はじまりの日 パラリンピックを観て
どうすれば人は、
困難と共に生きていけるだろう。
東京2020パラリンピック、
いくつもの答えがこの舞台に集う。
この12日間はきっと、
私たちすべての明日につながっている。
世界がまだ知らない
私たちの新しい強さを、ここから。
8月24日 朝日新聞に掲載されたオリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
(東京2020組織委員会)の新聞広告だ。
大会モットーは United by Emotion
「感動で、 私たちは一つになる」という意味でしょうか。
ただし、この広告は
TOKYO 2020 PARALYMPIC GAMES
としてあり、下にパラマークがついているので、パラリンピック関連広告と理解できる。
したがってオレンジ色文字で示したキャッチコピーは
パラリンピック用に向けた内容になっている。
障害を克服し、スポーツに情熱をそそぐアスリートたちの顔は一様に明るい。
「金をとれずに、悔し涙のインタビュー」ゃ
「力およばず銅メダルでの表彰台で、終始不機嫌な顔をする」というような
オリンピック参加のアスリートの一部に見られた悲壮感は、
パラ参加のアスリートには見られない。
「期待に添えるために、真剣に持てる力と技術を最大限に発揮し競技に臨む」
「その上で、自分も楽しみたい」。
ここに見られるのは、障害を乗り越え、より高い精神の高みに到達したアスリートの
余裕さえ感じる。
力およばず実力を発揮できない結果に終わっても、インタビューの言葉は明るい。
アスリートたちに求められるのは国歌や国旗掲揚ではなく、国家と国家の競い合いではない。
障害を乗り越えて、アスリートとして晴れの舞台に立つまでに、
人には語らないたくさんの苦労を乗り越えてきたはずだ。
国籍が違い、話す言葉が違っても
同じ競技を競う仲間と切磋琢磨する「集いの場」。
私たちが忘れかけていた、オリンピックの精神とスポーツの原点を
パラ・アスリートたちは私たちに見せてくれる。
どうすれば人は、
困難と共に生きていけるだろう。
アスリートたちの姿がその答えを示唆しているように思う。
いくつもの答えがこの舞台に集う。
オリンピックの意味ゃ スポーツの意味を探るための答えを
私たちも探ってみよう。
(昨日の風 今日の風№121) (2021.8.28記)