今年度ー2023年度で、研究室のボス、逸見泰久教授がご退官となる。写真はそのご退官を記念した最終講義の最中に撮影させていただいたものだ。

ここで詳細は省くが、ボスは干潟やそこを活動の場とする生物を主な研究対象、もしくは材料とした研究を数多く展開され、これまでに掲載された論文も多岐に渡る。私は修士からボスの研究室でお世話になり、まずはM1, 2, D1までの3年間在籍した。研究テーマ選びの際に、私はかなりわがままな要望を持ち込んだのだが、ボスは否定することもなく一緒に考えてくださり、私の現在の研究テーマでもある"ササゴイのBait-fishing"を研究対象として提案してくださった。

干潟でもカニでも貝でもない、淡水域の鳥類…
普通なら、他の大学院を勧められるか別のテーマを提示されるところだろうが、そのような素敵なテーマを提案してくださったことには今でも本当に感謝している。
この研究テーマで現在も研究を続けているのは、D1で就職が決まって博士後期課程を中退した数年後、ボスの研究室を再び訪れたことに起因する。

仕事で悶々としていたある日、研究の楽しさを忘れられなかった私は、ボスに連絡させていただき、研究室でそのことを相談。当初は出戻ることなど考えていなかったが、ボスと話すうちにそれ以外の選択肢はあり得ないと思うようになり、結果的に社会人Dとして再び研究室の一員にさせていただくことになった。出戻った研究室には優秀な学生、スタッフの方などやはりワクワクする環境そして雰囲気があり、再び所属できることが本当に嬉しかった。ボスには感謝しかない。
その後、結局仕事に割く時間が生活の大半を占めており、研究は思うように進んでおらず、社会人学生向け(?)の制度を利用しているため6年の年限があるとはいえ、今年を含めて残りは3年。非常にまずい状況になっている。しかし、ボスは私を突き放すこともなく、研究相談には丁寧に対応してくださるし、適度にプレッシャーをかけてくださるし、フラッと立ち寄ることにも難色を示されることもなく、本当に優しく接してくださっている。なんとしても3年以内に博士を取れるよう邁進したい。

最終講義では、研究室の歴史や学生の話がたくさん出た。会場もある種の同窓会のような雰囲気で、本当に暖かかった。いい研究室だったんだなと改めて感じると同時に、私の仕事では得られないものがたくさんある場所であることを再認識した。

スタッフの方々が準備し、最終講義に参加した方々が書き寄せした研究室のTシャツが印象的だった。スタッフの方々、大変お疲れ様でした。
そして何より、ボス、ご退官本当におめでとうございます。これからの研究活動を陰ながら応援させていただきます。そして私の研究も、引き続きよろしくお願いいたします。

余談。いや、大事な話。
実はこの最終講義、そしてその後の祝賀会で、M1,2時代以来くすぶっていたもう1人の私、そして普段からくすぶっているさらにもう1人の私の計2人をリスタートさせる、おそらく人生の転換点になる再会があった。
しかし…心がいっぱいすぎて書ききれない…
その話はまた次回。