君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
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『君がいる幸せ』 限りある永遠(limitato etemita)編二章 番外

2016-07-09 03:47:53 | 『君がいる幸せ』 limitato etemita編二章
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。 
 <用語>
惑星ノア 人類の首都星
惑星メサイア ミュウの星 ノアに近い位置にある
惑星スメール カナリアの子供たちとフィシスが暮す星
<人物>
ジョミー ノアの前副首相 ジュピターという宇宙の軍を動かせる権限を持っていた
キース・アニアン ノアの首相 人類の評議会議長を兼任していたが…ニュクス事件後行方不明中
シド シャングリラのキャプテン


   『君がいる幸せ』 限りある永遠(limitato etemita)編二章 番外

  『七夕』

「七夕でもするのですか?」とシドが聞いたきた。
「たな?え?何?」
「たなばたですよ」
「?」
「短冊に願い事を書くんでしょ?」
「ああ、これ?」
 とジョミーは手にした紙を見る。
「それを笹に飾って、星に願うんです」
「スメールでね。何かするって。そうか、そんな風に使うんだ」
「何を書くんですか?」
「思いつかなくて…」
「年に一度の恋人同士が会うなんて、ロマンチックですよね」
「?」
「知らないんですか?七夕はですね…」

 七夕は年に一度恋人と会う日だと言う。
 それは、年一度しか会えない恋人同士って事だ。
 短冊に願いを書いて、星に願いをかなえてもらう。
 星になって戻ってきて欲しい人。
 答えられなかった。

 前なら答えるまでもなかった。
 ブルーの名を言っていただろう。
 いつか、貴方の所へ行く時、僕はどんな顔をしているのだろう。

「ああでも、ジョミー」
「何?」
「明日じゃないですか。書いても七夕に間に合いませんよ」
「じゃあ、何も書かなくていいか」
「それではスメールの子ども達が納得しないですよ」
「実はね。シド。子ども達は好きな子の名前を書いていたんだ。だから、書けなくて持ってきたんだ」
「好きな子ですか?キース・アニアンとは書けないですよねぇ」
「まぁ、そう…だよね」
「適当に誰か…。フィシスは?」
「本人に拒否されたよ」
「あの方は、あなたをからかってますねぇ」
「全くね」
「もう願い事なら何を書いてもいいんですよ」
「願い…」

 いつになれば、僕の思いは叶うのだろう。
 叶わない願いが多すぎて、僕はもう何も出来ないのだろうか?

 僕の部屋にかけてあった「ピーターパン」の絵が小さな音を立てて落ちた。
 それを拾い僕は短冊に文を書いた。

『The moment you doubt whether you can fly, you cease forever to be able to do it.』
(飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなっているんだ)

 今は、何も考えずに進めばいい。
 その先できっと出会えるさ。






  番外終わり。

※遅くなりました。思ったより書きにくくて…。;
 時間軸は、ニュクス事件前、シドと二人でスメールに行っていた頃です。




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