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汚染物質を資源植物で浄化する 埼玉県環境科学国際センター講演会(平成25年度)(K)

2014-02-15 | 放射能問題
 埼玉県環境科学国際センター講演会(平成25年度)が2月4日、ソニックシティーでありました。
 2つ新鮮な発表と展示がありました。一つは汚染物質を資源植物を使って浄化する研究、もう一つは地中熱の調査でした。

汚染物質を資源植物で浄化する
 中国では大気汚染、水質汚染によって土壌が汚染された畑が問題になっている。
 近年、急激な経済の発展に伴い、重金属等の有害物質による農地等の土壌汚染が深刻化しています。現在、中国では2,000 万ha の農地(日本農地総面積の約4.3 倍)が汚染され、年間1,200 万トン(日本のコメ消費総量の約1.6 倍)の食糧が汚染によって廃棄されています。

ファイトレメディエーション
 これをファイトレメディエーションという技術を使って浄化するというもの。ファイトレメディエーションとは、植物が光合成を行いながら成長する過程で、根や気孔から水分や養分を吸収、蓄積、分解、固定する能力を利用して、土壌や水、大気中の汚染物質を除去する技術です。これまでのこの技術は①他の技術に比べて修復効率が低く、修復に長い期間を要すること、②トータルコストは低いが修復期間には収入(利益)が得られないことが挙げられています。従来のファイトレメディエーションは、重金属高蓄積植物等の特殊な植物(専用植物)を開発し、汚染土壌に栽培した後に、収穫した植物を焼却処理するものです。このような特殊な植物は一般に高価であり、収穫後の焼却処理にはさらに処理コストがかかります。この結果、あまり普及してきませんでした。

ありふれた資源作物を使う
 今回の研究は、この植物に特殊な植物ではなくトウモロコシなどのありふれた植物を使うこと、実もエタノールなどの原料として使うというものです。浄化と資源作物を作るというアイディアで興味を引いた。放射能で汚染された東北の田畑のイメージを重ねて聞いた。
 原理は図のようです。


 研究は中国の上海、山西、吉林で行われ、研究の結果は表の通りトウモロコシとヒマワリは、専用植物のESとKSに比べ生育力に優れており、修復能力を表す土壌単位面積あたりの植物の地上部の重金属蓄積量は専用植物に劣っていませんでした。


 資源植物にはトウゴマ、ソルガム(コーリャンの一種)、トウモロコシ、ヒマワリ、大豆、菜の花、落花生などでした。吸収の結果は、その地方ごとに吸収率が異なり、順位も異なりました。この原因はどこにあるのか、適地適作に比例するのか、気温との関係がるのかなど今後のテーマのようです。

放射能汚染土壌への貴重なヒント
 とはいえ、日本の放射能汚染の田畑をどう除染するのかへの貴重なヒントのように思えます。
 これに、スウェーデンの農業省の放射能汚染の浄化の研究結果を加えれば、より効果的な除染の方法が見つかるかもしれません。
 すでに、汚染土壌の浄化にはNERCの大友詔雄氏が汚染植物のメタン化を提案している。植物による効率の違いの研究に注目です。(K)

大飯原発が9月2日に3号機、9月15日に4号機が定期点検 原発ゼロに(K)

2013-08-04 | 放射能問題
 原発事故は1日100トンの放射能汚染水が止まらない。海に流れ出ないように壁を作ると、堰き止められて汚染水が溜まり水位が上がって壁を乗り越える。規制委員会は急いで汚染水をくみ上げろと言う。これでは壁を作っても意味がない。海に流すと魚が危ない、食べられない。風評ではなく本当に汚染被害を増やすだけ。

 一昨日の国会前の原発廃止の訴えでは「大飯原発が9月2日に3号機、9月15日には4号機が定期点検に入る。原発ゼロが再びやってくる。そして再稼働させなければ脱原発になる。電気が足りないということが嘘ということも明らかになった。動かす理由はない。」と参加者が訴えていた。電気料金も原発がない沖縄電力でも高くない。
 日経新聞WEB版2013.8.1付によると「原発は法律で定期的な検査が義務づけられ、通常は数カ月間で終わる。ただ大飯原発は敷地内に活断層が存在する可能性が指摘されており、現時点で再稼働のメドは立っていない。」と。
ほかに再稼働を申請している原発を動かさなければ、脱原発は実現できる。

 また、同日の国会前行動では、アメリカのニューヨーク州ロングアイランドのショーラム原発は100%完成したのに地域防災計画が問題だらけだと指摘した住民の運動によって1989年に営業運転もせず、1ドルで売却されたことを発言した参加者もいた。

 参院選では原発即時ゼロに投票した人が飛躍的に増えた。この声を大きくしよう。

放射能汚染 食品の安全は土壌の数値の確認から 埼玉で800Bq超が1か所(K)

2012-03-26 | 放射能問題
5000ベクレル超の農地 8900ヘクタール
 「農水省は3月23日、岩手県から静岡県までの15都県の農地土壌に含まれる放射性セシウムの濃度分布図を公表しました」との記事が3月25日付で掲載されていました。

 昨年、4月8日、原子力災害対策本部は「水田土壌の放射性セシウム濃度の調査結果及び水田土壌中の放射性セシウムの米への移行の指標(別添)からみて、生産した米(玄米)が食品衛生法上の暫定規制値を超える可能性の高い地域については、稲の作付制限を行うこととする。

(別添) 水田土壌中の放射性セシウムの米への移行の指標
水田の土壌から玄米への放射性セシウムの移行の指標・・・0.1
(指標を前提として、玄米中の放射性セシウム濃度が食品衛生法上の暫定規制値(500ベクレル/キログラム)以下となる土壌中放射性セシウム濃度の上限値:5,000ベクレル/キログラム)」と作付制限を指示しました。

 今年4月1日からは、食品に含まれる放射性セシウムの新基準値が施行され、一般食品の新基準値は1キロ当たり100ベクレルとなります。前出の移行指標からすれば、土壌中の放射性セシウムの上限値は1000ベクレル/kgとなるべきものでしょう。

セシウム50ベクレル超でも重点的に調査を 厚労省
 厚労省は3月12日、平成24年4月1日の新基準値の施行を踏まえて、食品中の放射性物質に関する「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」について、所要の改正を行ったと報道発表しました。
 この中で、一般食品の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)の半分の50ベクレルを超えた食品なども重点的に調べるよう指示しています。

 改めて農水省の数値も見る必要があります。


 分布図の詳細は農水省のホームページから見ることができます(農水省HP>報道発表資料>3月23日 農地土壌の放射性物質濃度分布図の作成について>参考 【別添3】 農地土壌放射性物質濃度分布図)。 埼玉県では1000ベクレルを超えるところはありませんが、測定地70地点中、三郷市幸房が840ベクレル/キログラム(基準日11月5日に補正した値)と最も高く、吉川市皿沼410、吉川市上内川240などとなっています。測定地点と測定結果の詳細は、農水省HP>報道発表資料>3月23日 農地土壌の放射性物質濃度分布図の作成について>結果の概要>農地土壌の放射性物質濃度分布図等のデータについてhttp://www.s.affrc.go.jp/docs/map/240323.htm>4 農地土壌中の放射性セシウムの分析値>埼玉県PDF で見ることができます。農家も消費者も被害者です。東電は賠償すべきです。

 原発再稼働の動きを政府は強めています。1年経っても原発周辺の地域は復興すら目途が立っていません。しかも、放射線の体への影響は20年後、30年後先です。政府の原発推進の関連予算は2012年度も4188億円でわずか48億円しか減少していません。

 「原発から再生可能エネルギーへ」の政策転換でこそエネルギーの転換は急速に変わります。日本の風力などの自然エネルギーは、現在の全国の2億kwの発電設備容量に対し、20億kwの導入可能量があります(平成22年度環境省委託事業 「平成22年度 再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査 報告書」平成23年3月)。日本はエネルギー大国であり、今やるべきことは、この可能性の確信を広げ、自然エネルギーを実用化する知恵を出し合うことではないでしょうか。(K)