ちょいと時間ができたので
たまには滅多に足を伸ばさない方面に行ってみようと
銀座の8丁目の方に向かって歩き出した。
時間は14時を回っていたので
ランチタイムを意識しないお店を
探さなければならない。
丁度、博品館の裏手を歩いていると
記憶の隅に押しやられていたお店が現れた。
珈琲だけの店 ランブル。
珈琲界の人間国宝こと
関口さんが経営する珈琲愛好家の聖地だ。
丁度、店先で豆を煎られていたのを見て
空腹が満たされた後だったらとの溜飲を残し
こちらのお店のお話を次回に繰り越させていただいた。
せっかくだからもう一言だけ言わせていただくと、
せっかく銀座に来たのなら、
このお店の珈琲は1度と言わず2度3度、
飲んで帰るべし。
一杯¥1,000近い珈琲を
ありがたく飲ませてくれるお店は
中々あるものではない。
私はエスプレッソが好きなので
自宅では3台目のマキネッタを愛用しているが
関口さんがお奨めするネルドリップ(布フィルター)で
雫をコントロールしながら淹れられた珈琲は
スタバ世代の方々ならば間違いなく
目が飛び出てしまうだろう。
ランブルとの距離がシトシトと遠のき
博品館脇の新橋との国境に差し掛かった所で
数年前の記憶がフラッシュバックした。
ギンザナイン2。
地下のレストラン街の感じが
どうもポートピア連続殺人事件の
最後の迷路を思い出させてくれると
7年前にも感じたことを思い出したのだ。
ファミコン世代じゃない方には
こいつは何を言っているのだと
首しか傾げさせないような言葉だが
世の中は広い。
どこかに私と同じツボを
持った方もいるのだろう。
その地下迷宮に入り込み
暖簾を下ろしたお店たちを横目に見ながら進むと
7年前と同じように時間外れに
開いているお店があった。
はと屋。
ご存知な方も多いであろうこちらのお店。
私はこの暖簾が秀逸だと思う。
こいつを見て鳩サブレを
久々に食べたくなったのならば
ここは私とツボがおんなじと言うわけだ。
ショーケースにズラリと並べられた
大人のお子様ランチを眺めながら
相も変わらず男心の真芯を捉えたお店だと感心する。
そう、男はオムライスだけじゃ駄目なのだ。
このオムライスと○○というやつを
あーしよう、こーしようと思案に駆られる姿が
真の「男って単純よね」と後ろ指を指される姿なのだ。
・・・そういえば、前回が
オムライスとハンバーグだったような・・・
確信も味の記憶も思い出せなかったのだが、
今日は一目惚れの一品をいただくことに
させていただいた。
ウインナーナポリタンセット ¥950
ナポリタンの上にのったウインナーとのセットでなく、
さらにカキフライ、イカフライ、アジフライ、
魚フライの心憎さ。
特にアジフライと魚フライという、
具体と抽象の掛け合いなんかも
本能を存分に擽ってくれる。
店に入り、腹が減っていることを
大盛りという言葉で告白し、
調理する後姿を見守る。
揚げ物は全て注文を受けてから揚げていた。
油の色で多少使い込んだ油であることを察したが
お店の雰囲気がそんなことを全然気にさせない。
スパゲッティは茹で置かれたものを
炒めなおす効率を意識したナポリタンだった。
数分して、見本と
ほぼほぼ同じ姿でやってきたのがコチラ。
こいつがはと屋のウインナーナポリタンセットだ。
写真からは外れているが
こいつにと味噌汁で一揃えだった。
ただし、味噌汁については
コメントを避けさせていただきたい
ものだったのだが・・・
スパゲッティの上のウインナー。
色があまりよろしくない。
パクリとやると・・・
旨いとは言えない。
添加物の苦味を強く感じるのが
その原因なのだろう。
カップで盛り付けられた
ちょびっとごはん。
これには再び男心が目覚める。
ラーメンなんかを食べても
必ず小ライスをつけてしまう私のような方。
図星でしょ。
牡蠣フライ以外は及第点だった。
とはいえ、昔ながらなお店としては
5年ほど前までならばこれでも繁盛したのだろうが、
最近は頑張っている洋食屋さんが
どんどん出てきている。
生意気を言うようだが、
過去の記憶に固執すると
必衰の道を辿りかねないので
今後も頑張って欲しいと思う。
スパゲッティの麺は太い。
茹で置きなので伸びているが
油で火入れをし、表面に作られた膜で
食べ応えを作り出している。
ナポリタン自体の味は中々に優しい。
ただし、もっとケチャップと
上手に付き合っているお店もあるので
こちらもツボに頼り続けないで
いただきたい所のひとつだ。
アジフライを喰らう・・・
うん。やはりアジは旨い。
魚フライの方は加工食品などに使われる
シイラやらマヒマヒといった魚なのだろうが、
アジフライに対して魚フライというのはやはり・・・
フライのひとつひとつは
具材の質をカバーするような
カラリと上手に揚げられたものだった。
懐かしさに駆られて来てみたが
今も昔と変わらぬ思い出の記憶のままだった。
潰れて欲しくないので正直に言うが
今のままでは時代に取り残されてしまいそうだ。
懐かしさを求める客だけを相手にしていては
商売にはなる訳がないので、
男のツボを押さえた料理を
さらに昇華させていただきたい。
ご馳走様でした。
はと屋
中央区銀座8-5ギンザナイン2 B1F
TEL03-3572-1928
月~金 11:00~21:15
土・日・祝 11:00~17:00
日曜定休
ウインナーナポリタンセット ¥950
甚平満足度 ★★★☆☆
甚平満腹度 ★★★▲☆
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それでは明日もお会いしませう