雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

いじめ訴え小4自殺(5) 母の悲しみ

2016-01-20 10:00:00 | いじめと自殺

母の悲しみと願い

 沖縄県豊見城(とみぐすく)市で昨年10月に起こった小学4年の男児が自殺した問題で、両親は朝日新聞1月14日付の取材に応じ次のように語った。以下はその要約です。

 市教育委員会は「いじめは一回だけだった」と、自殺との関係を否定したが、

子どもは6月ごろから、日常的ないじめを訴えていた。

「廊下でいきなり殴られた」

「トイレに閉じ込められた」

 具体的ないじめの訴えに、母はその都度、

「先生にきちんと言いなさいよ」という母に息子は、「言っているよ」。

でも、夏休みに入るころから「言ってもしょうがない」に変わってきた。

 このほぼ2カ月の間に何があったのか、

具体的な取材内容が掲載されていないので不明ですが、

果たして男児は教師にいじめを訴えていたのか、

親として、男児の訴えを教師に話し、

問題解決に向けて一歩を踏み出すことが必要だったのではないか。

 

 終業式の日教室で「かっこつけるな」と服を引っ張って倒された。

「なんで僕はいじめられなければならないの」 

「辛いなら転校してもいいよ」と母。

学校にも相談するすることに決めていたやさき、12日夜、

救いの手が差し伸べられる前に男児は、悲しい幕を引いてしまった。

 

 入院中の10月15日、校長は病院を訪れ、9月のアンケート用紙を見せてくれた。

息子の文字。精いっぱいの、「助けて」というメッセージだったんだと思います。

 守ってあげられなかった。ごめんね。毎日、ただ苦しい気持ちしかありません。と記事は結ぶ。

  

 責任者としての校長、市教委、第三者委員会については、前述しましたが、保護者説明会について少し書いてみたいと思います。

 開催場所:男児が通っていた小学校

 時  期:1月12日

   保護者からは保護者からは、学校側の対応の悪さなどに批判が相次ぎ、調査中の第三者委員会が「自殺につながるようないじめは現時点で確認されていない」としていることへの疑問の声も上がっている。

 市教委は児童を対象に「記名式アンケート」の実施を提案したが、保護者の反対で了承されなかった。

 一方、校長はこれまで児童たちに男児の死亡を事故としていたが、1月12日朝の全校集会で初めて自殺だったと説明。「ほんとうのことを言わなかったので謝らないといけません。ごめんなさい」と謝罪。(毎日新聞1/13付記事)

 

   男児が命を絶ったのが昨年の10月でした。

結果的には、校長はおよそ4カ月の間、隠蔽と嘘で生徒たちをだましてきたのです。 

「ごめんなさい」と謝って済む問題ではありません。

児童の時に信頼すべき先生から、信頼を損なうような行為を見せられた生徒の大人への不信感は、

心の傷となって一生残るかもしれないのです。

 

 愛する者を失った母に報いるためには、

学校、市教委、第三者委が誠意をもって原因究明にあたることだろう。

失われた命は帰らないが、それが無くなった児童への供養に繋がり、

生徒への信頼を取り戻することになるのだから。

                    (2016.1.19)

  

 


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