥にも指定されています。

キジ Phasianus colchicus です。
オスはこんな姿をしています。今回の観察会でも、間近にオスとメスの両方が現れ、おそらく多くの方が観察できたかと思います。
顔の様子、体の形や足の形にも注目です。オスの体の全長は、図鑑(日本野鳥の会 熊本県支部, 『くまもとの野鳥 写真図鑑』, 2009)によると80cmですが、体重は1kg程度。そうそう、鳥の体重は……て書くと長くなるのでこれはまた別の機会に…笑
あ、こんな姿をしていますが、ときどき飛びます。まるで矢のように滑空するので、漢字表記は"雉(きじ)"なんだと聞いたことがあります(飛ぶ姿勢が矢のように見え、飛び上がったあとに滑空するのがポイントで、決して矢のようなスピードで飛ぶわけではないです。大事なのは姿勢と形と飛び方です。)。キジが飛ぶ姿勢と飛び方、興味の出た方は調べてみて下さい。

↑ちなみにキジのメスはこんな感じです。

ウグイス Cettia diphone もけっこうさえずっていました。
立田山の個体と比べて鳴き方が下手でした(笑)

ツリスガラ Remiz pendulinus もたくさん。
ガマの穂をつっついていました。「チーュッ、チーュッ…」と、鳴き声のフレーズの末尾「ュ」に向かってキーが下がるような独特な鳴き方をします。
鳥自体は非常に小さく見つけづらい場合もあるので、この声をもとに探すと群れごと簡単に見つかります。

↑同じくツリスガラ。オスはこのように目の周りの黒い帯が濃いので、正面から見ると、アイマスクを付けているみたいに見える…かも(笑)

↑こちらはツリスガラのメスです。メスは、アイマスク(と呼んぶとわかりやすい…?)が淡い色をしています。

ホオジロ Emberiza cioides も、ヨシ原に生えた木の高いところにとまってさえずっていました。

↑同じくホオジロです。
地面に降りて草の実をついばんでいるものもいました。この角度だと、頬が白いのもわかりやすいですよね。

モズ Lanius bucephalus もまあまあいました。
"百舌(モズ)"の名前通り、いろんな鳴き声で鳴いていました。

↑こんな感じで観察しました。
いやー、しかし、うちの支部の観察会としては、平均年齢がめちゃめちゃ若い探鳥会でした(笑)
もしや30歳代前半いったんじゃ……笑

↑最後に"鳥合わせ"と呼ばれる観察会のまとめ。全員で、その日出た鳥を確認します。
紹介した以外にも、ベニマシコにアリスイに…いろんな鳥が出て楽しい観察会でした。

さて、あんまり書くと支部報に提出する原稿に支障が出るので、今日はこの辺で……笑

*今回の記事に使用した鳥の写真は、キジ以外すべて、観察会前日の下見の際に撮影したものを使用しています。キジの写真はそれ以前に撮影したものです。また、当然ですが、すべて坪井川遊水地で撮影したものです。

また、観察会風景などの写真は、同じ会員のこらどうしさんが撮影してくださいました(←本名は伏せてブログのハンドルネームで書いています)。
こらどうしさんのブログもご覧ください→http://koradoushi.seesaa.net/
ちなみにこらどうしさんのブログには観察会の様子も掲載されています→http://koradoushi.seesaa.net/article/435361205.html
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川に舞うカゲロウたち

2016年03月12日 02時12分25秒 | Field Note<観察>
さて、今回は…

↑とある川で目に付いた…

↑カゲロウの仲間のお話です。この写真じゃ頭だけ隠れて見えませんけど…笑
カゲロウって何?と思われる方もいらっしゃるかと思いますので、少し前置きとしてお話しします。
といっても、カゲロウの仲間って、ものすごくおもしろい生き物たちで、書きだすとすごく長くなりそう…
そこで今回は、とりあえず観て楽しんでください。興味が出たら、図鑑やネットで調べてみてください(投げやりでごめんなさい)!
ちなみに今回はやや擬人化気味です。やりすぎたらごめんなさい。
さて、まずは記事の内容に着いて行く上で最低限押さえておきたいところだけ、かなりおおざっぱですが箇条書きします。
【主なカゲロウ類】
・昆虫の仲間
・多くの種類がいる
(例:シロハラコカゲロウなどのコカゲロウの仲間、エルモンヒラタカゲロウなどのヒラタカゲロウの仲間など…)
・幼虫時代は水中、成虫になると陸上で過ごす
・成虫は翅(はね)をもつため飛べる
・幼虫の期間は数か月~1年程度、成虫の寿命は数日程度
・識別が難しいものも多い
それでは行きましょう!

↑こんな川。目線を変えると楽しいですね。

↑流れはやや速く、水は見た感じではきれいです。
カゲロウの仲間は"きれい"な川を中心に、様々な川に生息しています。
川の環境に応じて、生息している種類は変わります。
ちなみに今回、川の水面を流れてきたのは…

↑コカゲロウの仲間の成虫です。
このように、水面に立つことができるんです。もう、この時点でなんだかかっこいい…
(本当は"○○コカゲロウ"と正確な名前を呼びたいところですが、コカゲロウの仲間はこれまたたくさん種類があって、識別が難しいです。今回はご容赦ください…)

↑体はけっこう軟らかく、上下左右に動きます。

↑オスは"ターバン眼"とも呼ばれる複眼を持っています。黒い複眼の上側にくっついているように見える赤い複眼です。
気持ち悪いと言われたりすることもありますが、こうやって見ると、ゴーグルを頭にひっかけているように見えたりも…しませんか?笑

↑こちらはメス。今お話ししたターバン眼はありませんよね。

↑水面を滑っているだけではありません。大きな翅を使って飛び立ちます。
水面にいつまでも浮いていては、流れに飲まれたり、魚に食べられたりしてしまいます(魚の種類によっては、カゲロウは主食の1つです)。
それに、子孫を残すためにオスならメス、メスならオスと出会わなければなりません。

↑ということで飛びます。こんな飛び方です。
ハエのようにブンブン飛ぶのではなく、風に流されるような飛び方です。
羽化するのも水面から飛び立つのも実は命がけ。その理由はのちほど…

↑なんだか神々しい…しかし…

↑キセキレイです。
セキレイの仲間は、止まっていた石などから飛び上がって、飛んでいる虫を上手に捕まえます。これをフライングキャッチとも呼びますね。
そのため、カゲロウの仲間の成虫は絶好の食べ物。
今日は、キセキレイ、セグロセキレイ、ハクセキレイが飛び回ってカゲロウの仲間を食べていました。それだけではなく、ジョウビタキなど、同じくフライングキャッチの上手な鳥も集まって食べていました。

↑川岸にススキやヨシなどの植物があると、そこで休めます。
多くの個体が、こうして休んでいました。
しかし、植物の周りとて安全ではありません(まぁ当然ですが…)。

↑こんなクモの仲間など、いろいろな捕食者(他の生き物を食べて生きる生き物)たちが身を潜めているのです。
クモの仲間って、虫を食べますよね。

↑さて、こちらは水の中。写真のやや右上、大きな石の水際付近の位置に、黒い小さなものがいます。見えますか??

↑拡大するとこんな感じ。この形、見覚えありませんか?
実はこれが、コカゲロウの仲間の幼虫なんです。腹部の両側についたエラのおかげで、水中で酸素を取り込むことができます。

↑観察していると、ある瞬間石から離れ、水面付近を漂い始めました。
この個体はこの後流れて行ってしまったためどうなったのかわかりませんでした。
実はコカゲロウの仲間には、このようにして水面に浮きあがり、水面で羽化(翅をもった成虫になること)するものがいます。
他にも、水中で羽化してから水面に浮かび上がるものもいます。
このコカゲロウがどちらのタイプの羽化をするものなのかは今回わかりませんでしたが、みなさんも今後、ぜひ気を付けて観察してみてくださいね。

↑ちなみにその後、別の石の上、水面ぎりぎりのところにこんなものを見つけました。
そうです、コカゲロウの仲間の幼虫の抜け殻です。うーん…水中羽化か水面羽化か…判断付きませんね。
さてここからは、最初の方でお話しした、"羽化するのも飛び立つのも命がけ"がわかる写真を挙げていきます。

↑ターバン眼の目立つオスのコカゲロウの仲間の成虫です。
よく観てください。実は、右の翅が開かず、くしゃくしゃになっています。このように羽化に失敗すると、もう飛べません。
流れに飲まれるか、その前に魚に食べられるか、なにもできずに一生を終えるか…厳しいですね。

↑羽化できても、翅が水面にはりついてしまうと、起き上がれなくなるものもいます。
通常は翅が水をはじくのですが、羽化直後に流れに飲まれたり、翅が十分に伸びきらなかったときにこのような状態になるようです。

↑一旦飛び上がろうとして飛び上がれず、逆さまに着水してしまったものもいました。
見ていた限りでは起き上がれませんでした。

↑水辺の石の間には、クモの巣も見られます。このようにクモの巣に引っかかってしまうものも複数いました。

↑羽化後流れに飲まれたのかな…左翅が折れています。

↑またクモの巣に引っかかったもの。

↑そうそう、一概にコカゲロウの仲間と言っても、こちらはまた別のコカゲロウの仲間です。
尻尾のようなものが、3本ですよね。これまでのものは2本ですので見返してみてください。
尻尾のようなものの本数も、識別の手掛かりになります。

↑カゲロウ…じゃなくてタンポポの綿毛のようなもの。こんなものも流れてきます(笑)

↑帰る直前、コカゲロウよりかなり大きなカゲロウの仲間が飛んでいきました。
モンカゲロウの仲間のようでした。

この時期は、コカゲロウやトビケラの仲間が羽化を始め、川が賑やかになります。
「虫が飛んでるなー」から一歩進んで、「あれはカゲロウ?トビケラ?」など思いを巡らせてみてください。

以上、おおざっぱすぎたのでまた後日書き足すかもしれません……笑

↓独り言
(というか修正加えなきゃまずいでしょ内容的に……。うーん…なんか失敗だった。支離滅裂&薄っぺらくなってしまった…。明日から2日間長崎だしどうしよう……)
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巣箱を開けてみると…

2016年03月05日 22時53分25秒 | Field Note<観察>
もうすぐシジュウカラが子育てを始めますね。
昨年の巣箱を放置していたので、掃除のため開けてみました。すると……

↑昨年のシジュウカラの巣です。
この巣では、入り口よりも遠い側に、"産座(さんざ)"と呼ばれる卵を産み落とす場所が組まれています。
1つだけ、孵化しなかった卵も残っていますね…

↑取り出すとこんな感じ。針葉樹の葉やタチクラマゴケらしきシダ(?)を中心に組まれています。
("タチクラマゴケ"は、名前には"コケ"がついていますが、実はシダの仲間です。)

↑裏はこんな感じ。"産座"(写真上側)は針葉樹の葉、周囲(巣の外側のため"外巣"とも呼びます)は前述のコケっぽいシダなどで組んでありますね。

↑卵です。1年放置されていたためか、どうやら中身は乾燥しているようです。小さいですね。

↑巣材にも注目。赤い綿上の繊維や…

↑白い綿上の繊維

↑麻紐

↑安い人工芝?

↑獣の毛



↑植物も何種類か使ってますね

↑天板にはハチの仲間の巣もついていました。
シジュウカラの子育て終了後に作ったものでしょう。
このハチの巣はつくりが中途半端なため、利用は途中でやめたのでしょうか。
いずれも標本にします。

↑研究のため移動で立田山を横切りました。日中なのにタヌキ発見。
車を止めて撮影。

クロジも見えました。
ほんとは色鮮やかなコジュケイも見えました。
これも車を止めて撮影。ぽかぽか陽気、車の中からいろんな生き物が見えました(笑)






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突如はじまった魚の観察会♪

2016年03月04日 23時57分50秒 | Field Note<観察>
河川での調査を終えて帰ろうとしていたら、お散歩中の方が声をかけてくださいました。
水生昆虫の話や魚の話になったので、実物を観てもらいたくて、手元にあったいつもの網で魚探し。声をかけていただけると嬉しいですね。

↑さて、お喋りしながらのんびり探したのですが、ヨシノボリの仲間、タモロコ、ヤマトシマドジョウ、タカハヤ、ドンコなどを捕まえることができました。
お散歩中の方などたくさんの通りすがりの方が興味を持って下さって、生き物のお話をこれまたたくさんすることができました。

ヤマトシマドジョウ好きなんです(笑)
すべて面白いんですが、もしどこかでじっくり見る機会があれば、食べ物の探し方&食べ方を観察してみてください。口から砂ごと吸い込んで、鰓のところで食べ物だけ濾し取るようで、砂は鰓から外に出します。
でも、今回一番盛り上がったのは……

ドンコと…

ヨシノボリの仲間の観察でした!
広くは同じハゼの仲間ですが、見た目やヒレの様子にも違いがあります。

↑特に、腹ビレの比較にはみなさん興味を持って下さいました(写真でわかりにくかったのでイラスト描きました)。
ドンコは一般的な魚と同じような腹ビレ(左図)ですが、ヨシノボリの仲間は腹ビレが変形して吸盤のようになっています(右図)。
そのため、ヨシノボリの仲間を手に乗せたりすると、吸いつく感触がします。
実際に水槽の壁や平たい石にも張りつきますので、興味のある方はぜひ観察してみてください。

ところで、意外だったのが、「久しぶりにドンコ見た」という声が複数あがったことでした。
「昔はもっと大きなドンコが、見えるところにけっこういた」などの声も上がりました。
個体数推移などドンコ側の問題なのか、河川の変化の問題なのか、探す側の問題なのかわからないため(←おおざっぱすぎてごめんなさい)何とも言えませんが、多くの方がそのような印象を持っておられると言うことは、やっぱり何かしらドンコを取り巻く状況(←上記のような広い意味で)に変化があるのでしょうね。

↑せっかくですので今日の川の中の様子も。

それにしても、こどもの頃に川遊びをしていたみなさんは、魚の名前や特徴、獲り方や食べ方もよくご存知で、お喋りできてとても楽しかったです。勉強にもなりました。
あまり魚は知らないよ!という方もいろんな疑問をぶつけてくださって、同じく楽しく盛り上がりました。
声をかけてくださった皆様、ありがとうございました。

なんだかんだで、2時間ほどのお魚観察会になりました。
初めから参加者を募るのではなく、通りすがりの人が次から次に参加して、通り過ぎていく。そんな観察会もありなのかなぁ…とふと思った1日でした。

(今日は写真に著作権マークを入れていませんが、いつも通りすべて私が撮影していますので、後日マークと名前を入れて掲載し直します)
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