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沖縄・高江支援に行きました 9月20日~23日(K)

2016-09-28 | 沖縄
沖縄・高江支援に行きました
 9月20日~23日高江支援で高江に行ってきました。

やんばるの森は貴重な亜熱帯林
沖縄・高江地区は豊かな自然のやんばるの森(やんばる(山原)とは、沖縄本島の北部のこと。森林が多いので山原と呼ばれたらしい。最近では、貴重な自然が残っている、大宜味村、東村、国頭村あたりを指すことが多いが、その辺りの亜熱帯林)の近くにあり、約150人が暮らしています。世界的にも希少な亜熱帯林のもとでヤンバルクイナ、リュウキュウアカショウビンなどの絶滅危惧種が生息し豊かな生態系をはぐくんでいます。しかし、この森の7800ヘクタールは広大な北部訓練場(米海兵隊ジャングル戦闘訓練センター)として、米軍が50年以上も居座り続けているのです。そればかりか「県民の負担軽減」と言いつつ、民家に近い高江地区にオスプレイパッドを建設し、オスプレイの訓練区域や上陸訓練のための提供水面も新たに作られました。すでに出来上がった直径75mの2つのオスプレイパッドでは訓練が開始され、夜間10時30分まで轟音が続き、子どもが勉強に集中できなくなり高江から1世帯が疎開しました。今は抗議行動が続いているのでオスプレイは訓練を控えているようで、見ることができませんでした。

やんばるの森にオスプレイ
オスプレイに関する反対決議は相次いでいます。
 2006年2月23日 高江区区民総会、ヘリパッド建設反対決議(2回目)
 2010年6月10日及び2014年3月19日に2回 大宜味村議会、東村高江地区へのヘリパッド建設に反対し、北部訓練場の無条件返還を求める意見書を可決。
 国頭村で、オスプレイ配備反対の意見書と抗議決議が全会一致で可決(沖縄タイムス2011年9月17日付)
 2015年2月23日 東村議会、ヘリ新着陸帯使用禁止決議。
 2015年6月29日 東村議会、オスプレイ飛行禁止と撤去を求める意見書・決議を可決。
 2016年7月21日 沖縄県議会、ヘリパッド建設に反対し建設中止を求める意見書を採択(賛成多数)。
そして、ヘリパッド建設反対の座り込みは、やんばるの生態系と住民の生活環境を守るために9年前から続いています。

毎週水・土が集会の日 そのほかの日も連日抗議活動。テントでは9年間、昼夜分かたず見張り
 9月20日、私は朝早く自宅を出ましたが、東村に着いたのは午後6時。高江は沖縄本島北部なので、その日は移動で1日終わってしまいました。埼玉からは思ったより遠かった。翌21日(水)、朝8時半ごろ私は高江のN1テントに着きました。このテントでは9年間、昼も夜も誰かが工事現場入口を監視しています。来る途中、ところどころに機動隊のバスが停車し、数名の機動隊員が出ていました。物々しい警戒で威圧しているようです。

(Voice of TAKAE(2015年6月28日改訂版より)

 毎週、水・土曜日はテント前で抗議集会が開かれます。当日も集会が行われました。当日の座り込みの参加者は約250人。平均70歳位の人たちが多い。地元の住民を中心に県内各地からも応援に来ています。うるま市から参加した人は「こちらには32、うるま市には80人くらいが集会をしている」と言っていました。沖縄県内の団体からの参加、県会議員や国会議員の伊波氏も来ていました。私たちのように県外からの参加もあります。


機動隊が参加者をごぼう抜き
 機動隊は東京、大阪、神奈川、千葉、愛知、福岡から来ています。今日の機動隊は沖縄県警。「今日は機動隊のバスが多い。7月22日の集会では500人の機動隊に座り込みを排除され、ダンプのバンパーにつかまって無理矢理引っ張られて指を切ったり、車の上から逆さに落とされたりしてけが人が出た。それを教訓に今日の抗議行動では決して無理をしないように頑張ろう。剥がされたらまた次回に座り込めば良い。決してあきらめない」と集会の百戦錬磨らしき進行役は参加者に注意事項をハンドマイクで伝えました。

 座り込みをしている地点から200メートルほど坂を下った所がカーブになっている。そのカーブを機動隊の人垣が蟻のように近づいてくる。「今日機動隊は300人。こちらは250人。がんばりましょう」と進行役がマイクを馴染みらしき人に渡した。その人はハリマオの替え歌で参加者を励ました。みんなは緊張感もあるが半分慣れているようで、笑ったり、気勢をあげたり、そうして機動隊を迎え撃とうとしていた。機動隊は10時ごろ坂の下に現れたが、20分くらいしてようやく目の前に現れた。近づいた機動隊の群れは道路を埋め尽くした。そして、集会参加者の排除にとりかかる。機動隊が座り込みの人たちに丁寧に「危険ですから移動しましょう」と声をかけるが、決して人の声に耳を傾けないで無表情に「危ないから移動しましょう」の連発だ。私たちは「高江のすべての住民が反対だと言っているのに何で作るんだ」の声も全く聞こうともしない。10分ほど対峙していましたが座り込みの端の方から1人ずつ無理矢理、みんなで組んでいた腕を引きはがし、5、6人で、手、足、胴を持ち上げて排除していく。そのまま道端に降ろすと、すぐにその周りを取り囲み、もうそこからは道路に出さない。

 そして全員が排除された11時ごろ警察の警備車両を先頭に、その後をダンプカーが砂利を搬入する。4代、4台、二台と合わせて10台、10トンダンプが砂利を運び入れた。250人が座り込んでも搬入されてしまう。自然豊かな中で育って暮らしことがなぜできないのか。なぜ米軍言いなりで沖縄の日本の貴重な生態系を明け渡してしまうのか。なぜそれを日本の警察が国民の血税を使って加担するのか。誰の税金だと思ってんだ。日本国民はこの横暴を、居住の自由の侵害を容認するのか。これが成功してしまうなら次は私たちの所かもしれない。日本中、どこでも強行されてしまう。だから許してはいけない。国民は「許さない」の声を上げなくてはいけない。

少人数の平日は10tダンプが続々と
 翌22日のテント前にはやっと20人程度でした。その後に参加者も来ましたが、それでも3 0~40人でした。機動隊は50~60人ほど。参加者は道路わきに封じ込められましたがそれでも声を上げました。基地内に入ったダンプは20台に達しました。昨日の残りを今日埋め合わせをしてしまいました。毎日、高江に集まらないと阻止できない。来られないとしたら日本の各地で声をあげないと阻止できない。

 隣の国頭村の決議では、「北部訓練場の一帯は貴重種の生息地域であり、配備されると自然環境の悪化や村民の生活環境が脅かされる」と指摘。配備計画の撤回と同飛行場の即時閉鎖、無条件撤去を求めた。沖縄県知事も「沖縄にこういう形で基地がおかれるというのは、私たちからすると容認しがたい」と強行に反対をしています。住民の総意、強硬への反発の県に対して強行することは、民主主義に反する。地方自治に反する。生態系の破壊という点では人類の英知に反する。科学に反する。なおのこと、日本各地で声をあげなくてはならない。

武力対武力では戦争の危機も
 同じ日本人同士がエネルギーを消耗する。これを高見の見物で防衛局と米軍が笑って見ている。一方、国民の中には米軍との共同が大事、それが正義と思っている人もたくさんいる。そして、辺野古や高江への基地建設を認めている。それが安倍内閣を支持し、安倍首相が強硬な姿勢に出る。しかし、力と力の関係で戦争を止めることができるだろうか。
 先日、私たちが地元の駅前でスタンディングをしている時、北朝鮮のミサイルに“対話での解決”を訴えたら、「そんな理想言ったってだめだよ」と言うのがいた。「核と核で威嚇しあっても解決しない。核と核、核戦争が起こってしまうかもしれない」と言ったら、「そんなこと起こりっこない」と言う。だったら核配備の必要もない。それなのに核対核を言う、この矛盾。

対話による解決しかない
 北朝鮮は、アメリカの侵略を理由に先軍政治を行っています。国の主権は世界が保障すべきです。「ならず者国家」などと言って干渉・攻撃の対象にすることはいけない。それが北朝鮮の先軍政治(すべてにおいて軍事を優先する)を正当化しています。一方、北朝鮮の核兵器開発は問題で、これまでの北朝鮮の非同盟諸国会議での発言と矛盾するものです。
 一方、北朝鮮には食料生産、経済発展の問題があります。その国を支援するとか、輸出するかどうかは輸出国の自由です。貿易は商取引です。攻撃の矛先が向かえば、輸出しなくなるのもやむを得ません。しかし、支援は根本的な解決にはなりません。食料や経済はその国が解決しなければならない問題です。そのために互いに協力し合うことは可能です。
 非同盟諸国会議の《平和5原則》(①双方の領土保全および主権の相互尊重、②相互不可侵、③双方の国内問題への相互不干渉、④平等および互恵、⑤平和的共存)などの立場に立って話し合うことが大事だと思います。

 中国も平和への脅威になっています。中国の狙いは経済発展のためのエネルギー、天然ガスの確保でしょう。しかし、それは温暖化を考えたとき間違っています。再生可能エネルギーの開発こそすべきで、そこに日本が技術協力をする、それが本当の国際貢献、平和への道ではないでしょうか。そういう話し合いができないのでしょうか。