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雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

春爛漫 ああ…惜春

2010-04-12 12:25:42 | 季節の香り
 曇天の春の日がウォーキングにはちょうどいい。

 花曇り。

 遠くに連なる桜並木は
 白い帯となって
 まさに「霞たなびく」絵である。

 満開になった桜が
 あるかなしかのやさしい風に触れて
 ハラリと散り始めるのを眺めるのは
 何とも言えず
 風情を感じる

 春の空を覆うばかりに咲き誇る桜の花びらの
 最初のひとひらが
 枝を離れて
 落下する

 その瞬間から

 舞い落ちる花の乱舞が始まる

 ああ…
 惜春

 春は初夏へ向けて
 一気に流れていく 



 
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今年の賀状

2009-01-10 11:24:15 | 季節の香り
 初春をことほぎ新しい年の訪れを
       ともに喜びたいと思います


 海岸の防砂林を抜け出てくる松風
 海から上がってくる日の光
 松のこずえを金色に染めて
 たゆたう朝もやの中を
 瑞雲にのって御来光が昇る
 潮の香りが
 心まで清浄にしていく
  (大洗海岸の防砂林にて)
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雨あがりのペイブメント

2008-11-30 23:01:19 | 季節の香り
雨あがりの道
濡れたペイプメントに映る
晩秋の空の色

水たまりにへばりつく
濡れた落ち葉

風もなく
穏やかな一日の
黄昏が
西の空からやって来る

犬を連れてウォーキングする人ひとり
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花火師の恋

2008-08-28 21:36:55 | 季節の香り
 大地を揺るがすような音と同時に
 漆黒の夜空に向かって
 赤い炎が立ち昇る

 見上げる人々の頭上に
 大輪の火の花が鮮やかに開花していく
 
 赤く
 限りなく赤く
 まるで血のように赤い火の花に
 見上げた観衆から
 感動のため息が漏れる

 花火師は
 愛する娘を
 永遠に
 自分だけのものにするために
 娘の心臓を
 スターマインの玉の中に込め
 打ち上げたのでした……

 その夜
 娘が一人
 村から姿を消しました


  花火師の悲しい恋の物語を想像しながら
  果たして、花火師の思いは天に届いたのだろうか
  と、河川敷の草をかきわけながら雑踏から離れ
  仰ぐ夜空にまたひとつ、恋の想いが花開きました
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夕立に濡れて

2008-08-21 10:55:33 | 季節の香り
 前方、北の空を見上げると 黒く重い雨雲。
 一瞬、ウォーキングを中止し、引き返すかどうか思案するが、
 そのまま、愛犬「はな」と歩くことに決めた。

 風が強くなり、丘陵地帯の林を抜ける突風は
 木の葉を吹き飛ばし、枯れ枝を落としてくる。

 「やばい」

 引き返さなかったことをわずかに後悔しながら、
 突風の中を、急ぐ。


 県外の上流ではかなりの雨が降ったのだろう
 G川の水かさが、時間の経過とともに増えてくる。

 水かさが増え、遊歩道まで水が乗り上げれは
 逃げ場はない。

 突風がやんだ。
 予想した通り、豪雨となる。
 増水の状況をみると、水が遊歩道を浸水するまでには、
 まだ時間を要するようである。

 風の吹く前には散策していた人たちもいつの間にか姿を消し
 篠突く雨に煙る、河川敷には私と愛犬だけになってしまった。

 不安な思いをしながら、全身ずぶぬれになり
 一方では、
「こんな経験はめったに出来ない貴重な経験だぞ」
 という、気持もどこかにあって、無事帰宅してみれば
 安堵するとともに、これもいい経験ではないかと
 濡れて冷えた体を、湯船で温めながら、思いを巡らす
 私がいました。
 
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晩夏の風

2008-08-15 21:38:06 | 季節の香り
 蝉時雨の葬送曲に送られて
 晩夏の夕日が
 西の空を茜色に染めて
 墜ちて行く

 対局の東の空から
 宵の薄暮の中を
 橙色の月が静かに登ってくる

 この月の色は
 胎児が母親の羊水の海の中で透かし見る
 危険だけれども
 まだ見ぬ、未知の憧れの世界の色に似ている

 宵の明星が
 最後の夕日を浴びて
 一瞬の輝きを反射する

 葬送の蝉時雨がやんで
 風は
 川面を渡り
 晩夏の時を告げる
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立秋をむかえて

2008-08-10 22:25:54 | 季節の香り
立秋をむかえて つれずれに

 空が茜色に染まりはじめ
 長い夏の日の一日が
 ようやく
 終わろうとする
 黄昏どき

 一瞬涼やかな風が
 緑の林の
 下草をなでて通り過ぎる
 胸いっぱい吸い込んで
 見上げた夏の群青の空に
 まっ白い入道雲が
 夕暮れの光を浴びて
 うっすらと
 淡い茜色に染まっていた

 明日も
 暑くなりそうな予感が流れるなかを
 蜩(ひぐらし)が
 晩夏のときを告げている

 (八月・葉月夕暮れの遊歩道を歩きながら)
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薫風薫る 5月の風

2008-05-15 23:12:22 | 季節の香り
 5月のあぜ道は
 光に満ちている。

 灌漑用水から取り入れた水を
 満々とたたえ、田植えの終ったばかりの
 稲の苗は頼りなく、水面に葉先を少しのぞかせて
 田園の上をふいて渡る優しい風に、葉をなびかせている。

   5月の風は
   少し汗ばんだ肌に
   初夏の香りを運んでくる。

 群青の空に
 雲雀は高く高く舞い上がり
 空の高みの青に溶けて消えて行く
 天空を舞う羽は
 点になり
 さえずりだけが光と共に降ってくる

 5月は「命のときめき」
 再生の風が
 田園の水面を通り過ぎて行く


      (こんな田園の風景がたまらなく好きです)

 
 
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我が家の牡丹

2008-05-02 21:29:07 | 季節の香り
 今年も、丹精込めた甲斐があって、牡丹が咲きました。
紫、赤(写真)、ピンク、白などそんなに広くない庭に百花繚乱です。

 ひと月前、桜の花の下、春の訪れを謳歌したばかりなのに、
牡丹の開花を迎えて、今日はもう初夏の風が、さやさやと
透き通るように薄い花びらをわずかに揺らしています。

 「牡丹蕎麦会」は我が家の恒例行事。
私の得意の「手打ちの蕎麦」を食べながら、親しい友人、お世話になった人、
お世話した人、兄弟等招待客と楽しい語らいが展開する「牡丹蕎麦会」です。

 2日、三回に分けての楽しい「牡丹蕎麦会」でした。

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雨に濡れた山桜

2008-04-10 21:47:51 | 季節の香り
 満開の桜に春の雨と風。我が家の近くの桜は
そのほとんどが「ソメイヨシノ」です。

 ある時期一斉に咲いて、当然のことながら
一斉に散ってしまう。

 空を覆うばかりの淡いピンクの花が、風のそよぎもないのに
最初のひとひらが、はらりと散るとそれが花吹雪の開始の合図のように
はらり、はらり、はらはらはらはら…………花吹雪の乱舞が始まり
それは本当に短時間に散ってしまう。

 ソメイヨシノの春は一斉に始まり、一斉に終焉を迎える。

 春に追われて、北へ目指して車を飛ばし、山に分け入り、山桜や
ボタンザクラを追いかけて行く。

 今日。春雨も3日も続くと、ちょっとうんざりです。
 
  煙るように降る雨の中、山桜の里へ。
 しとどに濡れた山桜は、赤い葉を花の間から覗かせ、
 雨滴の重みに枝先を垂れていた。

  訪れる人もなく、雨に濡れ、山里の風景の中に溶け込むように
 ひっそりと咲く山桜。
  風情があって、心までしっとりとして、春に追われるせわしい気持ちが
 和んでくるようでした。


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