小春奈日和

赤ちゃんは、人間は、どのように言葉を獲得するの?
わが家の3女春奈と言葉の成長日記です。

方言は自然習得のバロメーター

2014年05月02日 23時45分08秒 | 日記
2011年6月20日(月)(3歳2か月)


 ヒッポファミリークラブの社会人ワークショップに参加して、その後の
アフター(早い話が飲み会)に参加して、北野田駅に着いた頃には午前様。

 真っ暗な家に帰宅すると、寝室から春奈が出てきて、

 「お茶」

と、言うので、お茶をカップに入れて渡してやると、それを飲みながら、

 「お母さん、電話のとこにはるなのハミガキ置いたまま。ちゃんとなお
さなアカンやんなあ」

と、言う。
 
 電話機の方を見ると、たしかに春奈の歯ブラシが置いてある。

 春奈の歯を磨いた後、そこに置いてそのまま忘れたのだろう。

 でも、春奈、歯磨きじゃなくて歯ブラシだよ。


 ところで、「なおす」という言葉は関西以外では通じない、とよく言われる。

 意味は、「片づける」とか「元の場所に戻す」のことだ。

 やっぱり春奈は周囲の人たちの言葉をそのまま取り入れているから、関西弁
も自然に口にする。

 当たり前と言えば当たり前のことなのだけど、これはなかなかに意味深い。

 人間は、方言だろうが俗語だろうが、周囲の人が口にする言葉を自然に取り
入れることができる、ということは、逆に言えば、言葉を遮断することはしな
い、ということだからだ。

 それがどうした?と訊かれると、こういうこと。

 つまり、教科書的な「正しい言葉」だけを取り入れて、それ以外の言葉は取
り入れません、などということは、自然習得にはあり得ない、ということ。

 外国語の習得を目指す人の中には、時々、「乱暴な言葉や汚い言葉は覚えた
くありません」と言う人がいるけど、子供が言葉を獲得していく過程では、む
しろ乱暴な言葉や下品な言葉ほど小さい子はすぐに取り込んで口にするでしょ?

 口にする方言の多さは、自然習得のバロメーターでもあるのだ。

まだ比較級は未完成やね

2014年05月02日 00時37分35秒 | 日記
(きのうのつづき)


 午後から家族で出かけ、その帰りのこと。

 僕たちの車の横を2台のバイクが前後に並んで走っている。

 それを見た春奈が、車内からその2台に向かって言った。

 「バイクや。がんばれー。行けー」

 「レースやってんちゃう!」

と、みんたにつっこまれてしまていたけど、たしかにそうだな。

 だけども、バイクが2台走っている、という状況から競争している、
と解釈するのは、幼児が目にしたその状況についてのシチュエーション
を想像しているからで、言葉もシチュエーションを想像することで何
を言っているのか意味を想像する。

 そうやって言葉を育てているのだ。

 そして、春奈が、

 「バイクと自転車やったらバイク速い」

と、言ったので、

 「うん、自転車より速いな」

と、僕が答えると、


 「バイクの方が速いで」

 だから自転車より速い、って言うてるやん。

 うーむ、春奈は僕が言ったことを、「自転車の方が速い」ととった
のか?

 まだ「より」の意味がまだわかっていないのかも。

 比較級はまだ完全にゲットできていないようだ。