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維新八策の問題点その5 外交・防衛 憲法 -安保に固執 世界は外交による平和的解決が主流に(K)

2012-09-22 | 橋下維新の会
維新八策の7、8です

7.外交・防衛~主権・平和・国益を守る万全の備えを~
・日米同盟を基軸とし、自由と民主主義を守る国々との連携を強化
・日本全体で沖縄負担の軽減を図るさらなるロードマップの作成
・国連PKOなどの国際平和活動への参加を強化

安保に固執 世界は外交による平和的解決が主流に
 安保条約を基軸とし、PKOにも参加し、軍事による国際紛争解決の道を強化しようとしている。軍事による解決を強行したアフガニスタン、イラクでは多くの犠牲が出たにもかかわらず、現在も民主的選挙による安定政権ができていない。
 安保条約に固執するために沖縄の負担も国外ではなく、日本全体でという方向になっている。

 世界は、非同盟の国々やASEANなどにみられるように、軍事ブロックよりも外交による平和的解決という新しい紛争解決の努力を続けて、成果を挙げている。

*ASEANの創造的平和戦略
東南アジア友好協力条約(TAC。76年調印)の要点
①独立・主権 ②外国からの干渉拒否 ③相互不干渉 ④紛争平和解決 ⑤武力行使放棄
98年には52カ国が参加(中国、日本、北朝鮮、韓国、ロシア、EU、アメリカ・・・)
「対話が続く限り、紛争にエスカレートしない、コストパフォーマンスが良い・・・積極的安全保障」(講演「中国を含む東アジアの平和をどう創るか」川田忠明氏より2012.3.10)


8.憲法改正~決定できる統治機構の本格的再構築~
・憲法改正発議要件(96条)を3分の2から2分の1に
・首相公選制(再掲)
・首相公選制と親和性のある議院制=参議院の廃止も視野に入れた抜本的改革・衆議院の優位性の強化(再掲)
・地方の条例制定権の自立(上書き権)(「基本法」の範囲内で条例制定)憲法94条の改正
・憲法9条を変えるか否かの国民投票

憲法は簡単に変えるのではなく、国民の熟慮の保障こそ
解散・選挙を挟んで2度の国会あるいは連邦議会の議決の国も
 日本国憲法は改正要件が両議院の2/3以上を持って発議できるという改正しづらい硬性憲法である。硬性憲法は、人間の普遍的権利や価値が時の権力によって容易に侵されない、という長所がある。一方、時の民意を反映しにくいということもある。
 2007.05.10と、ちょっと古い記事ですが、All About(「よくわかる政治」旧ガイド)で辻雅之氏が主要国の憲法改正の手続きについてまとめていたので、要旨を紹介する。(出典は「世界の憲法改正手続き比較」


国会の過半数の議決のみ
 国会の過半数で議決(イギリス)
 連邦議会の過半数の議決のみ(スイス…国民が改正を発議できる。その時は国民投票も)

国会の過半数かつ国民投票
 国会または連邦議会の過半数かつ国民投票で過半数(フランス、オーストリア)
 連邦議会の過半数の議決後、州民投票で過半数の州で賛成かつ全選挙人の過半数(オーストラリア)
 連邦議会の過半数の議決後、州議会の2/3でかつ人口の過半数が承認(カナダ)

国会・連邦議会のおよそ2/3以上の賛成
 連邦議会の2/3以上の賛成(ドイツ)
 国会両院の3/5以上の賛成(スペイン…重要規定は2/3以上かつ解散選挙し再度2/3以上の議決かつ国民投票で過半数)

国会・連邦議会の2/3以上の賛成かつ国民投票・州議会の承認
 国会の2/3で議決後、国民投票で過半数(日本、韓国)
 連邦議会の2/3で議決後、州議会の3/4が承認(アメリカ)
 連邦議会上院の3/4、下院の2/3で議決後、州議会の2/3の承認(ロシア)

選挙を挟んで2度の国会あるいは連邦議会の議決。2度目は2/3以上の賛成が必要など
(デンマーク、スウェーデン、ベルギー、フィンランド、オランダ)

*共和制、議会制、王政、基本的人権など、憲法でも改正できない事項がある国もある


 国会や連邦議会での2/3以上の賛成が要件や、選挙を挟んでの2度の議決など、憲法改正に慎重な国が多い。
 国会等の過半数で改正できるとしている国でも、不文律や国民の発議権を保証、国民投票では全選挙人や人口を分母にしている、州の尊重又は選挙をまたいでの再議決、などで国民意思を反映しようとしている。
 主要な国々では国民の意思の反映を極めて重視していることがわかる。日本の改正要件は、厳しいというものではない。何のための軟性憲法か。簡単に変えられるようにするのではなく、国民が熟慮できることを保障することこそ大切だ。国民投票の分母を人口にしたり、国民の発議をつくることが民主主義にとって必要ではないのか。

維新八策 その4 6.経済政策・雇用政策・税制 を読む(K)

2012-09-22 | 橋下維新の会
維新八策を読む 続き

6.経済政策・雇用政策・税制~未来への希望の再構築~
・国・自治体・都市の競争力強化
・競争力強化のためのインフラ整備
・イノベーション促進のための徹底した規制改革
・供給サイドの競争力強化による質的向上=額(量)だけでなく質の需給ギャップも埋める
・民民、官民人材の流動化の強化徹底した就労支援と解雇規制の緩和を含む労働市場の流動化(衰退産業から成長産業への人材移動を支援)
・正規雇用、非正規雇用の格差是正(=同一労働同一賃金の実現、非正規雇用の雇用保護、社会保障強化)
・外国人人材、女性労働力(→保育政策の充実へ)の活用

弱肉強食の国際競争へまっしぐら 解雇規制の緩和、正規化を進めず
 経済政策はすべてを国際競争に勝てる仕組みへと強化している。非正規の格差是正はいうが、正規化は言わない。逆に、解雇規制の緩和、競争に勝てる供給サイドの額、すなわち競争に勝てる賃金、をいう。そして、自治体も、女性労働力も、インフラもそのために動員され、徹底される。

全世代で減少する正規雇用 15~24歳は 就労できない人16.2%、非正規24.8%
「労働力人口+就職しようとする者」に占める割合
厚労省労働力調査(H22年平均)より作成

 
 非正規はアルバイト、契約社員、派遣労働者などのこと。いつ解雇になるかわからない。1年ごとの契約でも、定期昇給もない、有給休暇も増えない、退職金もない、一時金も少ない。

正規と非正規こんなにも違う賃金格差
H23年版 労働経済分析の概要より

○賃金構造について、正規雇用者と非正規雇用者に分けてみると、正規雇用者では年齢とともに上昇する賃金カーブを描くのに対し、非正規雇用者の賃金カーブではほとんど上昇がみられない。こうした賃金構造の違いには、非正規雇用者では、労働組合などを通じた賃金交渉力が弱いこと」
などを挙げている。

維新八策では、どこまで改善するのか明確でない。

TPP参加「農業」は一字もない 脱原発依存? 原発廃止ではないのか
・TPP参加、FTA拡大
・先進国をリードする脱原発依存体制の構築
・成長のための税制、消費、投資を促す税制
・超簡素な税制=フラットタックス化
・所得課税、消費課税、資産課税のバランス

 TPPに参加方針が明確である。しかし、農業は一字も出てこない。食の安全保障はどのように考えているのだろうか。
 税制もフラット化をさらに進め、大企業、高所得者優遇をさらに進めるものとなっている。
原発も「脱原発依存」で野田内閣と同じ。原発は依存しない範囲で稼働する可能性がある。いわゆるベストミックスに。
 「ワークライフバランスの実現」という文言が入っている。東日本大震災・福島原発事故での教訓は、経済の利益優先をやめ、人間のくらしを優先にすることであったと思う。しかし、圧倒的な自由競争の推進、経済の効率化の記述で、大企業利益優先、経済における弱肉強食の国づくりが明確になっている。
 経済は人が安全に安心して暮らせるためのものであったはず。経済が安全や健康、生きがいを奪ってはいけない。

つづく

橋下維新の会「維新八策」その3 教育改革 社会保障制度(K)

2012-09-22 | 橋下維新の会
橋下維新の会「維新八策」その3  前回からの続き

4.教育改革~世界水準の教育復活へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・格差を世代間で固定化させないために、世界最高水準の教育を限りなく無償で提供する
・あしき平等・画一主義から脱却し、理解ができない子どもには徹底的にサポートし、理解できる子どもはぐんぐん伸ばす、個人の能力を真に伸ばす教育ヘ
・教育行政機関主導から生徒・保護者主導へ

 教育を無償にし、理解できるまで徹底的にサポートするという本人の意思を重視する教育理念であるならば、期待もできる。
 埼玉県の滑川町では学校給食費を保育園・幼稚園から中学校卒業まで無料にしている。学校給食は飽食の時代において、自分で選択できる能力を育てる実物教材と位置付けられている。人間は飢餓に対する適応力が備わっていても、飽食に対する適応力が備わっていないから生活習慣病が蔓延する。この考えが裏付けられ生活習慣病への健康指導としての食事指導は主要な項目である。この食習慣を現物によって身に着けようというのが学校給食の目的でもある。生活習慣病が少なくなれば医療費も激減する。

 大阪市の「施策・事業の見直し (試案)」(平成24年4月)では、■見直しに当たっての基準 として、
「指定都市(横浜市・名古屋市・京都市・神戸市)の標準的な水準に合わせる。」としている。この基準と、本当の教育の無料とどちらを優先するのか、明記されていない。

学校が「全面的発達の場」から「人材育成産業」へ
・教育委員会制度の廃止(首長に権限と責任を持たせ、第三者機関で監視)、教育行政制度について自治体の選択制
・生徒・保護者による公公間、公私間学校選択の保障
・公立学校長の権限の拡大・強化、校長公募など、学校マネジメントの確立
・学校を、学長・校長を長とする普通の組織にする
・校長・教頭等の人材確保のための適正な給与、教諭の定期昇給は一定在職年数まで
・大阪府・市の教育関連条例をさらに発展、法制化

 長期的展望に立った教育の目的が、時の首長の考えに左右されることになる、全面的発達ではなく、「学校選択」による時の経済界の要求を実現する学校への集中、トップダウン式の人材育成産業への変質と校長・教頭への給与の優遇によるその促進。
 一人一人の能力が尊重され、活かされ、開花してこそ、「あしき平等・画一主義から脱却」し、「世界水準の教育復活」ができるのではないか

5.社会保障制度改革~真の弱者支援に徹し持続可能な制度へ~
・真の弱者を徹底的に支援
・自立する個人を増やすことにより支える側を増やす
・個人のチャレンジを促進し、切磋琢磨をサポートする社会保障

 自立の名のもとにどれだけ生活保護申請が事実上拒否され、人間の尊厳を無視され、餓死者や孤立死、自殺者、無理心中を出してきたか。
 湯浅誠氏は「どんとこい貧困」の中で、世の中をイスとりゲームに例え、その原因を探す。
 座れたという人から見ると「努力が足りなかった」と考える。完璧な人なんていないから欠点は必ず探すことができる。そして、「自己責任論」と言って反論をできないようにする。
 しかし、座れなかった人から見ると、どんなに「すごい人たち」でも、最終的に座れるのは一人。だとすれば、イスに座れなかったのは、必ずしも「本人の努力が足りなかったから」ではなく、「イスの数が足りなかった」からということになる。「イスの数」を問題にするべきではないのか、と著者の湯浅氏は問題提起をしている。これを「構造的な見方」と言い、「構造的」というのは、社会の仕組みの問題である、と。

自立支援から貧民救済への生活保護の変質
・生活保護世帯と低所得世帯の不公平の是正
・(1)努力に応じた、(2)現物支給中心の、最低生活保障制度を創設
・所得と資産の合算で最低生活保障
・現物支給中心の生活保護費
・支給基準の見直し
・現役世代は就労支援を含む自立支援策の実践の義務化
・有期制(一定期間で再審査)
・医療扶助の自己負担制の導入
・被保護者を担当する登録医制度

 「・生活保護世帯と低所得世帯の不公平の是正」は「・(1)努力に応じた」とは、 (2)現物支給中心の、最低生活保障制度を創設
とは、「努力した」「低所得世帯」の収入に合わせるということ?
 現物支給とは、アメリカのフードスタンプ?就職のための交通費や服装、電話代、冠婚葬祭のための最低の費用などは?保護期間も有期制に。医療扶助はなくなり、自己負担に。しかも、被保護者は登録された医師にしか受診できない。治療は医師と患者の共同作業で行われるもの。患者は自分が信頼関係を築ける医師を選んでいる。医師が選べなくなることは治療にマイナスである。
 自立のための金も、職員も減らされ、自立はできるのか。生活保護費は自立のための生活支援ではなかったのか。

差別医療の導入
・公的保険の範囲を見直し混合診療を完全解禁
・公的医療保険給付の重症患者への重点化(軽症患者の自己負担増)

 医療費も混合医療の完全解禁やかぜなどの軽症患者は自己負担に。金が生存権まで保障されない。

さらにつづく

維新八策 最終案を検討する その2 統治機構の見直し 行財政 公務員制度改革(K)

2012-09-22 | 橋下維新の会
1.統治機構の作り直し~決定でき、責任を負う統治の仕組みへ~(続き)
・内政は地方・都市の自立的経営に任せる
・自治体の自立・責任・切磋琢磨(せっさたくま)
・国の仕事は国の財布で、地方の仕事は地方の財布で
・倒産のリスクを背負う自治体運営
・国と地方の融合型行政から分離型行政へ
・地方財政計画制度・地方交付税制度の廃止
・消費税の地方税化と地方間財政調整制度
・自治体破綻制度の創設
・道州制が最終形
 つまり、自治体は自分で税を集め、その金で運営しろというもの。そして、赤字が膨らんで借金が返せないようになったら、破産しろ、そうなると小さな自治体は財政破たんするだろうから、大きなまとまりの州になればいい、というもの。
 地方には、地理的、歴史的条件が異なる。山林などは人口がどうしてもまばらになる。平野の都市部は人口が密集し、効率がいい。港があれば海運が栄え、工業地帯もできる。寒いところは木々の生育も遅く、着るものも多く必要になる。日照時間も気温も違う。それをいっしょくたに自立、競争とはアンフェアだ。

2.財政・行政・政治改革~スリムで機動的な政府へ~

・首相が年に100日は海外に行ける国会運営

 え!国は、外交、防衛に特化、だから海外に行くし、行ける時間ができること?だったら、国税を安くして地方に厚くすべき。租税負担率(対国民所得比)、国税は11.7%、地方税は10.3%なのだ。

・衆議院の議員数を240人に削減

 諸外国の下院と比較すると、人口100万人当たりの議員定数は、表のようになる。日本はOECD加盟国34ヶ国中33位となっている。従って、日本の国会議員定数は人口に対して非常に少ない部類に入る。(wikipediaより。出典:佐々木憲昭「OECD諸国の国会議員1人当たりの人口、人口当たりの議員数(2011年)」)(Wikipedia、及び当該国議会のHPよりも確認できる)



・政党交付金(=政党助成金)の3割削減

 3割しか削減しない。政党助成金は思想信条の自由なのだからゼロでいい。財政が大変だ、自立だと言いながら「自立する政党」とは叫ばないのか。

3.公務員制度改革~官民を超えて活躍できる政策専門家へ~
・公務員を身分から職業へ
・省益のためでなく国民全体のために働く行政組織
・厳しくとも公の仕事を望むなら公務員に
・大阪府・市の公務員制度改革(頑張ったものは報われる、能力、実績主義、職位に見合った給料)を国に広げる
・内閣による公務員採用の一元化。社会人中途採用を基本
・任期付を原則とする等官民の人材流動化を強化
・任期付の場合には民間に劣らない給与・処遇
そして、2項の
・役人が普通のビジネス感覚で仕事ができる環境の実現

 「民意」とは、大阪市の例にもあるように、選挙によって選ばれた首長こそが民意という考えだ。公務員が自主的に考えることは悪である。こうした実態から見ると、「国民」とか「公」という言葉は「首長」と置き換えて読むべきだ。だから、公務員は住民の声を聞き、住民のために仕事をするのではなく、首長の方針に沿ってビジネス感覚で効率よく仕事をする、そして、忠実に頑張ったものが賃金によって報われる、民間の会社のような制度にしようというものなのだ。しかも、民間人の登用も、人事交流もできるようになっている。首長の情実の人事も心配だ。

さらに、つづく

9月1日発表の「維新八策」最終案の全文を検討する(K)

2012-09-06 | 橋下維新の会
 橋下維新の会は、民主でも、自民でもない、決断・実行する新たな選択肢の第三極である、という漠然とした期待を持たせるようなマスコミの報道が連日相次いでいる。第三極の中身は何か、9月1日に発表された「維新八策」最終案の全文を見る。全文は約5000字。(全文は文末を参照)

維新八策は次の構成である。

日本再生のためのグレートリセット
1.統治機構の作り直し~決定でき、責任を負う統治の仕組みへ~
2.財政・行政・政治改革~スリムで機動的な政府へ~
3.公務員制度改革~官民を超えて活躍できる政策専門家へ~
4.教育改革~世界水準の教育復活へ~
5.社会保障制度改革~真の弱者支援に徹し持続可能な制度へ~
6.経済政策・雇用政策・税制~未来への希望の再構築~
7.外交・防衛~主権・平和・国益を守る万全の備えを~
8.憲法改正~決定できる統治機構の本格的再構築~

 八策にはそれぞれ【理念・実現のための大きな枠組み】で考え方を示し【基本方針】で具体的な政策を列挙するという構成になっている。

「はじめに」にあたる「日本再生のためのグレートリセット」では
・自立する個人
・自立する地域
・自立する国家
と、自己責任論を主張し、それを
・決定でき、責任を負う民主主義
・決定でき、責任を負う統治機構
と、必ず実行すると宣言している。

1.統治機構の作り直し~決定でき、責任を負う統治の仕組みへ~
・国の役割を絞り込み、人的物的資源を集中させ外交・安全保障・マクロ経済政策など国家機能を強化する
・首相公選制

 首相公選制とは、アメリカ型の大統領制をイメージしているのだろう。

 大統領制とは、権力分立の観点から、立法府と行政府の厳格な分立を組織原理としているものをいい、両権力の緩やかな分立もしくはある程度の融合を組織原理とする議院内閣制と対比される。
 アメリカの大統領制では、大統領には議案提出権や法案提出権、予算提出権や議会解散権が認められていない。大統領が議会に議案を提出したいときは、自党の有力議員に法案提出を依頼する形がとられている。
 しかし、軍事・外交面においては、大統領は議会からの制約を比較的受けないとされ、非常事態宣言や戒厳令などの非常権限などがある。(wikipediaより)

 9.11のテロがあった時、ブッシュ大統領は「戦争だ」と言ってイラク戦争が始まった。アルカイダがイラクにいたわけでもなく、大量破壊兵器があったわけでもないのに、鶴の一声で戦争が始まった。こんな大統領制ならごめんだ。

首相公選制の導入を急ぐのは、なぜ?
 橋下市長の「日の丸」「君が代」の強制や、維新の会の「戦後レジーム(体制)からの脱却を大阪から」(坂井良和市議団長)発言、さらに、橋下氏の「学校の現場は育鵬社の教科書は全然採択しない。育鵬社の教科書とかの考え方もしっかり子どもたちにださないといけない」には、きな臭いものを感じる。
「日本の政治で一番重要なのは独裁」と公言する橋下市長。こんな人が戒厳令などの非常権限を持てるようになったら大変だ。

 一方、議院内閣制は、議会のみが選挙により選出され、内閣によって民意は一元的に代表される(一元代表制)。議院内閣制のほうが権限の委任関係は明白となるため、立法と行政との関係を円滑に処理するという点においては、より簡単な政治モデルであるとされる(wikipediaより)。
という。選挙や運動にかかわって国を変えられれば、議院内閣制でも問題はない。

つづく

参考 「維新八策」 最終案 全文

目次

日本再生のためのグレートリセット
・自立する個人
・自立する地域
・自立する国家
・決定でき、責任を負う民主主義
・決定でき、責任を負う統治機構

1.統治機構の作り直し~決定でき、責任を負う統治の仕組みへ~
2.財政・行政・政治改革~スリムで機動的な政府へ~
3.公務員制度改革~官民を超えて活躍できる政策専門家へ~
4.教育改革~世界水準の教育復活へ~
5.社会保障制度改革~真の弱者支援に徹し持続可能な制度へ~
6.経済政策・雇用政策・税制~未来への希望の再構築~
7.外交・防衛~主権・平和・国益を守る万全の備えを~
8.憲法改正~決定できる統治機構の本格的再構築~

日本再生のためのグレートリセット

これまでの社会システムをリセット、そして再構築
給付型公約から改革型公約ヘ
~今の日本、皆さんにリンゴを与えることはできません。リンゴのなる木の土を耕し直します~

大阪維新の会が目指す国家像
大阪維新の会の理念は、個人の自由な選択と多様な価値観を認め合う社会を前提に、
・自立する個人
・自立する地域
・自立する国家
を実現することです。
そのためには、国民全員に開かれた機会の平等を出発点として自助、共助、公助の範囲と役割を明確にすること、公助から既得権を排し真の弱者支援に徹すること、そして現役世代を活性化し、世代間の協力関係を再構築することが必要です。
多様な価値観を認めれば認めるほど
・決定でき、責任を負う民主主義
・決定でき、責任を負う統治機構
を確立しなければなりません。
中央集権と複雑な規制で身動きが取れなくなった旧来の日本型国家運営モデルは、もはや機能せず、弊害の方が目立つようになっています。今の日本を覆う閉塞感を克服し、国民の希望を取り戻すには、国からの上意下達ではなく、地域や個人の創意工夫によって社会全体を活性化し、グローバルな競争力を持つ経済を再構築する必要があります。そのためには国民の総努力が必要です。
大阪維新の会の理念を実現するために、維新八策を提案する。

1.統治機構の作り直し~決定でき、責任を負う統治の仕組みへ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・中央集権型国家から地方分権型国家へ
・難問を先送りせず決定できる統治機構
・自治体の自立・責任・切磋琢磨(せっさたくま)
・国の役割を絞り込み、人的物的資源を集中させ外交・安全保障・マクロ経済政策など国家機能を強化する
・内政は地方・都市の自立的経営に任せる
・国の仕事は国の財布で、地方の仕事は地方の財布で
・倒産のリスクを背負う自治体運営
・国と地方の融合型行政から分離型行政へ
【基本方針】
・首相公選制(人気投票的になることを防ぐ方法を措置)
・現在の参議院廃止を視野に入れた衆議院優位の強化
・首相公選制とバランスのとれた議会制度
・国会の意思決定プロセスの抜本的見直し
・政府組織設置に関し、法律事項から政令事項へ
・道州制を見据え地方自治体の首長が議員を兼職する院を模索(国と地方の協議の場の昇華)
・条例の上書き権(憲法94条の改正)
・地方財政計画制度・地方交付税制度の廃止
・消費税の地方税化と地方間財政調整制度
・自治体破綻制度の創設
・都市間競争に対応できる多様な大都市制度=大阪都構想
・道州制が最終形

2.財政・行政・政治改革~スリムで機動的な政府へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・役人が普通のビジネス感覚で仕事ができる環境の実現
・簡素、効率的な国会制度、政府組織
・首相が年に100日は海外に行ける国会運営
・持続可能な小さな政府
【基本方針】
・大阪府・市方式の徹底した行財政改革
・外郭団体、特別会計の徹底見直し
・無駄な公共事業の復活阻止
・密室の談合を排した行政プロセスの可視化
・行政のNPO化、バウチャー化→行政サービスの主体を切磋琢磨させる
・国会、政府組織の徹底したICT化
・プライマリーバランス黒字化の目標設定
・国民総背番号制の導入
・歳入庁の創設
・衆議院の議員数を240人に削減
・議員スタッフ機能の強化
・歳費その他の経費の3割削減
・企業・団体献金の禁止、政治資金規正法の抜本改革(全ての領収書を公開)
・政党交付金の3割削減
・地域政党を認める法制度
・ネットを利用した選挙活動の解禁

3.公務員制度改革~官民を超えて活躍できる政策専門家へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・公務員を身分から職業へ
・倒産のリスクがない以上、人材流動化制度の強化
・省益のためでなく国民全体のために働く行政組織
・厳しくとも公の仕事を望むなら公務員に
【基本方針】
・大阪府・市の公務員制度改革(頑張ったものは報われる、能力、実績主義、職位に見合った給料)を国に広げる
・官民給与比較手法(総額比較)の抜本的改正、人事院制度の廃止
・地方公務員も含めた公務員の総人件費削減
・大阪府・市職員基本条例をさらに発展、法制化
・公務員の強固な身分保障の廃止
・内閣による人事権の一元化
・内閣による公務員採用の一元化。社会人中途採用を基本
・採用試験の抜本的見直し
・任期付を原則とする等官民の人材流動化を強化
・管理職の内外公募制
・大胆な政治任用制度(次官、局長級幹部の政治任用)
・年齢・在職年数によらない職務給制度
・任期付の場合には民間に劣らない給与・処遇
・若手時代は官庁間異動を原則
・公務員労働組合の選挙活動の総点検
・公務員の関係首長選挙活動の制限
・国家公務員制度に合わせて地方公務員制度も抜本的改革

4.教育改革~世界水準の教育復活へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・自立する国家、自立する地域を担う自立する個人を育てる
・基礎学力を底上げしグローバル人材を育成
・格差を世代間で固定化させないために、世界最高水準の教育を限りなく無償で提供する
・あしき平等・画一主義から脱却し、理解ができない子どもには徹底的にサポートし、理解できる子どもはぐんぐん伸ばす、個人の能力を真に伸ばす教育ヘ
・教育行政機関主導から生徒・保護者主導へ
【基本方針】
・文科省を頂点とするピラミッド型教育行政から地方分権型教育行政へ
・教育委員会制度の廃止(首長に権限と責任を持たせ、第三者機関で監視)、教育行政制度について自治体の選択制
・生徒・保護者による公公間、公私間学校選択の保障
・選択のための学校情報開示の徹底
・公立学校長の権限の拡大・強化、校長公募など、学校マネジメントの確立
・学校を、学長・校長を長とする普通の組織にする
・国立大学長の権限拡大・強化、大学マネジメントの確立
・世界標準の英語教育と海外留学支援、最先端を行くICT教育環境
・教育バウチャー(クーポン)制度の導入=教育機会を拡大するとともに教育機関の切磋琢磨を促す
・校長・教頭等の人材確保のための適正な給与、教諭の定期昇給は一定在職年数まで
・教員を雑務から解放し教育に専念させる
・教員は幅広い学部出身者と社会人から実力重視で採用
・障害者教育の充実
・大学入試改革を通じた教育改革
・高度人材養成機関としての大学院の質向上と選抜性強化
・大阪府・市の教育関連条例をさらに発展、法制化
・教職員労働組合の活動の総点検

5.社会保障制度改革~真の弱者支援に徹し持続可能な制度へ~
【理念・実現のための大きな枠組み】
・真の弱者を徹底的に支援
・自立する個人を増やすことにより支える側を増やす
・個人のチャレンジを促進し、切磋琢磨をサポートする社会保障
・若年層を含む現役世代を活性化させる社会保障
・負の所得税(努力に応じた所得)・ベーシックインカム(最低生活保障)的な考え方を導入=課税後所得の一定額を最低生活保障とみなす=この部分は新たな財源による給付ではない
・持続可能な制度
・世代間・世代内不公平の解消
・受益と負担の明確化
・供給サイドヘの税投入よりも受益サイドヘの直接の税投入を重視(社会保障のバウチャー化)
→供給サイドを切磋琢磨させ社会保障の充実を通じて新規事業・雇用を創出
【基本方針】
・自助、共助、公助の役割分担を明確化
・社会保障給付費の合理化・効率化
・(給付費の効率化には限界があるので)高負担社会に備え積立方式を導入
・生活保護世帯と低所得世帯の不公平の是正
・(1)努力に応じた、(2)現物支給中心の、最低生活保障制度を創設
・所得と資産の合算で最低生活保障
・所得と資産のある個人への社会保障給付制限
・(受益と負担の関係を明らかにするため)提供サービスをフルコストで計算
・社会保険への過度な税投入を是正、保険料の減免で対応
[年金]
・年金一元化、賦課方式から積み立て方式(+過去債務清算)に長期的に移行
・年金清算事業団方式による過去債務整理
・高齢者はフローの所得と資産でまずは生活維持(自助)
・国民総背番号制で所得・資産(フロー・ストック)を完全把握
・歳入庁の創設
[生活保護]
・高齢者・障害者サポートと現役世代サポートの区分け
・現物支給中心の生活保護費
・支給基準の見直し
・現役世代は就労支援を含む自立支援策の実践の義務化
・有期制(一定期間で再審査)
・医療扶助の自己負担制の導入
・被保護者を担当する登録医制度
・受給認定は国の責任で
[医療保険・介護保険]
・医療保険の一元化
・公的保険の範囲を見直し混合診療を完全解禁
・高コスト体質、補助金依存体質の改善
・公的医療保険給付の重症患者への重点化(軽症患者の自己負担増)

6.経済政策・雇用政策・税制~未来への希望の再構築~
~経済政策~
【理念、基本方針】
・実経済政策・金融政策(マクロ経済政策)・社会保障改革・財政再建策のパッケージ
・実経済政策は競争力強化
・国・自治体・都市の競争力強化
・競争力を重視する自由経済
・競争力強化のためのインフラ整備
・産業の淘汰を真正面から受け止める産業構造の転換
・グローバル化する知識経済に適応できる産業構造への転換
・自由貿易圏の拡大
・国民利益のために既得権益と闘う成長戦略(成長を阻害する要因を徹底して取り除く)
・イノベーション促進のための徹底した規制改革
・付加価値創出による内需連関
・供給サイドの競争力強化による質的向上=額(量)だけでなく質の需給ギャップも埋める
・新エネルギー政策を含めた成熟した先進国経済モデルの構築
・TPP参加、FTA拡大
・為替レートに左右されない産業構造
・貿易収支の黒字重視一辺倒から所得収支、サービス収支の黒字化重視戦略
・高付加価値製造業の国内拠点化
・先進国をリードする脱原発依存体制の構築
~雇用政策~
【理念、基本方針】
・民民、官民人材の流動化の強化徹底した就労支援と解雇規制の緩和を含む労働市場の流動化(衰退産業から成長産業への人材移動を支援)
・ニーズのない雇用を税で無理やり創出しない
・社会保障のバウチャー化を通じた新規事業・雇用の創出(再掲)
・国内サービス産業の拡大(=ボリュームゾーンの雇用拡大)
・正規雇用、非正規雇用の格差是正(=同一労働同一賃金の実現、非正規雇用の雇用保護、社会保障強化)
・新規学卒者一括採用と中途採用の区分撤廃の奨励
・グローバル人材の育成
・外国人人材、女性労働力(→保育政策の充実へ)の活用
・ワークライフバランスの実現
~税制~
【理念、基本方針】
・簡素、公平、中立から簡素、公平、活力の税制へ
・少子高齢化に対応→フロー課税だけでなく資産課税も重視
・フローを制約しない税制(官がお金を集めて使うより民間でお金を回す仕組み)
・グローバル経済に対応
・成長のための税制、消費、投資を促す税制
・受益(総支出)と負担(総収入)のバランス
・負の所得税・ベーシックインカム的な考え方を導入(再掲)
・超簡素な税制=フラットタックス化
・所得課税、消費課税、資産課税のバランス

7.外交・防衛~主権・平和・国益を守る万全の備えを~
【理念、実現のための大きな枠組み】
・世界の平和と繁栄に貢献する外交政策
・日本の主権と領土を自力で守る防衛力と政策の整備
・日米同盟を基軸とし、自由と民主主義を守る国々との連携を強化
・日本の生存に必要な資源を国際協調の下に確保
【基本方針】
・日本全体で沖縄負担の軽減を図るさらなるロードマップの作成
・国連PKOなどの国際平和活動への参加を強化
・自由で開かれた経済ネットワークの構築
・豪、韓国との関係強化
・平等互恵と法の支配を前提とする、中国、ロシアとの戦略的互恵関係の強化
・ロシアとの間で北方領土交渉を推進
・ODAの継続的低下に歯止めをかけ、積極的な対外支援策に転換
・外交安全保障の長期戦略を研究、立案、討議するための外交安全保障会議の創設
・学術や文化交流の積極化と人材育成、外国研究体制の拡充
・外国人への土地売却規制その他安全保障上の視点からの外国人規制

8.憲法改正~決定できる統治機構の本格的再構築~
・憲法改正発議要件(96条)を3分の2から2分の1に
・首相公選制(再掲)
・首相公選制と親和性のある議院制=参議院の廃止も視野に入れた抜本的改革・衆議院の優位性の強化(再掲)
・地方の条例制定権の自立(上書き権)(「基本法」の範囲内で条例制定)憲法94条の改正
・憲法9条を変えるか否かの国民投票