葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

お坊さんの話

2005年09月09日 | 温かな人々
ぼくが駆け出しのころの話です
その人は商売をやっていて、気のよい親父さんでした
気がよすぎて連帯保証人になってしまい
すべての財産を失いました。

お葬式を挙げるお金もなくて
自宅で、お仏壇の香炉と花立に花を一本供えただけの
さびしいお葬式でした。

親父さん財産も何もないけれど
お父さんを何にもなしのまま送るのはとても
残念だ・・といって

「佐藤さん、今はお金がないけれど
なんとかお経だけは読んでもらいたいんだ
なんとかなんないかな

ゴメンな、迷惑掛けて・・・

でも、年金からでも必ずお経代は払うから
親父にお経上げてくれる、お坊さんどっか探してくれなかな」

と大きな体を小さくたたんで頼まれました


昔からの付き合いはあったし
こういうのは断れませんね・・・

そこで、知り合いのお坊さんのところにお願いしに
行きました。

「ご住職、実はこういう都合でこういう訳で
お布施の額もあまりお包みできませんが
おねがいできませんか?」とお願いしたら


怒られましたね
それはきっぱりと怒られました

「うちがお布施の額をどうこういったことがありますか?
額が少ないとか、多いとかそういうことを言った事がありますか?」

そういう風に言われて
ただただ平謝りでした

そういうお坊さんもいるんですよね。

結局ご住職が来ていただいて
回向をしていただいて、無事に火葬できました
その気のいい貧乏な親父さんは、もう十年にもなりますかね
今でも年金から一万円もって
毎月そのお寺に通っています。

------------------------------------------------------
葬儀のコツをおしえます葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭
-----------------------------------------------------



最新の画像もっと見る

コメントを投稿