銀座の甚平喰い倒れ日記

甚平を愛するサラリーマンの食生活を綴った日記。銀座界隈を中心に東京の美味しいお店をご紹介。

築地 いしいにて「かき揚げ丼」をいただきます

2008-05-26 11:01:17 | 銀座・築地 天婦羅・天丼・うなぎ

天麩羅いしいの甥っ子さんから
もうすぐ一周忌だとご報告をいただいた。

コメント覧に皆さんへの謝意が送られたのだが
少しでも多くのいしい愛好家に見ていただけるように
引用させていただきたい。

以下



皆さん、ありがとう・・・ (天ぷら いしい)

2008-05-24 14:42:05

私は『天ぷらいしい』店主の甥です。
店主は私の母の弟にあたります。
叔父が他界し、今年の夏で一周忌を迎えます。
この節目に皆様にお礼を言いたくて最初で最後の投稿に参りました。
以前からこのブログは拝読させて頂いておりました。
皆様の『天ぷらいしい』への思い、ありがとうございます。
この様なかたちでしか、お礼を言えないのが残念で成りません。

先日、叔母のところへ線香を手向けに行って参りました。
また、その足で、墓前にも参ってきたところです。
皆様の想いも故人に報告して参りました。
草葉の陰でビールでも飲みながら、
聞いてくれていると思います。

これからも『天ぷらいしい』と叔父を
皆様の心の中で生かさせてやって下さい。
本当にご愛顧ありがとうございました。
他界しました店主に代わり、御礼申し上げます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今日は皆さんに悲しいお知らせが・・・

昨日の日記でも少しお話をしていた
天麩羅いしいのご主人が実は先日亡くなられたと
読者のキーサンさんが教えてくださったのだ。

心よりご冥福をお祈り申上げます。

あの豪快かつ芸術的などんぶりを
2度と食べられないのは悲しいことですが
今まで本当にありがとうございました。

長くこの日記を読んでいただいている方には申し訳ないが
どんだけすごい物を作ってくださっていたのかを
少しでも多くの方に知っていただけるように
今日は以前の日記をそのまま上げさせていただきます。


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

(2007年1月18日の出来事)


昨日は江戸っ子と居心地について
考えさせられてしまったので、
居心地のいい江戸っ子のいるお店に行きたくなり
てんぷらのいしいに行ってきた。

場所は本願寺側の晴海通りを勝どき方面に進み、
門跡橋を渡ったら一本目を左へ。

15m程で右手に見える。

ちなみに先日チゲラーメンをご紹介した
とうがらしはいしいの手前を右手に入ったところにある。



私はこのお店が好きだ。

味で言えば界隈で一番と言う訳ではない。
胃もたれしにくいかと問われれば、
「そうでもないです。」と答えてしまう。

お店の雰囲気を含めて総合的に考えると、
私はこのお店が好きなのだ。



入口に丼もののメニューが書いてあるが
かき揚げ定食¥1,000や天丼にあなごを追加したりも
頼めばやってくれる。

今日のランチは確信犯。
どうしても見ていただきたい
かき揚げ丼を大盛りで注文した。



このお店はご主人と奥さまの2人で
切り盛りしているのだが、

お茶が出されたあたりから
夫婦漫才の始まりだ。

江戸っ子気質な好奇心旺盛で
それでいて頑固なご主人と(失礼!)
ご主人に突っ込まれながらも、
暖かく一歩引いてご主人を盛り立てている
奥さまの掛け合い。

喧嘩しているようで暖かい。

お客の天婦羅のための掛け合いは
全然お客を巻き込まない。

「よっ」とか「よいしょっ」とか
茶目っ気たぷりのご主人が
先ほどまでの掛け合いは何処吹く風と
尾に引かせない。

だから気持ち良いのだ



新香としじみ汁が先に来る。

ここの天婦羅に梅干を付けるべきなことは
実際にご確認していただきたい。

また、赤だしのしじみ汁は
ダシが秀逸なこともあるのだが
しじみがゴロゴロしているのもありがたく、
2日酔いの日なんかはこいつだけ¥300くらいで
飲みに行きたくなるような旨さなのだ。

油酔いしそうだが・・・



かき揚げ丼がやってきた。

どんぶりには蓋をするのがマナーとばかりに
帽子をかぶっているような出で立ちだ。



角度を変えるとかき揚げの厚さが
はっきりと判るだろう。

一度定規で計ってみたいのだが、
4cmはありそうだ。

蓋に手をかける・・・



カツラではない。かき揚げだ。

こいつをこの状態に仕上げるために
自然と生じるやり取りは今更ながら納得させられる。

あの厚さでこの大きさに仕上げるのは
中々もって難しいだろう。

衣の先端はパチバチッと音が聞こえてきそうな
無形の花火を有形に表現したような出来栄えなのだ。



少し見えている緑の正体は三つ葉。

あまり味を感じにくいものだが、
中のもちっとした衣と絡んで
感じ取れた瞬間が旨い。

そいつにギンナン一串と
香り付けがされている。

中にはプリプリした中国産の芝海老がぎっしりと
いかが海老と2:1位で入っている。

具材はそれだけだ。

冬の花火を惜しみながら
芸術作品を削り取って行く。

旨い。



油に負けない甘ダレに
凄まじい大きさのかき揚げ、
炊き加減も絶妙なごはん。

普段大して気にしない新香の存在を
意識させてくれる香の物。

何杯でも飲めそうなしじみ汁。

こいつを夫婦漫才に微笑みながら
格闘する時間はカード会社の受け売りを
呟きたくなるような幸せな時間だ。

人によっては多少しつこく感じる
かもしれない天丼なのだが、
おっちゃんおばちゃんの暖かさに星ひとつだ。

気持ちの良い食事をご馳走様でした。

いしい
中央区築地6-3-8
℡03-3541-8474
11:50-14:30 18:00-20:00
土曜はランチのみ
日・祝日定休

かき揚げ丼 ¥1,600(大盛り¥100増しを含む)

甚平満足度 ★★★★★
甚平満腹度 ★★★★★


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