埼玉県環境科学国際センター講演会(平成25年度)が2月4日、ソニックシティーでありました。
2つ新鮮な発表と展示がありました。一つは汚染物質を資源植物を使って浄化する研究、もう一つは地中熱の調査でした。
汚染物質を資源植物で浄化する
中国では大気汚染、水質汚染によって土壌が汚染された畑が問題になっている。
近年、急激な経済の発展に伴い、重金属等の有害物質による農地等の土壌汚染が深刻化しています。現在、中国では2,000 万ha の農地(日本農地総面積の約4.3 倍)が汚染され、年間1,200 万トン(日本のコメ消費総量の約1.6 倍)の食糧が汚染によって廃棄されています。
ファイトレメディエーション
これをファイトレメディエーションという技術を使って浄化するというもの。ファイトレメディエーションとは、植物が光合成を行いながら成長する過程で、根や気孔から水分や養分を吸収、蓄積、分解、固定する能力を利用して、土壌や水、大気中の汚染物質を除去する技術です。これまでのこの技術は①他の技術に比べて修復効率が低く、修復に長い期間を要すること、②トータルコストは低いが修復期間には収入(利益)が得られないことが挙げられています。従来のファイトレメディエーションは、重金属高蓄積植物等の特殊な植物(専用植物)を開発し、汚染土壌に栽培した後に、収穫した植物を焼却処理するものです。このような特殊な植物は一般に高価であり、収穫後の焼却処理にはさらに処理コストがかかります。この結果、あまり普及してきませんでした。
ありふれた資源作物を使う
今回の研究は、この植物に特殊な植物ではなくトウモロコシなどのありふれた植物を使うこと、実もエタノールなどの原料として使うというものです。浄化と資源作物を作るというアイディアで興味を引いた。放射能で汚染された東北の田畑のイメージを重ねて聞いた。
原理は図のようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/1a/274d93653ce71fe6d84fac2bde478aec.jpg)
研究は中国の上海、山西、吉林で行われ、研究の結果は表の通りトウモロコシとヒマワリは、専用植物のESとKSに比べ生育力に優れており、修復能力を表す土壌単位面積あたりの植物の地上部の重金属蓄積量は専用植物に劣っていませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/c9/4ca1f65c9026da05958d8d65eda4a586.jpg)
資源植物にはトウゴマ、ソルガム(コーリャンの一種)、トウモロコシ、ヒマワリ、大豆、菜の花、落花生などでした。吸収の結果は、その地方ごとに吸収率が異なり、順位も異なりました。この原因はどこにあるのか、適地適作に比例するのか、気温との関係がるのかなど今後のテーマのようです。
放射能汚染土壌への貴重なヒント
とはいえ、日本の放射能汚染の田畑をどう除染するのかへの貴重なヒントのように思えます。
これに、スウェーデンの農業省の放射能汚染の浄化の研究結果を加えれば、より効果的な除染の方法が見つかるかもしれません。
すでに、汚染土壌の浄化にはNERCの大友詔雄氏が汚染植物のメタン化を提案している。植物による効率の違いの研究に注目です。(K)
2つ新鮮な発表と展示がありました。一つは汚染物質を資源植物を使って浄化する研究、もう一つは地中熱の調査でした。
汚染物質を資源植物で浄化する
中国では大気汚染、水質汚染によって土壌が汚染された畑が問題になっている。
近年、急激な経済の発展に伴い、重金属等の有害物質による農地等の土壌汚染が深刻化しています。現在、中国では2,000 万ha の農地(日本農地総面積の約4.3 倍)が汚染され、年間1,200 万トン(日本のコメ消費総量の約1.6 倍)の食糧が汚染によって廃棄されています。
ファイトレメディエーション
これをファイトレメディエーションという技術を使って浄化するというもの。ファイトレメディエーションとは、植物が光合成を行いながら成長する過程で、根や気孔から水分や養分を吸収、蓄積、分解、固定する能力を利用して、土壌や水、大気中の汚染物質を除去する技術です。これまでのこの技術は①他の技術に比べて修復効率が低く、修復に長い期間を要すること、②トータルコストは低いが修復期間には収入(利益)が得られないことが挙げられています。従来のファイトレメディエーションは、重金属高蓄積植物等の特殊な植物(専用植物)を開発し、汚染土壌に栽培した後に、収穫した植物を焼却処理するものです。このような特殊な植物は一般に高価であり、収穫後の焼却処理にはさらに処理コストがかかります。この結果、あまり普及してきませんでした。
ありふれた資源作物を使う
今回の研究は、この植物に特殊な植物ではなくトウモロコシなどのありふれた植物を使うこと、実もエタノールなどの原料として使うというものです。浄化と資源作物を作るというアイディアで興味を引いた。放射能で汚染された東北の田畑のイメージを重ねて聞いた。
原理は図のようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/1a/274d93653ce71fe6d84fac2bde478aec.jpg)
研究は中国の上海、山西、吉林で行われ、研究の結果は表の通りトウモロコシとヒマワリは、専用植物のESとKSに比べ生育力に優れており、修復能力を表す土壌単位面積あたりの植物の地上部の重金属蓄積量は専用植物に劣っていませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/c9/4ca1f65c9026da05958d8d65eda4a586.jpg)
資源植物にはトウゴマ、ソルガム(コーリャンの一種)、トウモロコシ、ヒマワリ、大豆、菜の花、落花生などでした。吸収の結果は、その地方ごとに吸収率が異なり、順位も異なりました。この原因はどこにあるのか、適地適作に比例するのか、気温との関係がるのかなど今後のテーマのようです。
放射能汚染土壌への貴重なヒント
とはいえ、日本の放射能汚染の田畑をどう除染するのかへの貴重なヒントのように思えます。
これに、スウェーデンの農業省の放射能汚染の浄化の研究結果を加えれば、より効果的な除染の方法が見つかるかもしれません。
すでに、汚染土壌の浄化にはNERCの大友詔雄氏が汚染植物のメタン化を提案している。植物による効率の違いの研究に注目です。(K)