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雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

風の行方(15) 人の心と科学(3)

2012-10-01 22:12:37 | 風の行方・原発

第2部(4)  人の心と科学(3)

「安心という名の社会システムを、根底から覆してしまった」

 「人間の作りだした文明が人間の存在を脅かしてしまう」

3.11が私たちに突きつけた苦難と警鐘。

一年半過ぎた現在でも、絶望や悲しみから立ち直れず、

不安な日々を暮らす人は多い。

特に、原発過酷事故による放射能拡散の汚染は私たちをパニックに陥れた。

目に見えず、無味無臭の放射能の恐怖は、

政府に「安全」というデーターを提示されても、もはや信じることはできない。

 

 「安全神話の崩壊」は、

私たちを安易に信じることの愚かさを教えてくれた。

 

 電源三法交付金によって原発立地自治体の財政は豊かになり、

住民の生活も豊かになっていった。

 

 過疎の地域に設置された原発の電気は、

遠く離れた人口密集地帯である都市部へ供給され、

都市に住む人々は、それを当然の成り行きとして享受してきた。

 (写真:河北新報 福島県双葉郡双葉町・無人の街)

 3.11は私たちが当然として受け止めてきた「安心」という社会のシステムを、

根底から覆してしまった。

 

 自然の持つ脅威に、改めて私たちは、

地震や津波に対する認識がいかに甘かったのかを思い知らされた。

 

 根こそぎさらわれた津波の去った町に立ち、

放射能に追われ、慣れない異郷の地に立って、

「こんなはずではなかった」とつぶやく。

 

 無人の街・双葉町(写真)

 歩道に雑草が生い茂り、地震で倒壊した家屋は手付かずのまま。

「警戒区域」に指定され、

全町民の6971人が異郷の地での避難生活を強いられている。

 

 「希望的に言っても帰還まで10年かかる」。

双葉町長・井戸川氏の悲痛な言葉である。

「希望的……」というところに、先の見えない不安が感じられる。

 

 いったい、私たちはどこで何を間違えてしまったのか。

                                     (つづく)

 

 

 

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風の行方(14) 人の心と科学(2)

2012-09-23 21:30:28 | 風の行方・原発

第2部(3)  人の心と科学(2)

 幸せを願い、人間の社会は成熟社会を追求してきた。

英知が科学を発展させ、私たちはいつの時代でも、

その時代のもっとも良いと思われる科学技術の恩恵を享受してきた。

 幸せを追求してきた科学技術であるが、時として科学は、

人間に牙をむいて襲いかかってくる。

 1950年から1960年代は全国各地で、公害問題が発生した。

後に四大公害と言われたメチル水銀による新潟水俣病(阿賀野川流域)、

熊本県水俣市の水俣病(熊本県・鹿児島県・八代海岸沿岸)、

カドミウム汚染のイタイイタイ病(富山県神通川流域)、四日市ぜんそく(三重県四日市)などは、

人間の科学に対する無節操な行為が引き起した科学の負の部分である。

 

 「原子力の平和利用」もまた「核」という問題を解決できないままに、

見切り発車をし、原子力は一方は、「核兵器開発」の道を進み、

一方は枯渇する化石燃料と地球温暖化現象のエネルギー救世主として、

原子力発電の道を歩むことになる。

 

 見切り発車で安全の確認ができない状態の原発を、

「安全神話」というオブラートで包み、

推進と開発のための膨大な予算をつぎ込み、

反対運動を切り崩してきた、国や電力会社や原発推進派の専門家の責任は重大である。

 

 「安全神話の崩壊」は私たちの心に何をもたらしたのだろう。

 

 2011.3.12午後3時過ぎ、

福島第一原発1号機の原子炉建屋が、鉄骨の骨組みを残し吹き飛んだ。

原発の「安全神話」が崩れ去った瞬間である。

続いて、14日午前11ごろ、今度は3号機で、2回にわたって爆発があり、

水素爆発特有の白い煙が空高く舞いあがった。

 

 未曾有の地震と巨大津波に襲われ、

その上、原発事故の見えない恐怖が私たちを襲った。

                               (つづく)

              (写真は、2011.3.14爆発する福島第一原発3号機福島中央テレビの映像)

 

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