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公共図書館のツタヤへの指定管理に住民投票がノー 愛知県小牧市(K)

2015-10-05 | 事務局のつぶやき・研究所では
 愛知県小牧市のCCC(ツタヤなどのグループ)による新図書館の運営計画の是非について昨日、10月4日、住民投票があった。反対32352票、賛成24981で大差で反対多数となった。投票率は50・38%。
 愛知県小牧市がモデルとした佐賀県武雄市図書館は極めて大きな問題を抱えていた。

指定管理者CCC(蔦屋書店、DVDレンタルショップTSUTAYA、TSUTAYA系列スターバックス.Tカード等を経営)が図書館に大量の売れ残り中古本を選書し購入
 図書館友の会全国連絡会の小牧市長にあてた「武雄市をモデルとした新図書館建設の再考を求める要望書」によると、
 武雄市では、図書館運営を受託した指定管理者カルチャーコンビニエンスクラブ株式会社(CCC)が大量の「ゴミ本」(売れ残れば中古書店はごみとして処分する本。マスコミネットは「ゴミ本」と言う。適切な言葉が見当たらずこれを使う)を購入していたなどの選書問題が明らかになった、という。
 武雄市は平成25年4月CCC(蔦屋書店、DVDレンタルショップTSUTAYA、TSUTAYA系列スターバックス.Tカード等を経営)を指定管理者として武雄市図書館をリニューアルオープンした。このことは従来の図書館のイメージを一新した「新しい図書館モデル」、優れた図書館の姿としてマスコミにも広く報道されました。当然ながら、この目覚ましい「成功モデル」の後を追う自治体も出てきた。
 しかし今、「新しい図書館モデル」をめぐってCCCや樋渡前武雄市長への疑惑をマスコミが一斉に取り上げ始めた。発端はCCCがリニューアル開館時に選定購入した1万冊の中に「東京おいしい店ガイド2000~2001」「公認会計士第2次試験2001」「ラーメンマップ埼玉2(1997年刊)」などの「ゴミ本」を、CCC関連の古書販売会社ネットオフから買っていたと報じられたことにある。このことでCCCは異例の謝罪文をネットで発表した。

海老名市でもCCCが古本や異常な選書
 時をおかずに武雄市に次いで「新しい図書館モデル」を導入した神奈川県海老名市(武雄市と同じCCCに株式会社図書館流通センターTRCが加わった共同企業体が指定管理者)でも武雄市と同じように「ごみ本」が発覚した。10月1日のリニューアルオープンに向けて、今年度1万冊購入予定のうち、8343冊の購入リストが明らかになったが、武雄市同様に古書が多く、加えて半数の4,126冊を料理本が占めること、「アイミクロンメガネクロス」20件(本と言うよりは「メガネ拭きの布)なのである)や40年から10年位前の様々な雑誌を含んでいることが明らかになった。
このようなことが起きる背景は、指定管理者制度の下では例えば年間2億円の指定管理料で1億円が残れば、その1億を指定管理者の取り分とする契約が通常的になされていることにある。海老名市でも通常の契約がなされていれば、最低1万冊の本を安く購入すれば、CCCの利益は増えることになる。利益を優先させる民間会社の下ではきちんとして本を選択購入しようということもなくなる。安い本を買って選書もいい加減になれば蔵書の質は落ち、利用者の足は遠のき、図書館への信頼は失われます。

前武雄市長の独断でCCCを決定など疑惑、異常が次々
1 指定管理料の使途が明らかにされていないこと。例えば蔦屋書店店員と図書館担当社員の区別がないので、公費(税金)で蔦屋書店店員のほぼ全てをまかなっていることもありえないことではないこと。その他、便宜供与と見えるもの(例えばテナント料、光熱費負担、商業施設の宣伝料等)は多数ある。
2 CCC営業と競合する多くの資料は図書館から排除された。
3 CCCの商業店舗を作るために4億5千万円の公費で改修を行ったこと。入口付近の主要部分をCCCの商業店舗に与えた。
4 指定管理業者選定にあたっては定められた手続きは踏まずに、市長の独断でCCCを指定管理者とする基本合意書を契約した。
 その他安全性をおろそかにした改修計画から図書館部分に問題が多発したこと、Tカード採用による個人情報漏洩の危険性の問題、全国統一的なNDC方法を採用する独自の武雄市21新分類法で配架しているため、今でも書架の整理は不十分な状態が続いている、など多くの問題も指摘されている。
 経費節減でも図書館としての役割が果たせないなら無駄遣いになる。


図書館は大きな見返りを提供する、地域・将来に大事なもの
 アメリカ社会に役立つ図書館の十二条(竹内著「図書館のめざすもの」)の中の「図書館は大きな見返りを提供する」という項では、大実業家を育てたり、身近な目標の実現にも援助を提供している例を挙げて「サービスの充実した公共図書館があるとその地域の経済活動がもっと活発なものになる」と言っている。アメリカの貸出冊数は平均7冊以上。そのための経費は約34ドル、ハードカバー1冊分。日本の図書館の経費は国民一人当たり2,174円、これは日本の出版物の平均定価に匹敵する。それで日本人は5.6点の資料を借りている。
 地域の、日本の将来には何が必要なのかよく考えよう。

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1 コメント

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Tカードと個人情報漏洩ルート・・・武雄図書館で車検の話題が?? (匿名)
2023-07-18 07:52:15
【参考1】『山尾しおり「Tカード」令状なく捜査当局に情報提供1/23 衆院・法務委』
(h)ttps://www.youtube.com/watch?v=RezEN7O-PXkを視聴しました。
「警察庁では令状なしで(武雄図書館を含む)図書館にたいして特定個人の利用履歴をもとめることはあるのですか。」という質問に対して官房審議官は「都道府県警察が図書館に対して利用履歴を求めた事例に関しては報告をうけていない。」と答弁しています。また、「報告を求めたけれどないと把握しているのか、事実の有無に関して把握しないのか。」という質問に対しては「事実関係を把握していない。」と答弁しているようです。
ただし、「図書館が照会書で貸出履歴を開示してしまったということに関しては新聞記事にもなってしまっていた。」ということらしいです。

【参考2】『武雄市図書館(佐賀県)、お知らせ「当館におけるTカードの個人情報および貸出履歴の管理について」を発表』(h)ttps://current.ndl.go.jp/node/37510によると、『2019年1月25日、武雄市図書館(佐賀県)は、「武雄市図書館をご利用のみなさまへ」と題し、お知らせ「当館におけるTカードの個人情報および貸出履歴の管理について」を発表しました。Tカードによる図書の貸出や自動貸出機を利用した場合のTポイントの付与において、個人情報や貸出履歴を、Tカードを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)に提供していないことを説明する内容です。』と記載されています。

【参考3】『スターバックスが入ったお洒落な「武雄市図書館」に行ってみた!』
(1)(h)ttps://www.youtube.com/watch?v=7pSoB9Duy4Uを視聴しました。
2021年3月時点で「武雄市図書館に来たことがない人の情報に関して言うことは私たちにとっては情報漏洩ではない。」といっている人は工事をしている業者や通行人であって武雄市図書館の職員ではないようです。図書館内の状況では(多少??)情報漏洩がないとは言えない状況があるといっている人がいますが、図書館の利用履歴に関しての情報漏洩ではなさそうです。ここで疑問なのですが、武雄市図書館内にいた人たちはどのような関係者であり、どのような手段を用いて誰のなんの個人情報に関することを話していたのでしょうか。個人情報の漏洩をしているのは図書館の職員ではなく、別の業者や関係者である可能性が高そうです。しかしながら、個人情報漏洩の状況がないといえないのも確かなようです。ある意味で不祥事や汚職になりそうな「闇業務」や「闇バイト」をしている関係者が武雄市図書館内に出没しているという状況があると考えられます。

①特定人物Aの何の話題に関して言っているのか(自動車の車検??)。図書館や書物の話題と関係あるのか。
②特定人物Aの話題はどのようにして武雄図書館に持ち込まれたのか。
                      ↓
2021年7月~8月 東京2020オリンピック・パラリンピック
                      ↓
2021年9月
   ↓
(2)『多賀城図書館|市内を歩く Dji Osmo Action【Vlog Episode#110】』
(h)ttps://www.youtube.com/watch?v=hlQt_P-sS4c
①特定人物Aの何の話題に関して言っているのか。図書館や書物の話題と関係あるのか。
②特定人物Aの話題はいつ、どのようにして多賀城図書館に持ち込まれたのか。

2021年9月以前、例えば2020年には特定人物Aの話題は持ち込まれていたのか。
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